花が少なくなる冬のシーズンにお庭を綺麗に彩ってくれるクリスマスローズ。
クリスマスローズはコンパクトに鉢植えで育てることもでき種類も豊富なので、園芸初心者から上級者まで多くの方が楽しめる人気の植物です。
この記事では、クリスマスローズの育て方についてご紹介します。
クリスマスローズの詳細情報
植物名 | クリスマスローズ ヘレボルス オリエンタルハイブリッド |
学名 | Helleborus |
英名 | Hellebore・Christmas rose |
科名・属名 | キンポウゲ科 ヘレボルス属 |
園芸分類 | 草花 |
形態 | 多年草 |
草丈 | 20〜50cm程度 |
原産地 | ヨーロッパ・西アジア |
開花期 | 1月〜3月 (12月から咲く早咲き品種もあり) |
花色 | 白・ピンク・黄色・緑・黒・複色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
「クリスマスローズ」という名前を聞くと、「クリスマスの時期に咲くバラ」と思う方もいるかもしれませんね。
クリスマスローズはバラではなく、クレマチスやアネモネなどと同じキンポウゲ科の多年草です。
ヘレボルス属の植物をまとめて「クリスマスローズ」と呼びますが、本来「クリスマスローズ」は、「ヘレボルス・ニゲル」のことを指します。
「ヘレボルス・ニゲル」がクリスマス頃(12月)に咲くことから、「クリスマスローズ」と呼ばれるようになりました。
クリスマスローズの特徴
ここからは、クリスマスローズの主な特徴についてお話します。
初心者にも育てやすい
クリスマスローズはガーデニング初心者にも育てやすいです。
特にポット苗で購入する際にクリスマスローズは全体的に生き生きとしていて、根の張りがしっかりしているものを選ぶと丈夫に育ってくれます。
クリスマスローズの根をお店で観察することは難しいので、葉や茎の状態などを観察してみると良いでしょう。
放置しても育つ
クリスマスローズは寒さに強くて丈夫なため適切な環境であれば放置していても育つことができます。
ただし、クリスマスローズは夏の直射日光と梅雨の高温多湿の環境は苦手なので注意が必要です。
クリスマスローズを含めた日陰花壇なのにほったらかしで毎年咲く花は、こちらの記事で紹介しています。
うつむいて咲く
花のバリエーションが豊富
クリスマスローズは花のバリエーションが豊富なのも特徴です。
クリスマスローズは色だけでも様々な種類が存在しますが、一重咲きや八重咲きのもの、花の大きさや形などもいろいろなものがあり、毎年新しい品種がどんどん生れています。
たくさんの種類の中からお気に入りのクリスマスローズを見つけるのも楽しいですね。
クリスマスローズの育て方
日当たり・置き場所
クリスマスローズを植える場所は、落葉樹の下のような環境が適しています。
季節 | 置き場所 |
---|---|
春・秋 | 木漏れ日程度の日が当たるところ |
夏 | 半日陰 |
冬 | 日当たりが良いところ |
クリスマスローズが自生地でどのように生えているかがポイントです。
クリスマスローズは、自生地(ヨーロッパなど)では上の画像のように、落葉樹の下に生えています。
春の芽吹き・秋の落葉のときは、木漏れ日が注ぐ環境。
夏は落葉樹の葉っぱがおおい茂っているので、半日陰。
冬は落葉樹の葉がなくなるので、陽の光が当たる環境です。
クリスマスローズはもともと耐寒性の高い植物ですが、落ち葉が保温効果をもたらしてくれて、厳しい冬を乗り越えることができるのです。
このような理由から、「クリスマスローズの置き場所は落葉樹の下がよい」と言われています。
現代は、お庭で大きな落葉樹を育てていないという方も多いですよね!
暑いときは半日陰
涼しい&寒いときは日向
と覚えておくと良いですね!
また、クリスマスローズはうつむいて咲く特徴があります。
せっかく植えたのに花が見えない…なんてことも。
段差を付けて植えると、花を楽しむことができますよ!
地植えの場合はレイズドベッド(立ち上がり花壇)がおすすめ。
鉢植えなら、鉢台などを使って高さを出すと良いです。
用土
実際に育ててみて思うのですが、クリスマスローズは、土づくりをそんなにしっかりしなくても成長するほどの丈夫さがあります。
地植えなら、植え付け前に腐葉土と堆肥をすき込む基本の土づくりでOK。
鉢植えは、市販のプランター用培養土を使えば問題ありません。
ただし、水はけが悪いのは良くありません。
水はけが悪い土の場合、軽石や鹿沼土を混ぜると水はけが良くなりますよ!
\おすすめの培養土/
植え付け・植え替え
クリスマスローズは鉢植えと地植えのどちらでも育てることができます。
クリスマスローズの植え付け適期は、10月から12月ごろ。
3月ぐらいまでなら、植え付けや植え替えをして問題ありません。
クリスマスローズはよく成長するので、根が詰まってきたら二回り大きい深めの鉢に植え替えます。
この時にクリスマスローズの根を軽くほぐしてから植えると根が張りやすくなります。
と言っても、ほぐし過ぎはダメですよ!
水やり
クリスマスローズの水やりは、秋から春の成長期には土が乾いたらたっぷりの水を与えます。
逆に、梅雨から夏の時期のクリスマスローズは休眠期に入るので、水やりは控えめにして土は乾燥気味になるようにしましょう。
地植えの場合は、植え付け直後は水やりをしますが、根ついてからは基本的に必要ありません。
肥料
クリスマスローズには秋から春の成長期に緩やかに効く緩効性肥料を与えます。
また、液体肥料を花の時期にプラスすればさらに花をたくさん咲かせてくれます。
春は花がらを切る
クリスマスローズは種ができる前に根元から切る(花がら摘み)と、株の栄養を損いません。
茎が硬い上に、葉がギザギザしているので、必ず手袋をしてハサミで切ってくださいね!
クリスマスローズは花が終わると真ん中に種ができ始めます。
種を採りたい場合はこのまま残しておきます。
こぼれ種で増えることもありますよ!
ただし、種をつけすぎると株が疲れてしまい、翌年咲かなくなる原因にもなります。
夏越し
夏はクリスマスローズの休眠期。
クリスマスローズの夏越については、水やりを控えめにして涼しい日陰で管理します。
また、クリスマスローズは高温多湿に弱いので雨に当たらないようにして、葉っぱの枚数を減らして風通しの良い状態にします。
肥料も与えないようにしましょう。
秋の古葉切り
クリスマスローズは11月から12月ごろに新芽が出てきます。
クリスマスローズの新芽が出てくる頃になったら、古い葉を根元から切ります。
古い葉は黒っぽくなっているのですぐに分かりますよ!
黒くなった葉は光合成することができないので、見つけ次第すべて切り取ります。
クリスマスローズの古葉切りのやり方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
冬越し
クリスマスローズは寒さに強いので、冬越しに関してはそれ程気を遣う必要はありません。
病害虫
クリスマスローズの病害虫にはいろいろなものがありますが、一番多いのは灰色カビ病です。
灰色カビ病になるとクリスマスローズの葉っぱが灰色や褐色になったり茎から倒れこむ形になってしまいます。
これは、クリスマスローズが高温多湿の状態で弱るのが原因なので、梅雨の時期に葉っぱを落として風通しを良くし、専用の薬剤を散布することで予防できます。
クリスマスローズの増やし方
クリスマスローズを増やす方法には、種で増やす方法や株分けがあります。
特に株分けは、大きく育ったクリスマスローズの株をざっくりと根ごと分ける作業で、簡単にできるのでおすすめです。
また、クリスマスローズはこぼれ種でも増えます。
こぼれ種で増やしたい場合は、クリスマスローズの花が終わった後、切らずに放置しておいてくださいね。
まとめ
今回は、クリスマスローズの特徴や育て方をご紹介しました。
クリスマスローズは宿根草のため、上手に育てれば毎年花を咲かせてくれます。
また、クリスマスローズは種類もどんどん増えているので、愛好家の方もたくさんいらっしゃる大人気の植物です。
ガーデニング初心者の方も上級者の方も楽しめるのがクリスマスローズのすごいところですよ!