パッとわかる!ツワブキの育て方
- ツワブキは土質を選ばず明るい日陰でも育ち、暑さ寒さにも比較的強い育てやすい植物です。
- ツワブキはよく増えますが、枯れ葉取りや花がら摘みなどのお手入れをすれば、脅威になるほどではありません。
- ツワブキは毒があるので、子供やペットが誤って生で食べないよう注意が必要です。
ツワブキは涼しくなり始める秋頃に、黄色の可愛い花を咲かせます。
日本で古くから自生してきたことから、日本の気候にも強く育てやすいです。
ツワブキには毒性があり、口にすると食あたりなどを起こします。
この記事では、ツワブキの育て方について、ガーデニング初心者の方でもわかりやすく解説しました。
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ツワブキの詳細情報
植物名 | ツワブキ |
学名 | Farfugium japonicum |
英名 | Leopard plant、Green leopard plant |
科名 | キク科 |
属名 | ツワブキ属 |
園芸分類 | 草花 |
形態 | 多年草 |
樹高 | 20cm〜50cm程度 |
原産地 | 日本、朝鮮半島、中国など |
開花期 | 10月〜12月頃 |
花色 | 黄、白など |
耐寒性 | 普通〜強い |
耐暑性 | 強い |
ツワブキは日本や朝鮮半島や中国が原産の植物です。
暑さ寒さに強くて日陰に置いて育てても、ほったらかしても育ちます。
ツワブキには地方によって様々な呼び方があり、「ツワ」「イシブキ」「オバコ」沖縄の「ちぃぱっぱ」などがあります。
ツワブキの種はタンポポの綿毛に似ていて、種を風で飛ばします。
種だけでなく地下茎でも増えるので、増えすぎに気をつけてください。
ツワブキには毒成分のピロリジンアルカロイドが含まれています。
ピロリジンアルカロイドは加熱しても壊れにくく、食用にする場合は十分なアク抜きが必要です。
子供やペットのいる家庭では、誤って生で食べないよう注意してください。
ツワブキを植えてはいけないと言われることがありますが、注意すればお庭に植えても問題ありません。
ツワブキの育て方|購入から植え付けまで
入手方法と販売時期
ツワブキの種は流通していないため、苗を購入して育てます。
ツワブキの苗は園芸店やホームセンター、インターネット通販で購入できます。
3月〜5月頃と9月〜11月頃に店頭に並びます。
用土
ツワブキは土質を選ばず、水はけのよい土を好みます。
庭植えの場合
ツワブキを庭で育てる場合、他の植物が健康に育っている土なら特に問題はありません。
土を作り直す場合は、庭土:腐葉土や堆肥=7:3を目安に混ぜ合わせます。
鉢植えの場合
ツワブキを鉢植えで育てる場合は、市販の草花用培養土を使いましょう。
自分で土を配合する場合は、赤玉土(小粒):腐葉土=6:4を目安にしてください。
植え付け・植え替え
ツワブキの植え付けと植え替えの適期は、4〜5月頃と9〜10月頃です。
庭植えの場合
ツワブキの苗を2つ以上植え付ける場合は、株間20cm〜30cm程度あけて植え付けます。
植え付ける2週間ほど前に、植え付け場所の土をよく耕しておきましょう。
ツワブキの植え付け場所を10cm〜20cmほど盛り土します。
- ツワブキの苗をポットから抜き取り、根鉢を軽くほぐします。
- 植え付け場所には根鉢より一回り大きな穴を掘ります。
- 穴の中にツワブキの苗を置き、土を戻し入れます。
- 植え付け後はたっぷりお水をあげましょう。
鉢植えの場合
ツワブキを鉢で育てる場合は、5号〜7号の大きさの鉢を使います。
- 鉢底に鉢底ネットを敷いて軽石を2段ほど入れます。
- 鉢の半分くらいまで土を入れて苗を置き、残りの土を少しずつ入れます。
- たっぷりお水をあげたら土を割り箸などでつつきます。
植え替え
庭のツワブキは植え替えの必要はありません。
鉢のツワブキは2年に1回を目安に植え替えます。
ツワブキを植え替える時は、一回り大きな鉢に植え替えましょう。
植え替え前に水やりせずに、土を乾燥させた状態で行うと植え替えしやすいです。
ツワブキを鉢から抜き出し、根鉢の古い根や傷んだ根を取り除きます。
ツワブキの根鉢を半分くらいの大きさにします。
植え替える鉢に新しい土を入れて、苗を植え直します。
日当たり・置き場所
ツワブキは日向でも明るさのある日陰でも育ちます。
あまりにも日光が当たらない場合は、草姿も弱々しく花付きも悪くなるので注意してください。
斑入りの品種の場合は明るい日陰を好み、日が当たると斑が出ない場合があります。
ツワブキの育て方|日々のお世話
水やり
庭植えのツワブキはしっかり根付いた後は、自然に降る雨のみで大丈夫です。
鉢植えのツワブキは土が乾燥したらたっぷりお水をあげましょう。
肥料
庭植えの場合
庭のツワブキは植え付け時の元肥に、緩効性肥料をよく混ぜ合わせて与えます。
追肥は特に必要ありません。
鉢植えの場合
鉢のツワブキは植え付け時の元肥に、緩効性肥料をよく混ぜ合わせて与えます。
鉢のツワブキの追肥は2月〜4月頃と6月〜9月頃に緩効性化成肥料を置き与えます。
斑入りの品種は春頃の肥料が多いと斑がうまく出ないことがあるので、量を減らして与えましょう。
剪定・切り戻し
ツワブキの剪定では、枯れ葉取りと花がら摘みを行います。
変色したり弱っている葉っぱ、枯れてしまった葉っぱはつけ根からカットして取り除きます。
咲き終わった花は茎からカットして早めに取り除いてください。
開花後の花はたんぽぽのような綿毛をつけた種になり、風で様々な場所に飛んで行き知らぬ間に増えてしまいます。
ツワブキの種を取りたい場合のみ、花を残しておきましょう。
夏越し
ツワブキは暑さに強いですが真夏の直射日光に当たると、葉っぱが焼けてしまう事があります。
鉢植えのツワブキは木漏れ日程度の明るい日陰に移動させましょう。
水やりは朝と夕方の比較的気温の低い時間に行なってください。
冬越し
ツワブキの耐寒温度は−3℃〜−10℃で品種によって違いがあります。
一般的なツワブキは−10℃まで耐えられます。
耐寒温度の低い品種の場合は、霜や土の凍結から守るために庭植えの場合はマルチングしたり、掘り上げて温かい場所に移動させます。
鉢植えのツワブキの水やりは土が乾燥したら与えますが、日中の温かい時間に行なってください。
病害虫
ツワブキは以下の病害虫の被害に遭うことがあります。
- うどんこ病
- 褐斑病
- キクスイカミキリ(シンクイムシ)
- ヨトウムシ
- アブラムシ
うどんこ病
うどんこ病はカビが原因の病気で、5月〜8月頃の風通しが悪い環境と肥料の与えすぎでよく発生します。
うどんこ病にかかると葉っぱや新芽やつぼみに白い粉がついたように変色します。
病気が進むと葉っぱ全体が変色し、光合成が出来なくなって枯れてしまいます。
うどんこ病に感染したら変色した葉っぱを取り除いて処分し、うどんこ病に効果のある薬剤を散布しましょう。
褐斑病
褐斑病はカビが原因の伝染病で5月~12月の多湿の環境で発生しやすいです。
褐斑病にかかると葉っぱに黒っぽい褐色の小さな斑点が現れ、少しずつ斑点が大きく広がり輪紋が見られたり斑点が合わさったりします。
下葉から枯れていくので見つけたらすぐに切り取って処分してください。
切り取った葉っぱはそのままにすると他にも伝染してしまうため、袋などに入れて捨てましょう。
病変部を取り除いたら他の健康な葉っぱの表裏に、褐斑病に効果のある薬剤を散布します。
キクスイカミキリ(シンクイムシ)
キクスイカミキリは4月〜7月頃葉っぱに卵を産みつけ、孵化した幼虫が茎の内側から地下茎に食べ進みます。
ツワブキの元気な葉っぱの中に萎れた葉っぱがあれば、キクスイカミキリがいるかもしれません。
萎れた葉っぱは茎の根元からカットします。
可能であれば茎を裂いて幼虫がいれば捕殺し、いなければ根茎の中を探して見つけたら捕殺してください。
完全に防ぐことは難しいので、植え付ける場合は近くにキク科の雑草が生えないようにすると被害が少なくなります。
ヨトウムシ(夜盗虫)
ヨトウムシは夜に活動し葉っぱをすごい勢いで食べ尽くしてしまう害虫です。
4月〜6月頃と9月〜10月頃に付きやすいです。
ヨトウムシが大量発生すると葉が透けて見える状態になります。
ヨトウムシの被害が疑われる場合は、食べられた葉っぱ取り除き可能であれば焼却処分してください。
葉っぱを処分したらヨトウムシに効果のある薬剤を散布します。
アブラムシ
アブラムシは黄緑色の小さな虫で3月〜10月頃によく見られます。
葉っぱの裏に寄生して植物の養分を吸い取ります。
アブラムシの発生が少なければ牛乳を水で薄めて霧吹きで吹きかけると、窒息させて駆除することができます。
大量発生した場合はアブラムシに効果のある薬剤を使用してください。
ツワブキの増やし方
ツワブキは株分けと根茎伏せと種の採取で増やす事ができます。
株分け
ツワブキの株分けは植え替えの時に行います。
増えすぎてしまったツワブキを小さくする目的での株分けも効果的です。
古い根茎の自然に別れる部分を、手で裂くかナイフなどで切り分けます。
1つの株に付く葉っぱの数が3枚程度、または芽の数が5芽前後になるようにしてください。
根茎伏せ
根茎伏せは挿し木の1種で、適期は4月〜10月頃です。
根茎伏せすることで親株と同じ株を作ることができます。
根茎伏せの発芽日数は一般的に1ヶ月程度かかります。
ツワブキを掘り上げて葉のない古い根茎や太めの根茎を5cm程度にカットします。
土を入れた育苗ポットにカットした根茎を土の中に横向けにして植え付けて、乾燥しないように水やりをしましょう。
根っこがしっかり回ってきたら庭や鉢に植え付けます。
種の採取
ツワブキの種は販売されていないため、種から育てる場合は種を採取します。
ツワブキの種は咲き終わった花がらをそのままにしておくと採取することができます。
種には綿毛がついていて風で種が飛んでしまうので、種が出来たらすぐに採取しましょう。
密閉できる容器や袋などに入れて冷蔵庫などで保管してください。
種まき
種まきの適期は2月〜3月頃です。
採取した種から育つ株は親株と変わらないか劣った株になります。
ツワブキの種は好光性種子のため土を被せなくても発芽します。
光をうっすら通すくらいうっすら被せても大丈夫です。
まとめ
ツワブキの育て方を紹介しました。
ツワブキは明るい日陰でも育つ丈夫な植物なのでとても育てやすいです。
増えすぎる事が問題にされることがありますが、葉っぱのお手入れや花がら摘みをすれば増えすぎて困ることはありません。
ツワブキには毒がありますが食用にする時に問題になるので、鑑賞する目的なら問題なく楽しめます。
花の少なくなる秋や冬に黄色いビタミンカラーのツワブキはとても頼りになりますよ。