パッとわかる!トキワマンサクの育て方
- トキワマンサクは日当たりの良い環境を好みます。
- 元気が良すぎて葉っぱや枝が茂りすぎてしまうので、こまめに剪定してあげます。
- 剪定以外は手間もかからず病害虫の被害にも遭いにくい丈夫な植物です。
- 庭の2年以上経つトキワマンサクは水やり不要、鉢植えは土が乾燥したらたっぷりと!
トキワマンサクは春になると可愛らしく綺麗なリボンのような花を咲かせます。
トキワマンサクが満開の光景は見応えたっぷりです。
緑や銅色の丸みのある葉っぱは1年を通して楽しむことができます。
この記事では、トキワマンサクの育て方について、ガーデニング初心者の方でもわかりやすく解説しました。
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トキワマンサクの詳細情報
植物名 | トキワマンサク |
学名 | Loropetalum chinense |
英名 | Evergreen witch hazel |
科名 | マンサク科 |
属名 | トキワマンサク属 |
園芸分類 | 庭木 |
形態 | 高木 |
樹高 | 3m〜6m程度 |
原産地 | 日本(静岡県、三重県、熊本県)、台湾、中国南部、ヒマラヤ東部 |
開花期 | 4月〜5月頃 |
花色 | 白、ピンク、赤 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
トキワマンサクは日本や中国やインドが原産の常緑樹です。
トキワマンサクはマンサク科トキワマンサク属に1種類だけ存在していて仲間はありません。
日本で自生しているのは一部の地域で静岡県湖西市と三重県伊勢神宮と熊本県荒尾市のみです。
自生数も20株程度で、環境省の絶滅危惧1B類とされ保護されています。
トキワマンサクの園芸品種にベニバナトキワマンサクや源平トキワマンサクなどがあります。
トキワマンサクはとても丈夫な樹木なので、剪定以外はほったらかしても大丈夫です。
トキワマンサクの育て方|購入から植え付けまで
入手方法と販売時期
トキワマンサクの苗は園芸店やホームセンター、インターネット通販で購入できます。
植え付け適期である、4月〜5月・9〜10月に出回ることが多いです。
トキワマンサクの苗を選ぶ時は枝がしっかりした苗を選びましょう。
用土
水はけと水持ちのよい肥沃な土を好みます。
庭植えの場合
植え付け場所の庭土:腐葉土(堆肥)=7:3を目安によく混ぜ合わせます。
鉢植えの場合
トキワマンサクを鉢植えで育てる場合は市販の草花用培養土を使います。
自分で配合する場合は赤玉土(小粒):腐葉土=6:4を目安によく混ぜ合わせます。
植え付け・植え替え
植えつけと植え替えの適期は4月〜5月頃と9月〜10月頃ですが、基本的には春がオススメです。
庭植えのトキワマンサクを移植する場合は9月〜10月頃がオススメです。
植え付け
2つ以上の苗を植え付ける時は、株間30cm以上あけて風通しが良くなるようにします。
- トキワマンサクの根鉢よりひと回りまたは2倍ほど大きな穴を掘ります。
- 穴の半分ほど土を戻し苗を置き、残りの土を戻し入れます。
- 株周辺の土を手で押したり足で踏んだりしながら固めたあと、たっぷり水やりをします。
- 若い苗は倒れやすいため、植え付け後には支柱を立てて支えます。
トキワマンサクはすぐにぐらついてしまうので、しっかり根付くまでは注意してください。
庭植えの場合は生育スピードが早いため、生育後の大きさを考慮した広さを確保しましょう
鉢植えにする場合はもともと植わっていたポットより、ひと回り以上大きな鉢に植え付けます。
植え替え
庭植えのトキワマンサクは植え替えの必要はありません。
鉢植えのトキワマンサクは根っこが鉢の底から出てきたら、一回り大きな鉢に植え替えましょう。
日当たり・置き場所
トキワマンサクは日当たりの良い環境を好みます。
明るさのある日陰でも育ちますが、花が少なくなったり枝が細くなったりします。
花数多く華やかにしたい場合は、日当たりのよい場所で育てましょう。
特に庭植えにする場合は冷たい風の当たらない、日光がく当たる場所を確保してください。
トキワマンサクの育て方|日々のお世話
水やり
庭植えの場合
庭に植え付けて2年までのトキワマンサクは、土が乾燥したらたっぷりお水をあげます。
庭に植え付けて2年経っていれば、自然の雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合
トキワマンサクを鉢で育てる場合は、土の表面が乾いたら鉢底から水が出るくらいたっぷりお水をあげましょう。
肥料
庭植え鉢植えともにトキワマンサクには植え付け時の元肥として、有機質肥料を土によく混ぜて与えます。
2月頃には寒肥として緩効性肥料または有機質肥料を与えましょう。
花木用の固形肥料を使っても大丈夫です。
トキワマンサクの元気がない場合は、9月頃に追肥します。追肥に使う肥料は2月の寒肥を参考にしてください。
剪定・切り戻し
トキワマンサクは生育旺盛で枝葉がよく伸びるため、剪定が必要です。
剪定時期は4月〜5月頃と適宜、枝葉が混み合ってきたら行いましょう。
トキワマンサクの枝を剪定する時は、付け根や分岐点でカットするのが良いでしょう。
枝の先をカットすると、そこから細かな枝が複数生えてきてしまいます。
トキワマンサクの枝の先の方をカットしないよう注意してください。
4月〜5月頃の剪定では、トキワマンサクの開花後に思い切って切り戻します。
6月に入ると来年咲く花芽がつくので、花芽がつく前に行いましょう。
その他の時期でも枝葉が茂りすぎたり、徒長枝などがあればこまめにカットして風通しをよくしてください。
庭木の場合
トキワマンサクを庭木として育てている場合は、自然にまとまるので特別な剪定はありません。
風通しが悪くなるとカイガラムシが発生するので、風通しを良くするこまめな間引きは必要です。
生垣の場合
生垣として植えている場合は、好みの樹形にするための剪定が必要です。
生育旺盛なため剪定後もすぐに伸びることを念頭に置き、大きさを決めてカットしましょう。
形を重視する場合は花芽もカットせざるを得ない可能性があります。
トキワマンサクの花芽はよくつくため、花を全て諦めなくても大丈夫です。
剪定に困ったら、プロに頼むのが安心です。
夏越し
庭植えの場合は真夏で土の乾燥がひどい時に、たっぷり水やりをしてあげてください。
鉢植えの場合は午前中だけ日に当てて、日中の猛暑の時間は明るい日陰に移動させます。
冬越し
トキワマンサクの耐寒温度は−5℃です。
庭植えのトキワマンサクは植え付け時に寒風の当たらない暖かな場所を確保してください。
若い苗木は寒さに弱いので株元にワラや腐葉土を敷いてマルチングするなど防寒対策が必要です。
病害虫
トキワマンサクは病害虫の被害に遭いにくい植物です。
ただし、高温多湿で日当たりや風通しが悪くなるとカイガラムシが発生することがあります。
カイガラムシの発生を予防するために、枝葉を風通しのよい状態に保ちましょう。
カイガラムシの成虫は体が固い殻に覆われているため、薬剤の効果がありません。
カイガラムシを見つけたら歯ブラシなどで落として取り除きましょう。
大量発生した場合は枝ごと取り除きます。幼虫の場合は薬剤を使用してください。
トキワマンサクの増やし方
トキワマンサクは挿し木で増やすことができます。
開花後の花をそのままにしておくと種を採取できますが、増やす方法は挿し木がオススメです。
挿し木
トキワマンサクの挿し木は比較的簡単に発根します。
挿し木の適期は7月〜8月頃です。
- 挿し穂には今年新しく伸びた健康な枝を10cm前後にカットして使います。
- 土に埋まる部分、下⅓か半分くらいに付いている葉っぱを取り除きます。
- 挿し穂の切り口を1時間ほど水上げします。
- 挿し床に挿し木用培養土または赤玉土(小粒)をあらかじめ湿らせて入れておきます。
- 用意した挿し床に挿し穂を挿して、明るい日陰で管理します。
- 土が乾燥しないよう水やりし、新芽が出てしっかり発根したら庭や鉢に植え替えます。
しっかり発根するまでの期間は1ヶ月程度です。
挿し木後の保水の方法として、穴をいくつか空けたビニール袋で覆う方法もあります。
種の採取
トキワマンサクの発芽率はあまり良くなく、根張りもばらつきがあります。
種から育てるのであれば取り蒔きすると、発芽率が上がります。
種を採取したらすぐに種まきしてください。
まとめ
トキワマンサクの育て方を紹介しました。
トキワマンサクは病害虫にも強く丈夫で育てやすいので、初心者にもオススメです。
トキワマンサクはすぐに大きくなるので、枝葉の混み合う場所は風が吹き抜けるイメージでカットしましょう。
剪定以外はほったらかしても大丈夫です。
トキワマンサクをぜひ育ててみてくださいね。