シソ科のタイムは、料理に使われる代表的なハーブです。
料理の他にも、寄せ植えのカラーリーフやグランドカバーとして利用される品種もあり、とても幅広く活用されています。
この記事では、350種類以上あるタイムの中から、代表的な品種を紹介します。
タイムは大きく分けて2種類
タイムは、成長の仕方によって
- 立性
- ほふく性
の2種類に分けられます。
一般的に、立性のタイムは料理に使われるものが多く、ほふく性のタイムはグランドカバーや花壇の縁取りに使われるものが多いです。
立性のタイムは、上へと伸び、ある程度の高さに成長すると横方向に広がっていきます。
地植えにすると草丈が30〜40cm程度の高さになります。
ほふく性のタイムは、最初から横へと広がっていきます。
這うように成長するので、草丈は10cm程度にしかなりません。
立性のタイムの種類まとめ
立性のタイムの種類を紹介します。
- コモンタイム
- オレンジバルサムタイム
- レモンタイム
- シルバータイム
- マスティックタイム
コモンタイム
コモンタイムは、タイムの中で、最もポピュラーな品種です。
白から淡いピンク色の小さな花をたくさん咲かせます。
一般的に料理に使われ、食用にされるのは、コモンタイムです。
オレンジバルサムタイム
オレンジバルサムタイムは、オレンジに似た甘くフルーティーですっきりとした香りが特徴のタイムです。
グレーがかった細かい葉でコンパクトにまとまります。
淡いピンク〜白色の花を咲かせます。
ハーブティーに使われるタイムです。
レモンタイム
レモンタイムは、葉に触れるととても爽やかなレモンの香りがするタイムで、ポプリやハーブティーに使われます。
白〜薄いピンクの小さな花を咲かせます。
レモンタイムの中でも、葉が黄色く縁取られているものは、ゴールデンレモンタイムと呼ばれ、レモンの香りだけでなく、カラーリーフとしても楽しめます。
シルバータイム
シルバータイムは、葉の白い縁取りが特徴的で、花付きはあまりよくありませんが、淡いピンク色の小さな花を咲かせます。
秋から冬には全体にピンクと紫色をかけたように紅葉し、カラーリーフとしても人気があるタイムです。
マスティックタイム(マスチックタイム)
マスティックタイムは、草丈が30〜60cmにもなることがある比較的大きなサイズのタイムです。
ふわふわした綿毛に包まれるように、可愛らしい白い花が咲きます。
香りが強く、ポプリや浴用に使われます。
ほふく性のタイムの種類まとめ
ほふく性のタイムの種類を紹介します。
- クリーピングタイム
- レイタータイム
- ロンギカウリスタイム
- フォックスリータイム
- ドーンバレータイム
クリーピングタイム
クリーピングタイムは、ほふく性のタイムの中で、生育が旺盛でグランドカバーとしてポピュラーな品種です。
クリーピングタイムは春に花が咲きます。満開になると見事!
花の色は、ピンク、薄紫、白があります。
クリーピングタイムは常緑なので、冬でもお庭が寂しくなりません。
踏圧にも耐えられるので、通り歩きするところに植えることもできます。
レイタータイム
レイタータイムは、クリーピングタイムをよりグランドカバー向きに改良した品種で、細かな葉が地面を覆うように広がります。
生育が旺盛で踏まれても傷みにくいので、芝生に変わる品種として注目されています。
小さなピンク色の花をたくさん咲かせますが、芝生の代わりに植える場合は、花を長く咲かせるよりも、適期に刈り込む方が葉の緑色を保つことができますよ。
ロンギカウリスタイム
ロンギカウリスタイムは、アリッサムに似た小さなピンク〜薄紫色の花が、まり状になって密に咲きます。
カーペット状に広がるので、花が咲くグランドカバーとしておすすめのタイムです。
葉には爽やかな香りがあります。
フォックスリータイム
フォックスリータイムは、葉の縁に不規則に白やピンクの斑が入るタイムです。
葉全体が白くなることもあり、日光が当たると光が反射して周囲が明るくなります。
フォックスリータイムは、イチオシのタイムの品種です。
ほふく性ですが、生育はかなりゆるやか。
花壇の中のグランドカバーとして植えると、雑草よけにもなりますし、どんな植物とも合います。
秋から冬に紅葉し、枝先が可愛いピンク色に変わるので、寄せ植えやギャザリングにもおすすめです。
花付きはあまりよくありませんが、紫〜赤紫色の花を咲かせます。
ドーンバレータイム
ドーンバレータイムは、レモンの香りが強いほふく性のタイムです。
葉には黄金色の斑がランダムに入り、秋には紅葉して葉色がブロンズ色に変化します。
淡い紫色の花が咲きますが、花、葉ともに小ぶりで成長はややゆっくりです。
タイムの種類でよくある質問
食用にできるタイムの種類は?
タイムでハーブ料理を作ってみたくなりますよね。
食用にできるタイムは、コモンタイムが一般的。
スーパーのハーブコーナーにあるのも、ほとんどコモンタイムです。
コモンタイムは、肉の臭み消しとして使われます。
シチューやポトフなどの煮込み料理に使われる「ブーケガルニ」には、コモンタイムがよく使われます。
「ブーケガルニ」とは、数種類のハーブなどをタコ糸で束ねたブーケのことです。(下の画像参照)
ブーケガルニは、煮込み料理の風味づけに用いられます。
グランドカバーにぴったりなタイムの種類は?
ほふく性のタイムならどれもグランドカバーに使えます。
その中でもおすすめなのがレイタータイムです。
レイタータイムは、グランドカバー用に品種改良された品種。
成長が速いので、地面を覆うスピードも速いです。
踏圧にも強いので、通路などの通り歩きするところにも問題なく植えることができますよ!
斑入りのタイムの種類は?
斑入り(葉に模様が入る)のタイムは、以下の種類があります。
- シルバータイム(立性)
- ゴールデンレモンタイム(立性)
- フォックスリータイム(ほふく性)
斑入りタイムは、花壇の脇役にぴったりです。
ところどころ、斑が消える場合もあります。
まとめ
タイムは、たくさん品種があって優秀なハーブですね。
ヨーロッパでは古くから利用され、殺菌効果や匂い消しの効果が高いことから、古代エジプトでミイラを作るときの防腐剤として使っていたそうです。
みなさんも、用途や目的に合わせて、お気に入りのタイムを選んでくださいね。
タイムの育て方は、こちらの記事で詳しく解説しています。