爽やかな香りが人気のタイム。
強い生育力で育てやすい上、ナチュラルで可愛らしい姿はガーデニングで人気です。
さらにお料理の香り付けやインテリアでも大活躍!
この記事では、タイムのいろいろな育て方についてガーデニング初心者の方にもわかりやすく解説します。
タイムの詳細情報
植物名 | タイム |
学名 | Thymus |
英名 | Thyme |
科名・属名 | シソ科ジャコウソウ属 |
園芸分類 | ハーブ |
形態 | 多年草 |
草丈 | 〜30cm |
原産地 | ヨーロッパ・北アフリカ・アジア |
開花期 | 4月〜6月 |
花色 | ピンク |
耐寒性 | やや強い |
耐暑性 | やや強い |
タイムは、とても香りの良いハーブで料理や防虫などに大活躍です。
タイムは丈夫で生育旺盛ですが、地中海沿岸が原産で高温多湿の環境にはやや弱い性質があります。
特に日本の夏はタイムには辛い季節。
蒸れないように風通しを良くするなどの工夫が必要です。
さまざまな品種がありますが、茎が上に伸びる立性のものと、地面を這うように成長するほふく性のものの2種類に分けられます。
葉に模様が入る斑入りの品種もあり、花壇に植えるのもおすすめです。
タイムの種類については、こちらの記事で詳しく解説しています。
タイムの育て方
丈夫で生育旺盛なタイムは、ハーブやガーデニング初心者の方でも安心して育てられます。
蒸れに注意するのが育てる上でのポイントです。
上手に育てるためのポイントをまとめましたので、ぜひご活用くださいね。
日当たり・置き場所
タイムは日当たりが良い場所で育てるのがおすすめです。
耐陰性があり日陰でもある程度は育ちますが、葉の色艶は日当たりの良い場所より劣ってしまいます。
しっかりとした健康な株にするためにも、日が当たる場所に植えましょう。
またタイムは高温多湿に弱いため、風通しの良い場所での管理が適しています。
タイムを室内で育てる場合は、日当たりの良い窓辺で育てましょう。
用土
タイムは多湿な環境が苦手なので、水はけの良い土を使いましょう。
水はけが確保できれば用土は選びませんが、自身で配合する場合は赤玉土7:腐葉土3の割合がおすすめです。
また、タイムは酸性の土壌を嫌います。
特に地植えの場合には、植え付ける2週間ほど前に用土に石灰を混ぜ込んでおくと良いでしょう。
植え付け・植え替え
タイムの植え付け・植え替えともに3月〜4月、9月〜10月が適期です。
タイムは根の成長が早く、鉢植えの場合底穴から根が出てくることがあります。
根が回りすぎると生育が悪くなりますので、1年に1回ひと回り大きい鉢へ植え替えるのがおすすめです。
また、葉が黄色くなってくるのも植え替えのサイン。
タイムは根が多くすぐ成長しますので、植え替え時に根が切れても問題ありません。
根鉢をよくほぐして植え替えしてくださいね。
タイムを室内で育てる場合は、大きなプランターを置くのは難しいので、小さな鉢植えで育てましょう。
水やり
タイムの植え付け直後にはたっぷりと水やりをしましょう。
地植えの場合は、根付いた後は降雨のみで育ちます。
鉢植えは土が乾いたら鉢底から流れるくらいたっぷりと水やりをしましょう。
冬場は生育速度が緩くなるので、水やりの回数を抑えると良いですよ。
肥料
タイムの植え付け時に、用土に緩効性肥料を混ぜます。
追肥は4月〜6月、9月〜11月に液肥か固形肥料を与えますが、肥料が多すぎると香りの低下を招いたり、旺盛に育ちすぎたりというデメリットを招きます。
肥料を与える時は、量に注意してくださいね。
\ハーブにおすすめの肥料/
夏越し
高温多湿な環境が苦手なタイム。
夏は特に蒸れないように注意が必要です。
風通しが良い場所で管理したり、枝や葉が混み合っていたら剪定をして蒸れから守りましょう。
コンクリートの上での管理は、照り返しで蒸れる恐れがあるので極力避けましょう。
水やりは蒸れの元になるので気をつけなくてはいけませんが、水をやらなさすぎると根を傷めてしまいます。
日照りが続いたり土が乾きすぎている場合は水やりをしましょう。
冬越し
タイムは寒さには比較的強く、関東以南では特に冬越しの対策は不要です。
寒冷地は鉢植えなど移動できる場合は軒下などで管理すると安心です。
地植えのタイムは、降雪などにより地上部が枯れてしまいますが、根は生きています。
暖かくなると新芽が出てきますので心配はいりませんが、不安な場合は藁などで霜除けをすると良いでしょう。
剪定・切り戻し
タイムは、収穫も兼ねて、先端から15cm程度のところで切り戻しましょう。
株元はだんだん木質化してきますが、その部分で剪定すると新芽が出ない恐れがあります。
茎が緑色の部分でカットするのが良いですよ。
また、風通しを確保するために、枝や茎が混み合ってきたら適宜切り戻しを行います。
タイムは生育旺盛で、剪定してもすぐに新芽が出てきます。
春〜秋の間で年に3回程度バッサリと切り戻すと良いでしょう。
病害虫
タイムは防虫効果があり、病害虫の心配はほとんどありません。
ただまれにアブラムシやハダニ、夜盗虫が付くことがありますので、ハーブに使える薬剤で対処しましょう。
タイムの増やし方
タイムの増やし方は、挿し木と株分けの2通りあります。
挿し木のやり方
挿し木は、蕾がなく茎が木質化していない部分を10cmほど切り取り、水につけて給水させます。
その後バーミキュライトを入れた鉢に挿します。
この時、土に挿す部分の葉を取り除いて、切り口は斜めにカットしておくと良いですよ。
発根するまでは明るい日陰で管理し、水分を絶やさないようにしましょう。
根が出たら小さな鉢に仮植えして、大きくなったら植え付けしてくださいね。
株分けのやり方
株分けは、株を土から出して、それぞれに独立した茎が付くように清潔なハサミで切り分けます。
挿し木も株分けも、真夏と真冬以外はいつでも行えます。
タイムの特徴
タイムは立性タイプ(コモンタイム)とほふく性タイプ(クリーピングタイム)に分かれているのが特徴です。
それぞれの特徴を活かし、使いみちによって選ぶのも楽しいですね。
ではどのような特徴があるのか詳しくみていきましょう。
用途がたくさんある
立性タイプのコモンタイムは、主に食用として使います。
肉料理や魚料理の香り付けに使うと、タイムの爽やかな香りでお料理の美味しさが引き立ちます。
ローリエやパセリなどと合わせてブーケのようにまとめて、『ブーケガルニ』にして煮込み料理に使うのもおすすめです。
ハーブティーで楽しむのも良いですね。
もちろん食用以外にも使えます。
タイムはドライにしても香りが弱まりにくいので、収穫後にドライにしておくとポプリやサシェにして香りを楽しむこともできますよ。
植えっぱなしOK
ほふく性のクリーピングタイムは、その特徴を活かしてお庭のグランドカバーになります。
丈夫でどんどん増えますので植えっぱなしで大丈夫。
良い香りが楽しめる他、雑草防除効果もありますよ。
小さい葉が可愛いのはもちろん、花の時期には一面に咲くピンクの花を楽しむこともできます。
忙しくてあまりガーデニングに時間を割けない、でも可愛いお庭を作りたいという方にぜひおすすめです。
まとめ
タイムを育てる時に気を付けるポイントは、風通しを良くすること。
生育旺盛で手をかけなくても増えてくれるタイムですが、唯一の弱点が『蒸れ』です。
こまめに剪定して、風通しの良い環境を整えてくださいね。
剪定した枝はお料理に使ったりドライにして楽しみましょう。
挿し木にして成長を見守るのもワクワクするひとときです。
タイムと一緒に楽しい時間を過ごしてくださいね。