パッとわかる!トケイソウの育て方
- 高温多湿に強く日当たりの良い環境を好みます。
- トケイソウは水はけの良い土で、浅植えにして植え付けます。
- トケイソウは生育旺盛で茎葉がよく茂りツルもよく伸びるので、こまめな剪定が必要です。
トケイソウは夏の暑さが大好きな植物で、トロピカルで独特な花を次々と咲かせてくれます。
トケイソウはフェンスやオベリスクなどに巻き付かせて育てますが、ツルを活かしてグリーンカーテンにするのも人気です。
この記事では、トケイソウの育て方について、ガーデニング初心者の方でもわかりやすく解説しました。
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トケイソウの詳細情報
植物名 | トケイソウ |
学名 | Passiflora caerulea |
英名 | Passion flower |
科名 | トケイソウ科 |
属名 | トケイソウ属 |
園芸分類 | 熱帯植物 |
形態 | 多年草 |
樹高 | 3m以上 |
原産地 | 熱帯アメリカ、アジア、オーストラリア |
開花期 | 5月~10月頃 |
花色 | 白、赤、ピンク、黄、紫など |
耐寒性 | 弱い〜強い |
耐暑性 | 強い |
トケイソウは時計の文字板のような独特でインパクトのある花を咲かせる多年草です。
アメリカの熱帯域が原産地の植物で暑さに強く寒さに弱いですが、品種によっては寒さに強く冬越し可能です。
トケイソウの品種は500種ほど存在しており、園芸品種はさらにたくさん存在します。
花を楽しむ品種の他に、パッションフルーツ(クダモノトケイソウ)のように実を食べる品種があります。
実を食べる品種はクダモノトケイソウ、オオミノトケイソウやミズレモンなどがあります。
葉や茎に毒性があるため、トケイソウを植えてはいけないと言われることがありますが、注意点さえ守ればお庭で育てても問題ありません。
トケイソウの育て方|購入から植え付けまで
入手方法と販売時期
トケイソウの種は販売していることもありますが、あまり出回っていないため一般的には苗から育てます。
トケイソウの苗は園芸店やホームセンター、インターネット通販で購入できます。
トケイソウの苗を選ぶ時は節と節の間が短く引き締まり、葉色の綺麗なものを選びましょう。
用土
トケイソウは水はけの良い土を好みます。
庭植えの場合
植え付ける10日ほど前に植え付け場所の土を掘り上げます。
植え付け場所の庭土:腐葉土(堆肥)=7:3を目安によく混ぜ合わせます。
水はけが悪い場所の場合は、腐葉土または堆肥の量を多くしてください。
植え付けまでに混ぜ合わせて時間を置くと、土が分解されて植物がよく育ちます。
鉢植えの場合
トケイソウを鉢で育てる場合は、市販の草花用培養土で大丈夫です。
自分で配合する場合は赤玉土(小粒):腐葉土=7:3を目安によく混ぜ合わせてください。
植え付け・植え替え
植え付けと植え替えの適期は真夏と真冬を避けた時期です。
4月〜6月頃と9月〜11月頃の暖かい日に行いましょう。
根を切らずに植え替える場合の適期は4月〜9月頃です。
植え付け
トケイソウの苗を植え付ける時は浅植えにしてください。
深植えのトケイソウは地面近くから枯れてくることがあるので注意しましょう。
庭植えの場合
トケイソウの苗を2つ以上植え付ける時は、株間90cm開けて植え付けます。
トケイソウをポットから抜き取り、傷んだ根があれば取り除きます。
植え付け場所にトケイソウの根鉢よりひと回り以上の大きさの穴を掘ます。
トケイソウの苗を浅めに植え付け、たっぷりのお水をあげます。
支柱やフェンス、オベリスクやトレリスなどを使って、ツルの誘引をします。
鉢植えの場合
トケイソウを鉢に植え付ける場合は、7〜8号の大きさ鉢や深型プランターなどを使います。
深型プランター(65cm)で2株を目安に植え付けてください。
- 鉢底にネットを敷いて軽石や鉢底石を2段ほど入れます。
- 準備しておいた土を半分ほど入れてトケイソウの苗を仮置きします。
- 浅植えになるように高さを調整し、残りの土を縁から3cm下を目安に入れましょう。
- 土の表面を割り箸などでつついてしっかり土を入れてください。
- 植え付け後は鉢底から水が流れてくるまで、たっぷりのお水をあげましょう。
- 水やり後はオベリスクなどでツルを誘引してあげます。
植え替え
庭植えの場合は基本的に植え替えの必要はありません。
鉢植えの場合は生育旺盛で根詰まりするため、1年に1回を目安に植え替えます。
トケイソウを大きくしたい場合はひと回り以上大きな鉢に植え替えます。
トケイソウをそのままの大きさにする場合は、今までと同じ大きさの鉢に植え替えます。
植え替える前に水やりを中止して、土を乾燥させた状態で行うのがオススメです。
- 鉢からトケイソウを取り出し、根鉢をほぐし古い根っこや傷んだ根っこを取り除きます。
- トケイソウの根鉢を半分以上小さいサイズにカットして、準備した鉢に新しい土を入れて植え直します。
- 植え直した後は水分の蒸散のバランスを取るため、トケイソウの枝葉を切り戻します。
日当たり・置き場所
トケイソウは日当たりと風通しの良い環境と、暖かい場所でよく育ちます。
日照が足りなくなると間延びして、葉っぱも色褪せ花つきも悪くなります。
トケイソウは暑さに強く寒さ弱いですが、品種によっては寒さに強いものもあります。
庭植えの場合は日当たりのよく暖かい場所を確保し、可能であれば南向きがオススメです。
鉢植えの場合も日当たりの良い場所に置いてください。
トケイソウの育て方|日々のお世話
水やり
トケイソウは高温多湿に強いですが、多湿が続くと立ち枯れしてしまうことがあるので注意してください。
トケイソウの水は株元の土に与え、茎や葉っぱにかからないように行いましょう。
庭植えの場合
トケイソウがしっかり根付くまでは、土が乾燥したら水やりをしてください。
しっかり根付いて茎や葉っぱが勢いよく伸びてきたら、自然に降る雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合
鉢で育てているトケイソウは、土の表面が乾燥したのを確認してから、たっぷり水やりしてあげます。
肥料
トケイソウは庭植え鉢植え共に、植え付け時に元肥として緩効性化成肥料を土によく混ぜて与えます。
追肥は4月〜10月頃、1ヶ月に1回くらいの頻度で与えます。
緩効性化成肥料や有機質肥料を株元に置き与えましょう。
剪定・切り戻し
トケイソウの剪定は切り戻しと花がら摘みを行います。
切り戻し
トケイソウの切り戻しは5月〜9月頃に行います。
トケイソウのツルは弱剪定で、先端から1/3程度の場所をカットしてください。
トケイソウは新しいツルに花がつくのですが、短くカットしてしまうと新しいツルが出てこなくなることがあります。
茎葉が茂りすぎると風通しも悪くなって花数も減ってしまいます。
1週間に1回を目安に誘引と切り戻しを行い、茎葉に日が当たるよう整えてあげましょう。
花がら摘み
トケイソウは咲き終わったら花がらをこまめに摘むと、次々と花を咲かせてくれます。
花がらをそのままにしておくと種が出来て花が咲かなくなったり、病気が発生することがあります。
夏越し
庭植えの場合はよっぽど日照りが続いてカラカラの場合、たっぷりお水を上げます。
鉢植えの場合は早朝と夕方以降の2回水やりします。鉢植えのトケイソウの元気が無い場合は、明るい日陰に移動して管理してください。
冬越し
トケイソウは耐寒温度5℃で寒さに弱いのため、霜の降りる地域では防寒対策が必要です。
品種によっては耐寒温度−5℃のトケイソウもあるので、購入する時に耐寒温度を確認しましょう。
庭植えの場合
霜が降りる寒い地域の場合は株元にワラや腐葉土でマルチングするなど防寒対策や霜よけが必要です。
寒くなる前にトケイソウを鉢に植え替えて室内に移動させても良いでしょう。
鉢植えの場合
鉢植えのトケイソウは丈を50~100cm程度にカットしてから日の当たる窓際など暖かい室内に移動させます。
冬の間は水やりの回数を減らし、土が乾燥して白くなってきたらお水をあげましょう。
病害虫
トケイソウは以下の病害虫の被害に遭うことがあります。
- アブラムシ
- ハダニ
- カイガラムシ
- 炭そ病
- 灰色かび病
アブラムシ、ハダニ
アブラムシは3月〜5月頃に発生しやすい害虫で、新芽や葉っぱの裏に住み着いて植物の養分を吸い取ります。
ハダニは高温で乾燥した環境にある場合や植物が弱っている場合に発生しやすくなります。
アブラムシもハダニも水が苦手なので、勢いのあるシャワーなどをかけて落としたりして駆除してください。
カイガラムシ
茎葉が茂り過ぎると風通しが悪くなり、カイガラムシが発生しやすくなります。
カイガラムシの幼虫は薬剤の効果がありますが、成虫は体が固い殻に覆われているため薬剤が効きません。
成虫を見つけたら歯ブラシなどで落として駆除しましょう。
炭そ病
炭そ病はカビが原因の病気で、葉っぱに茶色っぽい丸みを帯びた斑点が現れます。
高温多雨の時期に発生しやすいため、茎葉の茂り過ぎるを防いで風通しをよく保つ事で予防できます。
病気の悪化を防ぐために炭そ病が疑われたら、効果のある殺菌剤を使用して発生拡大を防ぎましょう。
灰色かび病
灰色かび病はカビが原因の病気で多湿環境と風通しの悪さを好み、枯れたり傷んだ茎葉や咲き終わった花がらから発生します。
灰色かび病になった葉っぱや花は、茶色っぽい斑点が発生した後灰色のカビが大きく広がります。
病気になった部分は取り除いて処分し、風通しが良くなるよう枯れ葉や花がらはこまめに取り除いてください。
トケイソウの増やし方
挿し木の適期は5月〜7月頃で、地面に接した部分からも自然に根っこが出てくる事があります。
挿し穂には新しく伸びた健康な枝を10cm程度にカットし、1時間ほど水あげします。
挿し床には挿し木用の土を入れておき、水上げした挿し穂を挿し床に挿してください。
根っこが出てくるまでは水切れしないように水やりし、挿し穂の先から新芽が出てきたら庭や鉢などに植え替えましょう。
まとめ
まとめトケイソウの育て方を紹介しました。
暑い夏から秋に次々と咲くトロピカルなトケイソウの花は、とても魅力的で見ていると夏バテも吹き飛びそうです。
独特で美しいトケイソウの花が咲くと、個性的な雰囲気を楽しむことができますよ。