パッとわかる!ノウゼンカズラの育て方
- 日当たり、風通し、水はけのよい環境で花を咲かせる
- 繁殖力が旺盛なので、育ちすぎないよう剪定が必要
- どんどん伸びるつるを誘引して、好みの形に仕立てる
ノウゼンカズラは真夏にラッパのような花を咲かせる、つる植物です。
赤やオレンジ、黄色などの鮮やかな花色が暑い盛りの青空によく映えます。
丈夫なつるをぐんぐん伸ばして繁殖しますが、育ちすぎてしまわないよう注意が必要です。
この記事では、暑さに強いノウゼンカズラの育て方について詳しくご紹介します。
ノウゼンカズラの詳細情報
植物名 | ノウゼンカズラ(凌霄花) |
学名 | Campsis grandiflora |
英名 | Trumpet vine、Trumpet creeper |
科名 | ノウゼンカズラ科 |
属名 | ノウゼンカズラ属 |
園芸分類 | 庭木・花木 |
形態 | つる植物 |
樹高 | 3~10m |
原産地 | 中国 |
開花期 | 7~8月 |
花色 | オレンジ、黄、赤 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
ノウゼンカズラは中国原産のつる植物で、生長すると10mほどにまで育つこともあります。
花はオレンジや赤や黄色などで、ラッパのような形から英名はTrumpet vine(トランペットヴァイン)とつけられています。
伸びたつるをフェンスやアーチに巻きつけて仕立てれば、真夏のお庭をぱっと華やかにしてくれます。
暑さ・寒さに強く比較的育てやすいのですが、繁殖力の強さから思いがけないところまでつるを伸ばしてしまうことがあります。
場所選びや剪定に注意することでトラブルを防げますので、ぜひ参考にしてみてください。
ノウゼンカズラは植えてはいけないと言われることがあるのは生育旺盛な性質のせいです。詳しくはこちらの記事で解説しています。
ノウゼンカズラの育て方|購入から植え付けまで
入手方法と販売時期
ノウゼンカズラの種はほとんど流通がないので、春先に園芸店やホームセンターで苗を購入します。
苗が育って花を咲かせるまで数年かかることもあります。
すぐに花を楽しみたい場合は、すでにつぼみや花のついた苗を選びましょう。
用土
ノウゼンカズラは水はけと水もちのよい土を好みます。
粘土質など水はけのよくない土壌だと花をつけないことがあるので注意が必要です。
鉢植えの場合
樹木用培養土か、赤玉土と腐葉土を3:1の割合で混ぜたものを使います。
地植えの場合
植える場所の水はけがわるい場合は、植え付けの2〜3週間前に腐葉土や堆肥を混ぜ込んでおきましょう。
植え付け・植え替え
ノウゼンカズラは3〜4月頃に植え付けます。
順調に育つとあっという間に5mほどの高さになるので、基本的には地植えします。
鉢に植えたい場合は小型の品種を選んでください。
鉢植えの場合
8〜10号鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷いてから土を入れます。
ノウゼンカズラのつるは一度引きはがすと巻きつかなくなってしまうので、どう仕立てるか決めてから支柱をセットします。
つるが伸びてきたら麻ひもやワイヤーで誘引してください。
鉢の底から根が出てくるようになったら、一回り大きな鉢に植え替えましょう。
地植えの場合
根やつるを広い範囲に伸ばすので、できるだけ広いスペースを確保しましょう。
太陽のさす方に向かって伸びていくので、東や南に伸びても問題ない場所に植え付けてください。
壁やフェンス、棚など支柱になるものに麻ひもやワイヤーで誘引します。
日当たり・置き場所
ノウゼンカズラは日当たりと風通しのよい場所を好みます。
日当たりがわるいと花がつかなかったり、つぼみが落ちてしまうことがあるので注意しましょう。
とにかく繁殖力が旺盛で、つるや地下茎でどんどん範囲を広げていきます。
生長の邪魔をされたくない他の植物や、つるが這うと困るような外壁などからは離して植えてください。
日の当たる部分にしか花を咲かせないので、誘引するときも太陽の向きに注意します。
ノウゼンカズラの育て方|日々のお世話
水やり
ノウゼンカズラは過湿が苦手なので、水のあげすぎには注意してください。
鉢植えの場合
土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり水やりをします。
真夏は暑さで乾燥しやすいので、乾き具合を見ながら涼しい朝夕の時間帯に2回あげましょう。
地植えの場合
植え付け後は乾いたら水やりをして、あとは雨にまかせてください。
開花時期は、乾燥しすぎると花が落ちてしまうことがあるので注意しましょう。
肥料
ノウゼンカズラは春になると新芽がでてくるので、準備として2月頃に寒肥を株元に混ぜ込みます。
鉢植えの場合
4〜10月のあいだは1〜2ヶ月に1回、緩効性肥料を与えます。
地植えの場合
4〜5月頃に堆肥や腐葉土、油かすなどの有機質肥料を与えます。
剪定・切り戻し
ノウゼンカズラは繁殖力が旺盛でどんどん範囲を広げてしまうので、剪定がとても大切です。
春になると花芽がつきはじめるので、冬のうちに剪定してください。
伸びすぎてしまったつるや混み合ったつる、花が終わったつるなどはすべてカットします。
ひこばえと呼ばれる根元からでた若芽や、幹からでた細い枝も養分をとられてしまうので切りましょう。
ノウゼンカズラの剪定で困ったら、プロに相談するのが安心です。
夏越し
ノウゼンカズラは夏の盛りに花を咲かせます。
日差しには強い植物ですが、乾燥しすぎないよう注意してください。
冬越し
ノウゼンカズラは気温-5℃までなら冬越しができます。
土が凍ると根が傷んでしまうので、株元に腐葉土やわらを敷くと安心です。
冬場は水やりを控えて乾燥ぎみにして、あたたかくなったら水やりの頻度を増やしましょう。
病害虫
ノウゼンカズラは病害虫の心配はほとんどありませんが、新芽にアブラムシがつくことがあります。
放置すると増えてしまうので、見つけたらすぐに取り除くようにしましょう。
\よく効くおすすめのスプレー/
ノウゼンカズラの増やし方
ノウゼンカズラは挿し木で増やすことができます。
生育期の6〜7月、梅雨の時期が適しています。
春に伸びたばかりの若い枝を先端から15cmくらいでカットし、葉は2〜3枚残します。
切り口は斜めにすると水を吸いやすくなります。
1時間ほど切り口を水に浸けて吸水させてから、ポットなどに入れた挿し芽用土に穴をあけて挿します。
水をたっぷりあげて、明るい日陰に置きましょう。
芽がでてきたら、鉢に植え替えます。
まとめ
ノウゼンカズラの育て方と管理のコツをご紹介しました。
あまりの繁殖力に敬遠されがちなノウゼンカズラですが、きちんと管理すれば真夏に咲く鮮やかな花を存分に楽しめます。
フェンスやアーチなど仕立て方によってガラッと印象が変わりますので、お庭のイメージにあわせて育ててみてくださいね。