パッとわかる!ルピナスの育て方
- 土の養分を吸い上げる力が強いので、肥料をあげすぎないようにする
- 水切れと過湿に注意し、土が乾いたらたっぷり水やりをする
- 連作障害が起きやすいので、地植えは場所選びに注意
ルピナスは円錐形のカラフルな花穂が、まっすぐ空に向かって伸びる美しい姿がとても印象的です。
病害虫の心配がほとんどなく、肥料もあまり必要としません。
水やりの加減に気をつければ、初心者の方でも気軽に育てられます。
このページでは、ルピナスの育て方と管理のコツについてご紹介します。
ルピナスの詳細情報
植物名 | ルピナス |
学名 | Lupinus polyphyllus |
英名 | Lupine |
科名 | マメ科 |
属名 | ルピナス属 |
園芸分類 | 草花 |
形態 | 一年草(品種と育てる地域による) |
樹高 | 20~150cm |
原産地 | 地中海沿岸、南・北アメリカ |
開花期 | 4~6月 |
花色 | 白、ピンク、紫、青、オレンジ、黄、赤、複色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
ルピナスは、藤の花をさかさまにしたような姿から「昇り藤」とも呼ばれています。
ひとつひとつの花は小さなチョウに似た形をしていて、先端に向かって鈴なりに咲きます。
色あざやかで迫力のある花穂と、天狗のうちわのような形の葉が特徴的です。
ルピナスは200品種以上存在していて、品種によって一年草・二年草・多年草と形態もさまざまです。
代表的なのはラッセル・ルピナスという多年草の大型品種ですが、暑さに弱く日本の温暖地では一年草とされています。
ラッセル・ルピナスは花穂50~70cm・草丈100cmを超えることもあり、花色もカラフルで見ごたえがあります。
キバナルピナスやルピナス・ピクシーデライトなどの品種は花穂15~20cm・草丈40~50cmとコンパクトで、鉢植えでも育てやすいです。
好みや栽培環境に応じて、選んでみてください。
ルピナスの育て方|購入から植え付けまで
入手方法と販売時期
ルピナスは、種も苗も園芸店・ホームセンター・ネット通販などで手に入ります。
種まき時期は温暖地なら9~10月、寒冷地なら6月頃です。
苗は3月頃に出回りますので、元気な葉がたくさんついた株を選びましょう。
ルピナスは品種がかなり多いので、品ぞろえが豊富なネット通販を利用するのもおすすめです。
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用土
ルピナスは、水はけがよく適度な保水性のある土を好みます。
種まきのときは種まき用土を使ってください。
鉢植えの場合
市販の草花用培養土を使用するか、赤玉土・腐葉土・軽石またはパーライトを6:3:1の割合で混ぜたものを使います。
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地植えの場合
酸性土には苦土石灰を混ぜこみ、中和しておきます。
植え付ける1~2週間前に腐葉土や堆肥をすき込んで、ふかふかに耕しておきましょう。
種まき
ルピナスの種まきは温暖地なら9~10月、寒冷地なら6月頃に行います。
直まきもポットまきも可能ですが、種の表面がとてもかたいので水に一晩つけてから種まきをしてください。
2~3粒ずつまいたら、光をきらう性質があるので種2個分くらいの厚みで土をしっかりかぶせます。
水を切らさないよう注意して風通しのよい日陰に置き、数日して発芽したら日向に移動します。
本葉が2~3枚になったら元気なものだけを残して間引きし、6~7枚まで増えたら花壇やプランターに植え付けます。
植え付け・植え替え
ルピナスは直根性で根が傷みやすいので、植え付けるときはあまり根をいじらないよう注意してください。
多年草とされている品種でも温暖地では夏越しできず一年草扱いになるのと、移植をきらうため植え替えは行いません。
日当たり・置き場所
ルピナスは日当たりと水はけのよい場所を好みます。
連作障害を起こしやすいので、地植えの場合は同じところに連続して植えないように注意してください。
大型品種の場合は株間を40~50cmくらいはあけて、生長したら倒れないように支柱を立てられるようにしましょう。
ルピナスの育て方|日々のお世話
水やり
ルピナスは水切れと過湿をきらいますので、水やりのタイミングに注意が必要です。
開花中は花に水がかからないようにしてください。
鉢植えの場合
土の表面がしっかり乾いたのを確認してから、鉢底から流れ出るくらいたっぷり水やりをしましょう。
水切れすると、葉が黒くしわしわになって枯れてしまうので注意してください。
水やりをしすぎると根腐れを起こすこともあるので、こまめにあげるのではなく土が乾いたら水やりします。
地植えの場合
根付くまでは毎日水やりをします。
根がしっかり張ってからは水やりは不要なので、雨にまかせてください。
肥料
ルピナスはマメ科なので根から土中の栄養を吸い上げる力が強いため、あまり肥料を必要としません。
肥料をあげすぎると、根が肥料焼けしてしまうことがあるため控えめにしてください。
基本的に追肥は必要がありませんが、株を大きくしたい場合などは追肥をします。
鉢植えの場合
植え付け時に緩効性肥料を元肥として与え、春になったら追肥として月2回ほど液肥を与えます。
市販の培養土を使う場合は、すでに肥料が含まれていることが多いので元肥は必要ありません。
地植えの場合
植え付け時に緩効性肥料を元肥として与え、春の生育前に追肥として緩効性肥料を与えます。
\追肥におすすめ/
剪定・切り戻し
ルピナスの花が咲ききってからそのままにしておくと、種を作り始めます。
種を作るのにエネルギーを使ってしまうと次の花が咲かなくなってしまうので、長く花を楽しみたい場合は咲き終わった花穂の根元でカットしてください。
切ったところから脇芽がでて、2番花・3番花を咲かせてくれます。
黄色くなった葉などもこまめに取りのぞくと、株が蒸れるのを防ぐことができます。
夏越し
ルピナスは気温25℃で生育が止まり、30℃を超えると枯れてしまいます。
ラッセル・ルピナスなどの品種は多年草とされていますが、日本の温暖地では夏越しができず一年草として扱われます。
冬越し
ルピナスは冬場に適度な寒さにあてることで、春に開花しやすくなります。
鉢植えは10℃以下の場所に置くようにしてください。
土が凍ると枯れてしまうので、寒冷地では株元を腐葉土や敷き藁で覆うなど凍結対策が必要です。
病害虫
ルピナスは病害虫の心配がほとんどありません。
じめじめとした湿気の多い環境だと根腐れや立枯病を起こす可能性があるので、水やりの頻度や土壌の水はけには注意してください。
ルピナスの増やし方
ルピナスは花が咲き終わると枝豆のようなさやができて、その中に種が入っています。
さやが乾燥して茶色くなってきたら中の種が熟した証拠なので、さやを根元から切りとって採種します。
種が熟しすぎるとさやから飛び出してしまうため、採種のタイミングに注意しましょう。
結実してきたら、排水溝ネットなどをかけておくと、飛び出した種を簡単に収穫できますよ!
取りだした種は風通しのよい日陰で乾燥させたら、乾燥剤と一緒に密閉容器に入れて保管してください。
まとめ
あざやかな色合いと不思議な形の花穂で楽しませてくれるルピナスについてご紹介しました。
水と肥料のあげすぎに注意すれば育てやすく、華やかな姿でガーデンをにぎわせてくれます。
本当にたくさんの品種がありますので、お気に入りのルピナスを探してみてください。