パッとわかる!ハツユキカズラの育て方
- ほどよい日当たりで育てると葉っぱの斑がきれいに表れます。
- 乾燥に弱く少し湿った土を好みますが、水が多いと根腐れするので注意しましょう。
ハツユキカズラ(初雪葛)は葉っぱに雪を被ったような美しさが魅力のカラーリーフプランツです。
白とピンクの葉っぱに、プロペラのような可愛らしいピンクの花が咲きます。
フェンスや寄せ植えにグランドカバー、主役にも脇役にも幅広く活躍してくれます。
この記事では、ハツユキカズラの育て方について、ガーデニング初心者の方でもわかりやすく解説しました。
ハツユキカズラの詳細情報
植物名 | ハツユキカズラ |
和名 | 初雪葛 |
学名 | Trachelospermum asiaticum ‘Hatuyukikazura’ |
英名 | Asiatic jasmine, Asian jasmine, yellow star jasmine |
科名 | キョウチクトウ科 |
属名 | テイカカズラ属 |
園芸分類 | 庭木 |
形態 | つる植物 |
樹高 | つるの長さ50cm程度 |
原産地 | 日本、朝鮮半島 |
開花期 | 5月〜6月頃 |
花色 | 白 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
ハツユキカズラは日本や朝鮮半島が原産で、昔から自生していたテイカカズラの斑入り品種の名称です。
寒さと暑さに比較的強く丈夫で、本州から南の暖かい地域では岩場などに自生しています。
4月頃から元気に新芽を出し始め、5月〜6月頃に花が咲きますがあまり目立ちません。
新芽の頃は赤よりのパステルピンクですが、生育とともに白へ変化し、その後は緑へと変わっていきます。
寒さに当たると今度は赤へと変化し、11月ごろから紅葉が始まります。
生育段階や季節によって色の変化が美しく、彩りの移り変わりが楽しめるのも魅力です。
ハツユキカズラはとても丈夫で育てやすいですが、つる植物なので横に広がっていきます。
気根を出してコンクリートや近くにある植物に張り付いて登っていくほど、生命力が強いです。
ハツユキカズラは植えてはいけないと言われることがありますが、管理すればお庭に植えても問題ありません。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
ハツユキカズラの育て方|購入から植え付けまで
入手方法と販売時期
ハツユキカズラの苗は園芸店やホームセンター、インターネット通販で購入できます。
販売時期は植え付け適期の4月〜7月頃と9月〜10月頃に店頭に並ぶことが多いです。
店舗によっては、それ以外の時期にも取り扱っている場合があります。
用土
ハツユキカズラは水はけと水もちのよい土を好みます。
地植え
植え付けの2週間くらい前に植え付け場所の土をよく耕します。
他の植物が健康に育っている場合は、特に問題なく育ちます。
水はけが悪く土を作り直す場合は、庭土:腐葉土=7:3を目安によく混ぜ合わせてください。
鉢植え
ハツユキカズラを鉢で育てる場合は、市販の草花用培養土がおすすめです。
自分で配合する場合は、赤玉土(小粒):腐葉土=6:4を目安によく混ぜ合わせて、バーミキュライトを1割ほど混ぜても良いでしょう。
\おすすめの培養土/
植え付け・植え替え
ハツユキカズラの植え付けと植え替え適期は4月~7月頃と9月~10月頃です。
植え付け
植え付け適期以外の季節に購入したハツユキカズラの苗は、なるべく早く植え付けましょう。
ハツユキカズラは根っこがよく張るため、根鉢を軽くほぐして植え付けてください。
根っこが詰まるとハツユキカズラの斑がきれいに出ないことがあるので、根詰まりには注意が必要です。
2つ以上のハツユキカズラを植え付ける場合は、株間50cm程度あけて、植え付けましょう。
植え付け後はたっぷりお水をあげてください。
地植え
庭などの植え付け場所に、もともと植わっていた鉢よりひと回り大きな穴を掘ります。
根鉢を軽くほぐしたら植え穴に苗を置き、土を戻し入れます。
根っこの隙間に土が入るように、土の表面を割り箸などでつつきます。
鉢植え
ハツユキカズラを鉢で育てる場合は、6号〜7号の鉢に苗1つを目安に植え付けましょう。
- 新しい鉢に鉢底ネットを敷き、鉢底石を入れます。
- 用意しておいた土を鉢の半分程度入れて、ハツユキカズラの苗を植え付けます。
- 土は鉢の縁から3cm程度下を目安に入れましょう。
- 根っこの隙間に土が入るように、土の表面を割り箸などでつつきます。
- 植え付け後は鉢底から水が出てくるまで、たっぷりお水をあげましょう。
植え替え
ハツユキカズラは1年~2年に1回を目安に、ひと回り以上大きな鉢に植え替えます。
日当たり・置き場所
ハツユキカズラは程よい日当たりと風通しの良い場所を好みます。
日陰でも育ちますが、斑がきれいに出ないことがあります。
きれいな斑を楽しみたい場合は、程よく日に当ててあげましょう。
植え付けてすぐの若いハツユキカズラは、西日や直射日光では日が強すぎて、葉っぱが焼けて枯れてしまうことがあります。
株が生育していくと耐性が付き、葉焼けにしにくくなります。
ハツユキカズラの育て方|日々のお世話
水やり
ハツユキカズラは乾燥に弱いですが、多湿になってしまうと根腐れしてしまいます。
地植え
ハツユキカズラの植え付け後は、しっかり根付くまで土が乾燥したのを確認してから水やりします。
根付いてからは自然に降る雨のみで、大丈夫です。
鉢植え
鉢で育てているハツユキカズラは、土の表面が白っぽく乾燥したのを確認してから水やりをします。
鉢底から水が流れ出るくらい、たっぷりお水をあげましょう。葉っぱや茎がしおれたようになっていたら、水やりをするサインです。
肥料
ハツユキカズラに肥料を与えるタイミングは、植え付け時の元肥と4月〜6月と9月〜10月の追肥です。
ハツユキカズラは肥料が足りなくなると、葉っぱの色がきれいに出ないことがあります。
地植え鉢植えともに、植え付け時の元肥には土の中に緩効性化成肥料を入れてよく混ぜ合わせましょう。
4月~6月と9月~10月の追肥は1ヶ月〜2ヶ月に1回を目安に、緩効性化成肥料を株の周囲に置き与えます。
または10日に1回を目安に液体肥料を与えましょう。
剪定・切り戻し
ハツユキカズラの剪定は伸びすぎたツルを短くカットして、風通しをよくしましょう。
カットする場所はどこでも大丈夫で、茂ってきたなと感じたタイミングで剪定してください。
ハツユキカズラの花を楽しむ場合は、花が咲き終わる6月以降に剪定すると良いでしょう。
ハツユキカズラを剪定すると新芽のピンクが可愛らしく、葉っぱの斑もきれいに表れます。
まれに緑一色の葉っぱが出てきますが、先祖返りしているため枝ごとカットしましょう。
夏越し
ハツユキカズラは暑さに強いですが、真夏の直射日光に当たると葉が焼けることがあります。
生育が進んでくると葉焼けをすることがなくなりますが、気になるようならよしずなどで遮光してください。
水やりは早朝と夕方の比較的涼しい時間に行いましょう。
冬越し
ハツユキカズラは寒さに強く耐寒温度は−5℃です。
霜が降りても問題なく冬越しできます。
冷たい風にあたり葉っぱが傷んでしまうことがありますが、春には元気になるので様子をみてあげてください。
病害虫
ハツユキカズラは病害虫に強いですが、まれにアブラムシとカイガラムの被害に遭うことがあります。
アブラムシとカイガラムは風通しが悪くなると発生します。
アブラムシは見つけ次第、牛乳を薄めた水を吹きかけたり、薬剤を使って駆除します。
カイガラムシは葉っぱに気をつけながら、歯ブラシなどでこすり落としてください。
株が混み合わないよう茂ってきたら剪定して、株の風通しをよくすることで発生を予防できます。
ハツユキカズラの増やし方
ハツユキカズラは株分け、挿し木、取り木で増やすことができます。
株分け
地植えで横に広がって育っているハツユキカズラなら、シャベルで掘り上げる方法で株分けすることができます。
真夏と真冬を避ければ、いつでも行うことができます。
根がかなり丈夫で硬いので、株を掘り上げて数株に分けるのは困難です。
ハツユキカズラは端の方なら抜きやすいです。
一気に全部抜こうとするのではなく、端から少しずつ掘り上げるのをおすすめします。
根が残っていないと枯れてしまいますので、必ず根から抜いてください。
挿し木
挿し木の適期は5月〜8月頃です。
- ハツユキカズラの元気な茎を5cmくらいにカットしたものを挿し穂にします。
- 水を入れたコップに入れて1時間ほど水上げしましょう。
- 挿し床に挿し木用培養土を入れて、水上げしたハツユキカズラの挿し穂を挿します。
- 水切れしないように水やりし、日陰で管理しましょう。
上手くいけば秋頃には発根するので、庭や鉢などに植え付けてください。
取り木
ハツユキカズラは土と接した場所から簡単に発根します。
発根したツルを掘り出してカットし、庭や鉢に植え付けましょう。
まとめ
ハツユキカズラの育て方を紹介しました。
ハツユキカズラは葉っぱの色の変化が美しい、初雪を連想させるグリーンプランツです。
どんな植物とも相性がいいので、寄せ植えでも大活躍してくれます。
丈夫であまり手間がかからないので、初心者でも安心して育てられますよ。