パッとわかる!センニチコウの育て方
- 日当たりと水はけの良い環境で育てる。
- 多湿にすると病害虫が発生しやすくなるため、乾かし気味に管理する。
- 肥料を与えすぎると花が咲かないので、少なめに施す。
センニチコウは小さいポンポンのような丸い花が魅力の植物。
色鮮やかな小さな花は、5月から11月ごろまで鑑賞できます。
センニチコウは切り取っても色が褪せにくいので、仏花をはじめ、ドライフラワーやクラフト材料としても利用されています。
センニチコウは夏の暑さにも強く、開花期間も長いので初心者でも育てやすい花です。
今回は、センニチコウの育て方と管理のコツを紹介します。
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センニチコウ(ゴンフレナ)の詳細情報
植物名 | センニチコウ(千日紅) |
別名 | ゴンフレナ |
学名 | Gomphrena |
英名 | Globe amaranth |
科名 | ヒユ科 |
属名 | センニチコウ属 |
園芸分類 | 草花 |
形態 | 一年草、多年草 |
樹高 | 15cm~100cm |
原産地 | 熱帯アメリカ |
開花期 | 5月~11月 |
花色 | ピンク、赤、紫、白、黃 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
センニチコウは熱帯アメリカが原産の、ヒユ科の植物です。
別名・ゴンフレナです。
花に見えているのは苞と呼ばれる葉の部分で、本当の花は苞の隙間にあります。
センニチコウの品種は100種以上ありますが、日本で流通しているのはそのうちの数種類とその園芸品種です。
苞の色はピンクや紫、赤の他にも、白や橙、黄色と豊富で、草丈も品種によって様々です。
草丈20cmほどの小型のセンニチコウから、1mほどまで育つ品種もあります。
センニチコウは夏が終われば枯れる一年草ですが、多年草のセンニチコウも流通しています。
センニチコウ(ゴンフレナ)の育て方|購入から植え付けまで
入手方法と販売時期
センニチコウは苗か種を園芸店やホームセンター、ネット通販などで購入することができます。
センニチコウの苗は、4月から8月の間に購入します。
センニチコウは矮性種や高性種、一年草・多年草と品種によって違いがあるので、購入時に確認が必要です。
センニチコウの種は通年で購入することができます。
発芽適温は20℃〜25℃くらい。八重桜が咲く頃が、センニチコウの種まきの時期です。
センニチコウは種からでも育てやすいので、たくさん育てたい方は、種の方がコスパがいいですよ!
用土
センニチコウは水はけの良い土で育てることが大切です。
鉢植えの場合は市販の草花用培養土で栽培可能です。
新しく土を作る場合は、赤玉土小粒・腐葉土・川砂を6:3:1の割合で配合します。
地植えで水はけが悪い場合は腐葉土や軽石を混ぜて排水性を良くしてください。
土壌が酸性の場合は苦土石灰を植え付け2週間前に施し、元肥を1週間前に混ぜ込みます。
ただし、センニチコウは多肥にすると花つきが悪くなるので、元肥を加える時は量に注意します。
植え付け・植え替え
センニチコウの苗の植え付けは5月から8月の間に行います。
多湿で病気にかかりやすくなるので、センニチコウを植える時は深植えにならないようにします。
根鉢は崩さないように植えましょう。
センニチコウはよく広がるので、株間は20cm~30cm必要です。
鉢植えの場合は一つの鉢に一株が適しています。
株がぐらついている場合や、高性種の茎が伸びてきた時は支柱を施します。
一年草のセンニチコウは植え替え不要です。
多年草の品種は5月から6月の間に、新しい土に植え替えてください。
日当たり・置き場所
センニチコウは日当たりと水はけの良い場所で育てます。
日当たりが悪いと、茎が徒長し、花つきが悪くなります。
多湿な環境でセンニチコウを育てると病害虫が発生しやすいです。
地植えの場合は日当たりだけでなく水はけの良い所を選んで植えましょう。
植え付け場所の水はけが悪い場合は、水はけの良い土に改良する他、センニチコウを植える場所の土を盛って排水性を良くします。
センニチコウ(ゴンフレナ)の育て方|日々のお世話
水やり
センニチコウは乾かし気味に管理します。
多湿に弱いため、センニチコウの水やりはしっかり土の表面が乾いてから行います。
乾燥には強い植物ですが、夏場で株がぐったりするほど乾く場合は、夕方にもう一度水やりをして下さい。
地植えの場合は基本的に降雨に任せます。
肥料
センニチコウは肥料の与えすぎに注意してください。
元肥には緩効性化成肥料を少量、土に混ぜ込みます。
市販の培養土を使っている場合は、肥料がもともと入っているので元肥は不要です。
追肥は鉢植え・地植えどちらの場合でも、開花期間である5月から11月の間に、緩効性化成肥料を月に1回与えます。
ただし、センニチコウは肥料過多になると花が咲かなくなってしまうので、葉が茂りすぎているようであれば肥料を控えて下さい。
生育や花つきが十分であれば、毎月に1度の追肥を与えずに、必要な時だけ液体肥料で補っても構いません。
追肥に使う肥料は花つきを良くするリンカリ肥料がおすすめです。
\追肥におすすめ/
剪定・切り戻し
センニチコウは6月から10月の間、切り戻しをして樹形を整えます。
センニチコウは伸びすぎた茎を切り戻すことで、新しい脇芽が付きます。
切り戻しの時に、脇芽がついている部分は切り落とさないようにしましょう。
強く切り詰めるとセンニチコウが枯れてしまうので、株の3分の1から半分の大きさを目安に切り戻してください。
高性種を植えた時は、植え付け後2週間を目安に切り戻すと、株にボリュームが出ます。
葉の付け根の節の部分を下から2つ分残して切り戻します。
また、開花期間中である5月から11月の間は花がら摘みが必要です。
茶色く変色した部分の茎を、分岐している付け根から切り落とします。
夏越し
センニチコウは暑さ対策をしなくても夏越し可能です。
冬越し
一年草のセンニチコウは花後に枯れてしまうので、冬越しはしません。
多年草のセンニチコウは、寒風や霜のおりない暖地であれば、屋外でも冬越しできます。
センニチコウの耐寒温度は品種で違いがありますが、およそ3℃~5℃の間です。
冬越しさせる時は、秋の終わりに株を3分の1の大きさに切り戻して、水やりは控えめに管理します。
暖地以外でセンニチコウを冬越しさせる場合は、切り戻したセンニチコウの鉢植えを屋内に取り込んでください。
地植えにしている場合は、切り戻した株を10月から11月の間に掘り上げて、鉢に植えてから屋内に移動させます。
病害虫
センニチコウは多湿になると病害虫が発生しやすくなります。
7月から9月の間はハダニの発生に注意してください。
気温が上がって乾燥すると発生する害虫です。
センニチコウは乾燥気味に育てるため、ハダニがつきやすくなります。
葉水をかけて予防ができますが、数が増えてきたら薬剤散布で駆除します。
6月から7月の間はナメクジがつくので、センニチコウの株に粘液や食害の跡が見られたら、ナメクジが活動する夜間に株をチェックしましょう。
その都度、捕殺するか、数が多い場合はナメクジ駆除剤で対処します。
立枯病は5月から11月の間に発生しやすい病気です。
多湿が原因で起きる病気で、植え付け時の注意で予防が可能です。
水はけの良い環境づくりをしてください。
雨が多い時期には赤さび病が発生する場合があります。
多湿で発生しやすい、赤さびがついたようにセンニチコウの茎葉が変色する病気です。
赤さび病は原因であるカビ菌の胞子が残っていると広がってしまうので、発生した部分は早急に全て取り除き、焼却処分してください。
センニチコウ(ゴンフレナ)の増やし方
センニチコウは基本的に種を蒔いて増やします。
センニチコウの花が終わり、苞がカサカサになったら茎を切り取って、トレイなどの上で苞を崩すと種が採取できます。
種蒔きをする前に、採取した種を少量の砂と一緒に手でこすり、綿を落としておきましょう。
種蒔きの適期は5月、発芽適温は20℃~25℃なので、暖かくなってから種を蒔きます。
種を蒔いたあとは軽く覆土して、霧吹きなどで乾燥しないように管理します。
「ファイヤーワークス」という多年草品種は挿し芽で増やすことが可能な品種です。
5月~6月に充実した若い茎の先を10cmほど切り取り、1時間ほど吸水させて、バーミキュライトなど肥料分のない新しい土に挿しておきます。
根が出て株が安定するまで、半日陰で乾燥しないように管理します。
まとめ
たくさんセンニチコウが咲いたら切り取って、束ねた茎を紐や輪ゴムでやさしく縛ったあと、風通しの良い日陰で干しておくだけでドライフラワーができ上がります。
葉は崩れやすいので、不要ならあらかじめ外しておきましょう。
センニチコウは開花期間が長い上、暑さに強く、収穫やクラフトも楽しめます。
多湿に注意していれば、育てやすく病気にもかかりにくい植物です。
一度植えれば様々な楽しみ方ができるセンニチコウを、ぜひ育ててみてくださいね。