パッとわかる!キバナコスモスの育て方
- キバナコスモスは日当たりのよい場所で育てます
- キバナコスモスは暑さと乾燥に強く丈夫なので初心者にもおススメです。
- こぼれ種で増えるので、次の年も楽しめますよ。
この記事では、キバナコスモスの育て方について、ガーデニング初心者の方でもわかりやすく解説しました。
キバナコスモスは暑さに強くよく育ち、暑い夏もオレンジや黄色の鮮やかな花を咲かせてくれます。
広い場所でたくさん植えると、元気の出るビタミンカラーと青空の美しい色彩を楽しめますよ。
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キバナコスモスの詳細情報
植物名 | キバナコスモス(黄花コスモス) |
学名 | Cosmos sulphureus |
英名 | Golden cosmos、Sulfur cosmos |
科名 | キク科 |
属名 | コスモス属 |
園芸分類 | 草花 |
形態 | 一年草 |
樹高 | 20〜100cm |
原産地 | メキシコ |
開花期 | 7月〜10月 |
花色 | 黄色、オレンジ、赤 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
キバナコスモスはその名の通り黄色やオレンジの美しい植物です。
コスモス属には29種類ものコスモスがあり、日本でよく育てられるコスモス属の花はキバナコスモスとコスモスです。
キバナコスモスは暑さに強く丈夫なので、放ったらかしても花が咲き続けるたくましい植物です。
こぼれ種が自然に芽吹いて、次の年も花を楽しむことができます。
キバナコスモスが日本へやってきた頃は花色は黄色のみでしたが、現在は赤やオレンジ、一重に八重に半八重など色々な品種が生まれています。
キバナコスモスは黄色やオレンジが咲きやすく、赤は出にくい傾向があります。
一般的なコスモスの育て方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
キバナコスモスの育て方|購入から植え付けまで
入手方法と販売時期
キバナコスモスの種と苗は、園芸店やホームセンター、インターネット通販で購入できます。
キバナコスモスの種はいつでも購入でき、苗は4月〜6月頃に店頭に並びます。
キバナコスモスの苗を購入する時は、茎がしっかりしていて、葉の色が濃くつぼみのある苗を選びましょう。
種の採取を考えている場合は、キバナコスモスの苗が2つ以上必要です。
用土
キバナコスモスは水はけがよく、痩せた土を好みます。
庭植えの場合
他の植物が健康に育っている土であれば特に問題はありません。
土を作り直す場合は1週間くらい前に、腐葉土と堆肥をよくすき込んで寝かせます。
土質が酸性に傾いている場合は、石灰を混ぜると土質が中和されるので石灰を少し混ぜておきます。
コスモス畑のように植える場合は、土の硬さや栄養分など土質にムラが出ないようにしてください。
鉢植えの場合
鉢植えのキバナコスモスの土には、市販の培養土を使います。
自分で土を配合する場合は、赤玉土小粒と腐葉土を7:3が目安です。
植え付け・植え替え
キバナコスモスの種まきは4月~6月、植え付けは5月~7月が適期です。
1年草のキバナコス冬までに枯れるので、植え替えの必要はありません。
種まき
キバナコスモスの発芽適温は20~25℃で、コスモスよりも高い温度を好みます。
種まきから10日前後で発芽し、70日前後で花が咲きます。
種まきから開花までの期間は品種によって少し異なりますが、原種に近いキバナコスモスは3か月ほどかかるものもあるので、ゆっくり待ってあげてくださいね。
春夏と時期をずらしてタネをまけば、開花時期いっぱいにキバナコスモスを楽しめるのでおススメです。
育苗ポットに種をまく場合
育苗ポットに種まき用の土を入れて3~5粒の種をまきます。
キバナコスモスの種を隠すように土を1cm弱かぶせます。
土が乾燥しないように霧吹きで水やりをします。
芽が出てきたら元気な芽を残して間引きしましょう。
キバナコスモスの本葉が元気に数枚出てきたら、お庭や鉢などに植え付けてください。
庭に直まきする場合
お庭に直接種まきする方法は以下の3つがあります。
種まきの種類 | 特徴 | |
---|---|---|
点まき | 20㎝くらいの間隔で穴をあけて1~3粒の種をまく方法 | まく種の数が少なく間引きの手間がかかりにくい。 |
筋まき | 板などで作った筋に添って種をまく方法 | 間引きをする時に芽の良し悪しを判断しやすい。 |
ばらまき | 植え付け場所全体に均等にまく方法 | 一度にたくさんの種をまけるが、間引きに手がかかる。 |
いずれかの方法で種をまいたら種の上に1cmほど土をかぶせ、種が流れないよう優しく水やりをしてください。
キバナコスモスの双葉が出てきたら間引きをしましょう。
キバナコスモスは株間20cmくらいが健康に育つので、本葉がしっかり出るころを目標に株間を整えましょう。
間引くときはハサミで切り取るとほかの根を傷つけないのでオススメです。
苗の植え付け
キバナコスモスの苗を購入してきた場合は、なるべく早く庭や鉢に植え付けて根詰まりを防止します。
育苗ポットに種まきして育てた苗も、根詰まりしないようある程度育ったら植え替えてください。
株と株の間隔を20cm程度あけて植え付け、その後はたっぷりお水をあげましょう。
日当たり・置き場所
キバナコスモスは日当たりがよく風通しの良い場所で育てます。
夏の直射日光や高温は得意ですが、19℃以下の環境や日光が足りないとなかなか育たず、花もあまり咲きません。
キバナコスモスの育て方|日々のお世話
水やり
キバナコスモスは乾燥気味の環境を好み、蒸れにやや弱いです。
庭植えのキバナコスモスに水やりは不要です。
自然に降る雨で十分育ちますが、日照りが続き極端に雨が降らない場合は水やりをしましょう。
鉢植えのキバナコスモスは土が乾燥したのを確認してから、たっぷりのお水をあげてください。
肥料
キバナコスモスはやせた土を好むため、肥料は少ないほうが健康に育ちます。
与えすぎるとキバナコスモスの草丈が高くなり、葉っぱばかりが茂る状態になります。
庭植えの場合
植え付け時に堆肥と腐葉土をすき込み、そのあとは肥料は与えません。
鉢植えの場合
鉢植えのキバナコスモスには元肥と追肥を与えましょう。
キバナコスモスをよく観察し元気であれば追肥がなくても大丈夫です。
元肥
キバナコスモスの植え付け時に緩効性肥料を土に混ぜ込みます。
追肥
5月~9月頃に1か月に1回程度、株の周囲に緩効性肥料を少しだけ置いておきます。
同じ頻度で液体肥料を与えても大丈夫です。
剪定・切り戻し
キバナコスモスには「花摘み」「切り戻し」「支柱立」を行います。
花摘み
咲き終わった花をすぐに摘み取ることで、次々と新しい花を咲かせることができます。
花がらのいくつかは種の採取のために残しますが、その他は風通しや病気を防ぐためにすぐ取り除きましょう。
切り戻し
キバナコスモスの草丈が高くなりすぎたり、花つきが悪くなってきたら、思い切って半分にカットしてください。
切ったところからまた新芽が生えて花がつくようになります。
切り戻しで葉っぱがなくなるとキバナコスモスが枯れることがあるので、葉っぱは残して切り戻しましょう。
支柱立て
キバナコスモスの中でも草丈の高い品種は、強風などで折れてしまうことがあるので支柱を立てて支えます。
キバナコスモスの周りに他の背の高い植物を置くと、支柱立てと同じ効果があります。
夏越し
キバナコスモスは暑さと乾燥に強いため、夏越しで気をつけることは少ないです。
庭植えの場合
庭植えのキバナコスモスは何もしなくても大丈夫です。
日照りがあまりにも続き極端に土が乾燥している場合はお水をあげましょう。
鉢植えの場合
鉢植えのキバナコスモスは土の乾燥をみて、早朝と夕方にたっぷり水やりをします。
暑い時間に水をあげると土の中で水が熱くなり、キバナコスモスの根が痛むので注意してください。
冬越し
キバナコスモスは、1年草のため冬越しの必要はありません。
花が終わった後、しばらくそのままにしているとこぼれ種で来年も咲くことがあります。
完全に枯れたら抜いてください。
病害虫
キバナコスモスは以下の病害虫の被害に遭うことがあります。
- うどんこ病
- 灰色かび病
- ネキリムシ
- ヨトウムシ
- アブラムシ
うどんこ病
うどんこ病はカビが原因の伝染病です。
肥料の与えすぎによる窒素過多や、梅雨などの多湿の環境と気温が24℃~32℃の頃に多く発生します。
雨のしずくや泥はねから感染するため株の風通しをよくし、肥料は適量を守りましょう。
うどんこ病になると葉っぱなどに白い粉のようなカビが生えます。
放置すると植物は変色変形し枯れてしまいます。
発生してしまったら
うどんこ病の症状の出た部分は切り取って処分します。
うどんこ病が初期の場合は、重曹や酢や木酢液を水で薄めたものを霧吹きなどで吹きかけると、拡大を防止できます。
その他、石灰や米ぬか、ネギにニンニクにドクダミを使う方法もあります。
うどんこ病が進行している場合は、うどんこ病に効果のある薬剤を使ってください。
灰色カビ病
灰色カビ病はカビが原因の伝染病で、梅雨などの多湿の環境で発生しやすいです。
湿度80%〜90%で菌糸は16℃、胞子は20℃で活発になります。
灰色カビ病は茎や葉の傷口や、枯れた花がらから発生する特徴があります。
灰色カビ病になると茎は茶色っぽくなり、花がらは灰色に変色して、病気が進行すると枯れてしまいます。
灰色カビ病は雨のしずくや泥はねから感染することがあります。
株の根本にマルチングマットやワラを敷くと、灰色カビ病の防止になります。
茂った葉や茎、花がらもこまめに摘み取って風通しをよくしましょう。
発生してしまったら
変色した場所は切り取って焼却するかゴミ収集に出して処分してください。
灰色カビ病になった部分を切り取ったあとは、石灰を振りかけると拡大を防ぎます。
また酢と焼酎、重曹や木酢液を水で薄めて霧吹きで吹きかける方法も拡大防止になります。
ネキリムシ
ネキリムシは4月〜6月と9月〜11月に多く発生します。
キバナコスモスは発芽した頃に特に被害が出やすいです。
発生してしまったら
茎を食べられているのに何も見当たらない場合は、土の中を少し掘るとネキリムシが出てきます。
つまみとって駆除するか、効果のある薬剤を使って駆除してください。
ヨトウムシ
ヨトウムシは2cm〜4cmの幼虫で、体は黒っぽかったり緑色をしています。
夜になると土から出てきて葉を食べてしまうので「夜盗虫」と名付けられました。
キバナコスモスは発芽した若い葉を食べられてしまう傾向があり注意が必要です。
葉が食べられているのに見当たらない場合は、土の中にヨトウムシがいる可能性が高いです。
発生してしまったら
ヨトウムシは大きくなると殺虫剤が効きにくくなります。
孵化したばかりの時期は葉の裏に群生しているので、この時に薬剤で駆除します。
ヨトウムシは卵を葉裏に産むため、卵を見つけたら葉ごと切り取って処分してください。
アブラムシ
アブラムシは黄緑色の体をしていて、新芽や蕾から養分を吸い取ります。
発生してしまったら
牛乳や木酢液を水で薄めて霧吹きで吹きかけます。
大量発生した場合は薬剤を使用して駆除してください。
キバナコスモスの増やし方
キバナコスモスは種の採取で増やすことができます。
咲き終わった頃に花がらをそのままにしておくと種になるので採取しましょう。
こぼれ種でも良く育つので、翌年の開花を楽しむこともできます。
キバナコスモスの種を繰り返し採取していると、花つきや花色が変わってしまうことがあります。
キバナコスモスは2年を目安に新しい種を購入するのがオススメです。
まとめ
キバナコスモスの育て方を紹介しました。
キバナコスモスは多少水やりを忘れても、元気な花を咲かせてくれる頼もしい植物です。
キバナコスモスは華やかで育てやすいので初心者にもオススメです。