ビオラ・ラブラドリカは黒葉スミレや黒葉ビオラと呼ばれる多年草。
小さな紫色の花と、黒葉スミレの名前の通りの黒っぽい葉が特徴のスミレです。
ラブラドリカは背丈が低く、這い性の植物なので、グランドカバーにも向いています。
日陰でもよく育つので、花が少ない場所にも植えられるビオラです。
しかし、ビオラ・ラブラドリカは植えてはいけないと言われることがあります。
結論を言えば、ビオラ・ラブラドリカはお庭に植えても大丈夫です。
ただし、虫が苦手な人には注意が必要な植物と言えます。
この記事では、ビオラ・ラブラドリカを植えてはいけない理由と、対処法を解説します。
ビオラ・ラブラドリカを植えてはいけない理由
ビオラ・ラブラドリカを植えてはいけない理由は、以下の3 つ。
増えすぎる
ビオラ・ラブラドリカを植えてはいけない理由の1つ目は、増えすぎること。
ビオラ・ラブラドリカはこぼれ種で増えすぎてしまうことがあります。
ラブラドリカの花数は一般的なビオラに比べれば少なめです。
しかし、花がら摘みをしないままでいると、熟したこぼれ種が弾け飛び、離れた場所からでも芽を出します。
また、スミレの種にはアリが好む成分が付着していて、アリがラブラドリカの種を遠くまで運びます。
その後、アリが好む成分だけが切り離され、残された種が芽を出します。
このように、ラブラドリカの栽培スペースを区切っても、種ができてしまった後では繁殖を制御しにくいのが難点。
もちろん、近くに落ちた種で必要以上に増えることもあります。
ただ、ビオラ・ラブラドリカは増えすぎても簡単に抜いて除草できます。
手に負えなくなるほど繁殖スピードが早いわけでもなく、厄介な地下茎もないため、不要なラブラドリカを抜くお手入れさえできれば問題はありません。
不快害虫が発生する
ビオラ・ラブラドリカを植えてはいけない理由の2つ目は、不快害虫が発生すること。
ビオラ・ラブラドリカには、ツマグロヒョウモンと呼ばれる蝶の幼虫が発生する可能性があります。
ツマグロヒョウモンは、オレンジ色の羽に黒い斑点が特徴の蝶です。
ツマグロヒョウモンの幼虫は、黒色の体に鮮やかなオレンジ色のラインと、棘のような突起があります。
ツマグロヒョウモンの幼虫に毒はありませんが、人によっては不快に感じる、毛虫のような見た目をしています。
ツマグロヒョウモンの幼虫が発生すると、ビオラ・ラブラドリカの葉や蕾を食害されてしまうので、早期発見と駆除が必要です。
放置すると、ラブラドリカが食い尽くされてしまいます。
交雑しやすい
ビオラ・ラブラドリカを植えてはいけない理由の3つ目は、交雑しやすいこと。
ビオラ・ラブラドリカはスミレ科スミレ属の植物で、他のスミレ属の植物と交雑しやすいです。
近くにラブラドリカ以外のスミレ属の植物を植えている場合、交雑して違う見た目の子株ができてしまう可能性があります。
特に、採種の予定がある場合は交雑しないように注意が必要です。
ビオラ・ラブラドリカを植えるときの対処法
ビオラ・ラブラドリカを植えるときの対処法は、以下の3つ。
花がらを摘む
ビオラ・ラブラドリカを植えるときの対処法の1つ目は、花がらを摘むこと。
ビオラ・ラブラドリカの種ができる前に花がらを摘めば、こぼれ種による増え過ぎを防げます。
花がら摘みでの繁殖予防は、ラブラドリカを広範囲に植えているときよりも、小さなスペースで栽培しているときに効果的な方法です。
とはいえ、病害虫予防や株の余力を残すためにも、花がら摘みはこまめに行うのがおすすめです。
他のスミレ属を近くに植えている場合は、交雑の予防にもなります。
防草シートを使う
ビオラ・ラブラドリカを植えるときの対処法の2つ目は、防草シートを使うこと。
グランドカバーのように、ビオラ・ラブラドリカを広範囲に植えている場合は花がらを摘みきれないことがあります。
ラブラドリカの芽が出てほしくない場所には、防草シートを敷いておきましょう。
ツマグロヒョウモン対策をする
ビオラ・ラブラドリカを植えるときの対処法の3つ目は、ツマグロヒョウモン対策をすること。
ビオラ・ラブラドリカに発生するツマグロヒョウモンの幼虫は、対策が可能です。
ツマグロヒョウモンの成虫が飛来しているようであれば、早めに防虫シートをかけておくと産卵を防げます。
また、鱗翅目(りんしもく)の幼虫に効果がある薬剤で予防と対処が可能です。
もし、ラブラドリカにツマグロヒョウモンの幼虫が発生した場合は、割り箸などで挟んで取り除きましょう。
まとめ
ビオラ・ラブラドリカは、こぼれ種で繁殖するのが厄介ですが、植えても問題ない植物です。
他のビオラに比べ、耐寒性・耐暑性があり、病害虫も少ないため育てやすいです。
草丈が低く、落ち着いた見た目をしているので引き立て役にもぴったり。
ぜひ、ビオラ・ラブラドリカを育ててみてくださいね。