ユキノシタは、5枚の花びらのうちの下2枚だけが長くなる、不思議な形の花を咲かせます。
ユキノシタは古くから薬草として利用されてきた植物で、ユキノシタから抽出した成分は、ユキノシタエキスとして化粧品にも使われています。
観賞も食用もできるユキノシタですが、植えてはいけないと言われる植物でもあります。
結論を言えば、ユキノシタはお庭に植えても大丈夫です。
今回は、ユキノシタを植えてはいけない理由と対処法をお伝えします。
ユキノシタを植えてはいけない理由
ユキノシタを植えてはいけない理由は、以下の4つ。
毒性がある
ユキノシタを植えてはいけない理由の1つ目は、毒性があると言われているから。
化粧品や山菜として知られているユキノシタですが、毒性があると言われることがあります。
本当は、ユキノシタそのものには毒性はありません。
しかし、過去にユキノシタ科に分類されていたアジサイの葉を食用したことにより、食中毒が発生しました。
同じくユキノシタ科のアマチャを使って淹れたお茶を飲んだことによる食中毒が、2009年~2010年頃に相次いで起きたことがあります。
そのため、ユキノシタ科の植物や科名であるユキノシタそのものに毒性があると誤解されている可能性があります。
ユキノシタは山菜として食用できる植物でもあり、ペットや子どもがいる家庭でもお庭に植えて大丈夫です。
5月から7月の間は、ユキノシタの葉の収穫を楽しめます。
収穫したユキノシタは天ぷらや和え物にして食べるとおいしいです。
ただし、食べ過ぎるとお腹がゆるくなる可能性があるので注意が必要です。
増えすぎる
ユキノシタを植えてはいけない理由の2つ目は、増えすぎるから。
ユキノシタは株元からランナーを伸ばして新たな株を作り、繁殖していく植物です。
ユキノシタを地植えにすると、ユキノシタから伸びたランナーが土に触れ、その部分が根付いて新しい株ができます。
新しい株からもランナーは出るので、お手入れをしないでいるとユキノシタが勝手に増えてしまいます。
強い日差しに当たると葉焼けしますが、ユキノシタは日当たりが悪くても育つので、場所を問わず繁殖します。
ひとつの株からたくさんのランナーを出すので、株が増えすぎないように注意が必要です。
とはいえ、生育スピードが穏やかで、不要な株ができても抜きやすいので繁殖を抑えやすいです。
定期的なお手入れができるなら、お庭に植えても問題ありません。
踏みつけに弱い
ユキノシタを植えてはいけない理由の3つ目は、踏みつけに弱いから。
ユキノシタはグランドカバーにできる植物ですが、踏みつけに弱いデメリットがあります。
そのため、人通りのある場所へ植えるのは向いていません。
ナメクジが発生する
ユキノシタを植えてはいけない理由の4つ目は、ナメクジが発生すること。
ユキノシタは日陰でも育てられますが、湿度が高い場所で育てているとナメクジが発生することがあります。
ナメクジが発生すると葉や花が食害されるだけでなく、ウイルス感染の原因になります。
ナメクジは一度に産卵する数が多いので、大量発生の可能性もある害虫です。
また、ナメクジには広東住血線虫(かんとんじゅうけつせんちゅう)という人間に健康被害をもたらす寄生虫が潜んでいることがあります。
ナメクジが発生したユキノシタを触ったあとでも、しっかり手を洗えば問題はありません。
しかし、ナメクジが這ったユキノシタを洗浄が不十分のまま食べたりして、寄生虫が体内に侵入すると、重篤な健康被害が生じる危険性があります。
ユキノシタを植えるときの対処法
ユキノシタをお庭に植えるときの対処法は以下の4つ。
ランナーを切る
ユキノシタを植えるときの対処法の1つ目は、ランナーを切ること。
ユキノシタはランナーで増えるので、不要なランナーを切れば、勝手に繁殖するのを防げます。
ユキノシタの株元からたくさんのランナーが出ますが、不要なランナーは切ってしまっても親株の成長に影響はありません。
風通しをよくする
ユキノシタを植えるときの対処法の2つ目は、風通しをよくすること。
風通しが悪いと、カビが原因の病気やナメクジが発生するので、ユキノシタを日当たりの悪い場所で育てる場合は特に気をつけます。
株が混み合っている場合は、ユキノシタの葉を剪定して風通しをよくしましょう。
ユキノシタを剪定するときは、大きすぎる古い葉や傷んだ葉も取り除きます。
植える場所に注意
ユキノシタを植えるときの対処法の3つ目は、植える場所に注意すること。
ユキノシタに毒性はないので、子どもやペットが遊ぶお庭でも安心して育てられますが、踏まれない場所に植えます。
また、直射日光が当たる場所は葉焼けしてしまうので避けてください。
ユキノシタは高温多湿や極端に乾燥する場所も苦手です。
できるだけ風通しのよい半日陰~明るい日陰で育てます。
ナメクジ対策をする
ユキノシタを植えるときの対処法の4つ目は、ナメクジ対策をすること。
ユキノシタに発生しやすいナメクジは、予防対策できる害虫です。
株の風通しをよくしたり、傷んだ葉や枯れた葉を取り除き、周りの雑草を抜いて清潔にしておくことがナメクジ発生の予防になります。
ユキノシタを植えるのが日当たりの悪い場所であれば、あらかじめ忌避剤をまいておくのも良いです。
大量発生してしまった場合は、ナメクジ駆除剤があるので活用しましょう。
ナメクジを駆除するときは手袋をして、処理後はきちんと手を洗いましょう。
まとめ
ユキノシタは、ランナーで増えるものの対策ができて毒性もないため、お庭に植えても大丈夫とわかりました。
成長スピードもゆっくりなので、頻繁なお手入れは不要です。
ナメクジの発生には注意が必要ですが、病害虫の少ない植物なので、ユキノシタは管理しやすい日陰向きのグランドカバーのひとつです。
日陰で育つグランドカバープランツの中でも、ユキノシタなら収穫も楽しめるので、ぜひ育ててみてくださいね。