オキザリスは、日光を受けて花開く特徴がある、5枚の花びらが可愛いカタバミ科の植物です。
開花時期はオキザリスの品種によって違っていて、春に咲く品種・秋~冬に咲く品種・四季咲きがあり、咲かせたい時期の品種を選べるのも魅力です。
丈夫で育てやすく、日当たりのよい場所ならたくさんの花を咲かせてくれるのでグランドカバーにおすすめされることもあるオキザリス。
しかし、オキザリスは植えてはいけないと言われる植物です。
結論を言えば、オキザリスはお庭に植えない方が良いです。
たった一株でも地植えにすると、繁殖してお庭がオキザリスでいっぱいになってしまう危険性があります。
この記事では、オキザリスを植えてはいけない理由と、対処法をお伝えします。
オキザリスを植えてはいけない理由
オキザリスを植えてはいけない理由は、以下の5つ。
繁殖力が強すぎる
オキザリスを植えてはいけない理由の1つ目は、繁殖力が強すぎること。
オキザリスの品種は800種類以上もありますが、流通している多くの種類がとても強い繁殖力を持っています。
オキザリスは球根で増えるだけでなく、地下茎や種、ランナーを伸ばして増えていきます。
中には葉茎の根元にできるムカゴと呼ばれる塊から増える品種もあります。
ムカゴは地に落ちると根を伸ばし、芽を出す、種のような栄養繁殖器官です。
あらゆる繁殖方法で、あっという間に手に負えなくなるほど増えてしまうので、オキザリスは地植えにしてはいけません。
また、多年草の品種が多く、枯れたら終わりにならない点も厄介なポイントです。
一度増えると、何年もの間、オキザリスの除草に悩まされます。
総合対策外来種だから
オキザリスを植えてはいけない理由の2つ目は、総合対策外来種だから。
オキザリスと呼ばれる植物には多くの品種がありますが、中でもオキザリス・ペスカプラエはオオキバナカタバミ・キイロハナカタバミの名で生態系被害防止外来種リストに、総合対策外来種として登録されています。
ラッパ型の黄色い花を咲かせるオキザリスで、バターカップやセルヌアという名前で流通することもあります。
ムラサキカタバミの名前で有名なオキザリス・コリンボサは、生態系被害防止外来種リストの作成に伴い、現在は廃止されている要注意外来生物リストに指定されていました。
他の植物を駆逐する
オキザリスを植えてはいけない理由の3つ目は、他の植物を駆逐すること。
総合対策外来種に指定されているオキザリス・ペスカプラエ(オオキバナカタバミ)に限らず、他のオキザリスも繁殖力が強いので、地植えにするとお庭に植えている他の植物を駆逐するほど増えてしまいます。
離れた場所に植えれば大丈夫と思ってはいけません。
オキザリスは飛び散った種や、地下茎、ランナーで簡単に他の植物を植えている場所まで簡単にたどり着くことができます。
駆除が困難
オキザリスを植えてはいけない理由の4つ目は、駆除が困難なこと。
増えすぎたオキザリスの駆除は長い時間と労力が必要です。
オキザリスを駆除するにも、根が張って土がかたくなってしまうと、スコップを刺すことも難しいため掘り起こすだけでも一苦労。
ちぎれた根や崩れた球根からも増えるので、ていねいに除草しないと逆効果になってしまいます。
離れた場所から芽を出すこともあり、知らない場所で大きくなっていることもあります。
手作業で増えすぎたオキザリスの除草は力仕事になることも覚悟しなくてはいけません。
毒性がある
オキザリスを植えてはいけない理由の5つ目は、毒性があること。
オキザリスには毒性があると言われることがありますが、食べなければ体調に影響する毒はありません。
オキザリスの毒性の正体はシュウ酸のことで、カタバミ科の多くに含まれている成分です。
カタバミ科カタバミ属であるオキザリスも全草にシュウ酸が含まれています。
シュウ酸は一度に多量摂取すると中毒症状を引き起こす成分ではありますが、ほうれん草にも多く含まれています。
観賞目的でオキザリスを育てるだけなら問題のない成分です。
増えすぎたオキザリスの駆除方法
オキザリスが増えすぎたときの駆除方法は、以下の4つ。
除草剤を使う
オキザリスの駆除方法の1つ目は、除草剤を使うこと。
増えてしまったオキザリスを撲滅したいときは、手作業での除草と合わせて、除草剤を使うと早く減らせます。
オキザリスの駆除には、根まで枯らすグリホサート系の除草剤を使います。
しかし、手に負えなくなるほどオキザリスが増えてしまった場合、除草剤を一度使っただけでは完全に駆除できません。
再び生えてきたオキザリスに、繰り返し除草剤を使用する必要があります。
注意点として、除草剤は近くに他の植物があるとき、影響が出る可能性があります。
他の植物を枯らしたくないときは、オキザリスだけに除草剤を塗布するか、除草剤の使用を控えるようにします。
根を残さない
オキザリスの駆除方法の2つ目は、根を残さないこと。
オキザリスは、除草剤を使っても簡単には駆除できないため、出てきたオキザリスをひたすら取り除くしかありません。
除草剤を使わない場合も、球根を掘り起こしたり、新しい芽を抜き続けて減らしていくことが大切です。
そのときに、できる限り根をちぎらず、球根を崩さないように掘り起こします。
作業の後は、土の上にオキザリスのかけらを残さず、ゴミ袋に入れて処分してください。
オキザリスは、根や球根のかけらが数ミリあれば新しく芽を出すことができるので、オキザリスが繁殖した場所の土はそのまま再利用しないようにします。
防草シートを敷く
オキザリスの駆除方法の3つ目は、防草シートを敷くこと。
除草作業を終えた後に、防草シートなど分厚いシートを敷いて光を遮ることで、新しいオキザリスの芽が出ないようにします。
見た目が悪くなるデメリットはありますが、種によるオキザリスの被害を抑えるためにも役に立ちます。
種に注意
オキザリスの駆除方法の4つ目は、種に注意すること。
オキザリスの種は、勢いよく弾け飛びます。
種ができてしまってからの除草作業は、オキザリスを引き抜くときに種があちこちに散ってしまって、新たな芽が出る原因になります。
オキザリスの花が咲き始めたころから種が出来るまでの間に除草作業をして、弾けた種による繁殖を防ぎましょう。
オキザリスを植えるときの対処法
オキザリスを植えるときの対処法は、以下の3つ。
地植えにしない
オキザリスを植えるときの対処法の1つ目は、地植えにしないこと。
どうしてもオキザリスを植えたいときは、地下茎や球根で増えすぎないように、鉢植えやプランターで育てます。
根詰まりしやすいので、1年~2年に一度植え替えが必要ですが、繁殖を防ぐ一番の方法です。
土の近くに置かない
オキザリスを植えるときの対処法の2つ目は、土の近くに置かないこと。
オキザリスを植えた鉢植えやプランターは、土の上や、土がある場所の近くに置かないようにしましょう。
種が飛び散ったり、鉢の底から伸びた根や、ランナーが地に着いて繁殖するのを防げます。
植え替えや株分けをするときも、庭の土の上に根や球根のかけらが落ちたりしないように、シートの上で作業を行うと安心です。
花がら摘みをする
オキザリスを植えるときの対処法の3つ目は、花がら摘みをすること。
オキザリスを土の上に直接置かなくても、種が落ちればオキザリスは繁殖します。
オキザリスの種が遠くまで飛ぶことや、風で運ばれることを考えて、花がらは残さず摘むようにしましょう。
まとめ
品種を選んで上手に管理すれば、年中かわいい花が楽しめるオキザリスですが、お庭に直接植えない方が良いです。
鉢植えやプランターで育てるとしても、増やさないよう注意をしながら育てることが重要になります。
大切な植物がすでにお庭にある場合は、オキザリスを植えない方が無難です。
オキザリスを育てたいと思ったら、管理方法や繁殖対策をよく確認して、慎重に検討してくださいね。