ハーブの中でもポピュラーで人気が高く、ハーブの女王とも呼ばれているラベンダー。
お花の香りで癒やされたい人にもおすすめの植物です。
ラベンダー畑のように、たくさんのラベンダーを植えて香りのあるお庭にしたいという人も多いですね。
しかし、ラベンダーは植えてはいけないと言われる植物のひとつです。
結論から言えば、ラベンダーはお庭に植えてもよいハーブです。
ハーブに分類される植物はよく植えてはいけないと言われますが、ラベンダーは植えても問題ないので安心してください。
ただし、栽培するには注意点があります。
今回は、ラベンダーを植えてはいけない理由と、対処法をお伝えします。
ラベンダーを植えてはいけない理由
ラベンダーを植えてはいけない理由は、以下の4つ。
暑さや寒さに弱く枯れる恐れがある
ラベンダーを植えてはいけない理由の3つ目は、暑さや寒さに弱いこと。
ラベンダーは品種によって耐暑性・耐寒性に違いがあります。
住んでいる地域に合わせてラベンダーの品種選びをしないと、暑さや寒さで枯れてしまいます。
ラベンダーの場合は移植を嫌うので、お庭に地植えすると夏や冬の対策が必要です。
対策をしても夏越しや冬越しができない場合は1年草として扱います。
環境に合わない品種のラベンダーを地植えにした場合、新しい苗を植えたり処分をする負担と手間がかかります。
その場合は、ラベンダーを地植えにせず、鉢植えにする方が季節に合った管理がしやすいです。
大きくなりすぎる
ラベンダーを植えてはいけない理由の1つ目は、大きくなりすぎること。
苗を購入したときは小さなポットでも、地植えにすれば大きく育つ植物です。
品種によっては高さ・横幅共に80cm~1m以上の大きな株になるため、場所を考えて植えないと、他の植物への日差しをさえぎってしまいます。
横にも大きく広がりやすいので、狭いお庭や通路に面した場所に植えると、大きくなったラベンダーが邪魔に感じる可能性があります。
根から成長阻害物質を出す
ラベンダーを植えてはいけない理由の2つ目は、寄植えに向かないこと。
また、ラベンダーは根から成長阻害物質を出すと言われています。
こちらは2013年9月1日放送の「所さんの目がテン!(日テレ系)」の「ハーブの科学」で放送された内容です。
そのため、ラベンダーは他の植物との混植に向かないと言われています。
木質化する
ラベンダーを植えてはいけない理由の4つ目は、木質化すること。
ラベンダーは低木に分類される植物なので、長く育てていると株元の方から茎が固くなり、木質化してしまいます。
ラベンダーの性質による変化なので、元気に育っているラベンダーでもいつかは木質化します。
木質化が進み、茶色くなった部分は元に戻すことはできません。
元の柔らかな茎のラベンダーを楽しみたいなら、挿し木で増やしたり、購入した新しい苗を植え、株の更新をします。
挿し木で新しい株を作るのは手間がかかり、大きくするまでに時間もかかります。
木質化したラベンダーは根も深くまで伸びていて固く、抜きにくくなるので、処分も大変です。
品種で違いがある
ラベンダーを植えてはいけない理由の5つ目は、品種で違いがあること。
ラベンダーには大きく分けて6つの系統があり、それぞれ草丈・耐寒性・耐暑性・花の形や香りに違いがあります。
ラベンダーの香りといえば有名な香りですが、すべてのラベンダーに同じ香りがあるわけではありません。
品種によっては香りが薄く、「ラベンダーを植えたのに香りがしない」と感じる人もいます。
見た目に関しても、品種を知らないと、大きさや花の形が思っていたものと違うという購入ミスが起きてしまいます。
特に、目的を持ってラベンダーを植える場合は、品種についてよく知らないままラベンダーを植えてはいけません。
ラベンダーを植えるときの対処法
ラベンダーを植えるときの対処法は、以下の3つ。
品種を知る
ラベンダーを植えるときの対処法の1つ目は、品種を知ること。
ラベンダーの系統を知っていれば、植える場所や好みの香り・用途に合った品種を選びやすいです。
主なラベンダーの系統は以下の6つ。
- アングスティフォリア系(イングリッシュラベンダー・コモンラベンダー)
- ラバンディン(ラバンジン)系
- ストエカス系(フレンチラベンダー)
- スパイカ系(スパイクラベンダー)
- デンタータ系(フリンジドラベンダー)
- プテロストエカス系(レースラベンダー)
多くの人がイメージするラベンダーらしい香りのものといえば、イングリッシュラベンダーや真正ラベンダー、コモンラベンダーなど呼び名の多い、アングスティフォリア系のラベンダー。
アングスティフォリア系ラベンダーは耐寒性は強いですが、耐暑性は弱いため関東以西の地植えは向いていません。
耐寒性・耐暑性もあり、香りのある品種がほしいならばラバンディン系ラベンダーですが、とても大きく育つ系統のラベンダーなので植える場所を考える必要があります。
花穂にリボンやうさぎの耳のような苞がついているフレンチラベンダーやレースラベンダーはラベンダーの中では耐暑性がありますが、香りが薄い・花から香りがしない系統のラベンダーです。
ラベンダーバンドルズ・ラベンダースティックを作るのであれば、葉の香りも良くて茎が長い、イングリッシュラベンダーやラバンディン系のラベンダーが編みやすいのでおすすめです。
香りを楽しみたいならイングリッシュラベンダー・ラバンディン系・スパイクラベンダー・デンタータ系から選びましょう。
ただし、それぞれ香りの系統が異なります。
フローラルで甘さのある香りがよいなら、イングリッシュラベンダーやデンタータ系、薬草らしい爽やかさのある香りが好きならラバンディン系やスパイクラベンダーを選ぶとよいです。
香りが薄いと言われている系統のラベンダーでも、改良により同系統の他品種に比べて香りが強い品種もあるので、園芸店などに足を運んで好みの品種を探してみてください。
植える場所を考える
ラベンダーを植えるときの対処法の2つ目は、植える場所を考えること。
ラベンダーは根腐れしないように、水はけがよい土で、乾かし気味に育てます。
ラベンダーに合った土作りをした上で、矮性種以外の品種は背が高くなることを考え、他の植物の邪魔にならない場所に植えましょう。
大きくなるのは高さだけでなく、横張りも50cm~1mほどになり根も深く張るので、横幅のゆとりも必要です。
剪定をする
ラベンダーを植えるときの対処法の3つ目は、剪定をすること。
何年も育てたラベンダーは、強剪定で木質化の進行を遅らせることができます。
また、剪定をすると風通しが良くなり病害虫予防にもなるメリットもあります。
ラベンダーの剪定は基本的に、5月~7月の間に花が咲き終わった穂から行いますが、ラベンダーをハーブクラフトに使う場合は穂についた花が開ききる前に収穫するのがおすすめです。
2~3年経過した株の強剪定は、フレンチラベンダーなど開花が早い品種は9月~10月ごろに、イングリッシュラベンダーやラバンディン系ラベンダーは2月~3月ごろに行います。
まとめ
ラベンダーは目的や環境に合った品種を選べば、お庭に植えても問題ない植物です。
環境によっては地植えにするとやや扱いづらい植物ですが、大きな株や群植したラベンダーは見ごたえがあり、香りも楽しめます。
おしゃれでナチュラルガーデンにも向いていますので、ぜひ育ててみてくださいね。