4月から5月の間、小さな白い花を咲かせるヒメウツギ。
和洋どちらの雰囲気のお庭にも合わせやすく、コンパクトなヒメウツギは生け垣にも使いやすい植物です。
ところが、「ヒメウツギは庭に植えてはいけない」と言われることがあります。
結論を言えば、ヒメウツギはお庭に植えても問題のない植物です。
ヒメウツギを植えてはいけない理由は縁起が悪いからと言われます。
しかし、これは全くの誤解であり、ヒメウツギは良い点も多い植物です。
この記事では、ヒメウツギを植えてはいけないと言われる理由を解説します。
ヒメウツギを植えてはいけないと言われる理由
ヒメウツギを植えてはいけないと言われる理由は、以下の3つ。
縁起が悪いから
ヒメウツギを植えてはいけないと言われる1つ目の理由は、縁起が悪いと思われているから。
実は縁起が悪いと言われているのはヒメウツギではなく、タニウツギと呼ばれる植物です。
枝の中が空洞になっている樹木を「空木(うつぎ)」と呼びますが、ヒメウツギはウツギ属ユキノシタ科で、タニウツギはタニウツギ属スイカズラ科の植物。
ヒメウツギが60cm程度の樹高で控えめな白い花を咲かせるのに対して、タニウツギは樹高2m以上と大きく、別名ベニウツギと言われるようにピンクの華やかな花を咲かせます。
同じウツギと名のつく植物ですが、別の植物ということがわかります。
ヒメウツギ自体にも縁起が悪いと言われる逸話や風習などはないため、ヒメウツギを植える時に縁起が悪いと気にする必要はありません。
勝手に増えてしまうから
ヒメウツギは植えた株がひとつでも、こぼれ種やほふく枝で増えていく植物です。
ヒメウツギを限られたスペースで育てたい場合や、増やしたくない場合、勝手に増えてしまうのはデメリットです。
爆発的に増える植物ではないので、芽が出てしまった時は摘み取ることで対処できます。
枝や花穂が場所を取るから
ヒメウツギと植えてはいけないと言われる2つ目の理由は、放置していると枝葉や花穂が大きく広がり場所を取るから。
ヒメウツギと花がよく似ているウツギの木は樹高が2mほどで、枝も大きく広がります。
そのため、大きくなるウツギと勘違いして、ヒメウツギは植えてはいけないと言われる可能性があります。
ヒメウツギも、樹高は60cm程度といえど、放置していると枝が横に広がるので場所を取ります。
生け垣に向いているとされるヒメウツギですが、枝葉や花穂が通路側に張り出すと、通行の迷惑になります。
6月~7月と、12月~2月の間に剪定をして整えれば問題ありません。
ヒメウツギの剪定に困ったら、プロに頼むのが安心です。
ヒメウツギを庭に植えると良い理由
ヒメウツギを植えてはいけないというのは全くの誤解で、ヒメウツギには良い点があります。
ヒメウツギの良い点は以下の3つ。
管理がしやすい
ヒメウツギの良い点の1つ目は、丈夫で管理がしやすいこと。
ヒメウツギはウツギよりコンパクトで、剪定などのお手入れがしやすいため、庭木であまり場所を取りたくないお家にもおすすめです。
暑さや寒さ、病気にも強いので管理がとても楽なところもヒメウツギの良いところ。
害虫がつきにくいのもメリットです。
唯一、気がかりといえる枝が広がる点は植える場所の工夫や、定期的な剪定で解消できるので大きな問題にはなりません。
通路に面していない敷地内なら問題なくヒメウツギを植えられます。
良い花言葉がある
ヒメウツギの良い点の2つ目は、風情のある花言葉がつけられていること。
縁起が悪いと誤解されるヒメウツギですが、良い花言葉があります。
ヒメウツギの花言葉は「夏の訪れ」「秘密」「秘めた恋」「古風」「潔白」の5つです。
「夏の訪れ」は、ヒメウツギが初夏である4月から6月かけて花を咲かせるためにつけられた、季節を感じさせてくれる花言葉です。
「秘密」「秘めた恋」はヒメウツギの枝の中が空洞で、外見を見ただけでは中身はわからないという意味でつけられたもの。
「古風」「潔白」は控えめな小さく白い花を咲かせるから。
お辞儀をするように枝垂れる姿も花言葉の由来です。
風水で良いとされる
ヒメウツギの良い点の3つ目は、風水的に植えると良いとされていること。
ヒメウツギは風水において、南西に植えると裏鬼門が守られるとされています。
良い「気」を取り込んで、活力を生むと言われていて、風水的にも悪い部分はありません。
まとめ
ヒメウツギが縁起が悪いというのは迷信で、本当は良い点が多い植物だということをお伝えしました。
年に2回の剪定をしていればコンパクトな形を維持できる上に、病気や害虫で困ることも少ないので、管理がしやすい庭植えできる植物を探している人にもおすすめです。
「夏の訪れ」の花言葉の通り、季節を感じさせてくれる植物なので、ぜひお庭に植えてみてくださいね。