ツワブキは秋から冬にかけて花を咲かせる植物で、ふきによく似た触感の葉柄は食べることができます。
寒さ・暑さに強く、食用もできることからお庭に植える人も多いツワブキですが、「庭に植えてはいけない」と言われます。
ツワブキを植えてはいけないと言われる理由は、毒性があり、大きくなりすぎるから。
結論を言えば、対処法があるので、ツワブキは植えても問題ありません。
ただし、毒性については体調不良を引き起こす場合があるので、ツワブキを食べる時には注意が必要です。
この記事では、ツワブキを植えてはいけない理由と注意点を解説します。
ツワブキを植えてはいけない理由
ツワブキを植えてはいけないと言われる理由は以下の3つ。
天然の毒性がある
ツワブキを植えてはいけない理由の1つ目は、ツワブキには毒性があるから。
この毒性はツワブキを食用する時に問題となる成分なので、鑑賞を楽しむためにツワブキを植えるなら全く問題ありません。
植えているツワブキを食べる時は、毒性に注意が必要です。
ツワブキにはピロリジンアルカロイドと呼ばれる天然の毒成分が含まれています。
ピロリジンアルカロイドは、過剰摂取すると肝臓障害を引き起こす成分ですが、あく抜きをすれば減らせることが分かっています。
ふきやふきのとうを食べたことによるピロリジジンアルカロイド類が原因と疑われる健康被害は、日本では報告されていません。ふきやふきのとうは、しっかりとあく抜きをすれば、大量に食べたり、食べ続けたりしない限り、健康への悪影響の懸念はないと考えられます
引用元:農林水産省
ツワブキを生のままで食べたり、多量に食べたりしないようにしてください。
葉が大きくなりすぎて景観が悪くなる
ツワブキを植えてはいけない理由の2つ目は、葉が大きくなりすぎて景観が悪くなることです。
日当たりの悪い場所で放っておいても大きく育つツワブキ。
栄養豊富な土なら、何もしなくても葉が20cm~30cmほどまで大きくなります。
最初は小さくて可愛いハート型のツワブキの葉も、大きくなりすぎるとお庭を圧迫してしまい、景観を損ねてしまいます。
ツワブキの株が大きくなってからでは引き抜くのも大変です。
勝手に増えてしまう
ツワブキを植えてはいけない理由の3つ目は、こぼれ種や地下茎でいつの間にか増えてしまうことです。
ツワブキはあまり手入れをしなくても良い植物ですが、放っておくと望まない場所にツワブキの株ができてしまいます。
ツワブキの種はたんぽぽの種のように綿毛がついているので、風で飛ばされやすく、気づかないうちに株から離れた場所で新しい株ができている場合があります。
ツワブキは地下茎でも増える植物です。
地植えにしていると、地下茎を自由に伸ばすことができるので、種と同じように離れた場所から芽が出てしまいます。
手がつけられなくなるほど繁殖力が強い植物ではないので、絶対に庭に植えてはいけないわけではありません。
ツワブキを植える時の注意点
ツワブキを植えた時に注意する点は以下の4つです。
ツワブキを食べる時はアク抜きをする
食あたりを防ぐために、ツワブキを食べる時は、必ずアク抜きをしてください。
ツワブキに含まれる毒成分のピロリジンアルカロイドは、加熱処理では壊れにくい成分です。
しかし、水に溶けやすいため、沸騰させたお湯でアク抜きをすることで食用できるまでに減少させることができます。
沸騰させたたっぷりのお湯で数分間茹でたあとに、水にさらします。
水にさらす時間が長いほど、ツワブキに含まれる毒成分は減少します。
できるだけ水を交換しながら、長めに水にさらした後で、調理してください。
ツワブキを茹でたお湯(茹で汁)は、他の料理などに利用せずに全て捨てましょう。
下ごしらえはツワブキを茹でる前に塩で板ずりしたり、沸騰させたお湯に重曹や塩を加えるなど様々な方法がありますが、いずれの方法でも構いません。
ピロリジンアルカロイドの含有量を減らすために重要なのは、お湯で茹でた後に水でさらすことです。
子どもやペットが生で食べないようにする
生のツワブキには毒性があるため、念のため、子どもやペットが口にしないように注意しましょう。
万が一、多量に食べてしまったり、体調に異変が出た場合は医師に相談して下さい。
大きくなりすぎた葉は取る
ツワブキは剪定いらずで植えっぱなしにできる植物ですが、放っておくと葉が大きくなりすぎて、見栄えが悪くなってしまいます。
バランスが悪くなったツワブキは、剪定をして見た目を整えましょう。
ツワブキの小さい葉を残し、大きくなりすぎた葉や地面に着いている葉を茎の付け根から切るだけです。
ツワブキの花芽は株の付け根にできるので、花芽を傷つけないように注意してください。
特に地植えのツワブキは大きくなりやすいですが、株分けや鉢上げして大きな葉を少しずつ取り除いていくことで徐々に小さくしていくことが可能です。
勝手に増えないようにする
ツワブキがこぼれ種で増えるのを防ぐために、花が咲いたら早めにツワブキの花茎を切り取りましょう。
ツワブキが地下茎で広がるのを防ぐためには、鉢植えにしたり、根止めを施してください。
まとめ
ツワブキは大きくなりすぎたからと言って慌てて処分する必要はありません。
ツワブキは庭に植えても問題ない植物ですが、放っておくと見た目が悪くなるので、小さなうちから葉っぱのお手入れをしておくと良いです。
ツワブキの触感や風味はふきに似ていて、カリウムや食物繊維が豊富なため、むくみ予防にも効果があります。
アク抜きをすればツワブキの毒性も心配しなくて大丈夫。
ツワブキを上手に育てて、食卓でも楽しんでくださいね。
ツワブキの育て方は、こちらの記事で詳しく解説しています。