ドクダミは深い緑の葉に、白い花びらに似た苞と穂のような中心部が特徴的な多年草。
ドクダミは美容や健康によいと言われる和のハーブで、ドクダミ茶は古くから飲まれてきた有名な健康茶です。
ドクダミは猫や虫除けに役立つ効果もあり、丈夫で、日当たりの悪い場所でも育てられるため、
しかし、ドクダミはお庭に植えてはいけないと言われる植物。
結論を言えば、ドクダミは地植えにしない方が良い植物です。
ドクダミを地植えにすると、繁殖力が強すぎて、駆除に悩まされてしまいます。
それだけではなく、ご近所トラブルの原因になる危険性もあります。
この記事では、ドクダミを植えてはいけない理由と、対処法を解説します。
ドクダミを植えてはいけない理由
ドクダミをお庭に植えてはいけない理由は以下の3つ。
繁殖力が強すぎる
ドクダミを植えてはいけない理由の1つ目は、繁殖力が強すぎること。
ドクダミの地植えは危険と言われるほど広がりやすく、厄介です。
地下茎で繁殖するドクダミは、地植えにするとあっという間に広がります。
日当たりの悪い場所やコンクリートの隙間からでも芽を出すほど強く、どんな場所でも増えていきます。
お庭に植えている他の植物を植えている場所まで伸びて、生育を阻害します。
ドクダミの茎や葉など地上部を制御できていても、植える場所によっては、地下茎で敷地の外に出てしまう可能性があります。
地下茎に比べると繁殖力は劣るものの、ドクダミはこぼれ種でも増えることがあります。
駆除が難しい
ドクダミを植えてはいけない理由の2つ目は、駆除が難しいこと。
ドクダミが一度増えてしまうと、駆除がとても大変です。
ドクダミの地下茎は一株でおよそ20m以上の長さになり、深さ30cm~50cmほどまで伸びていきます。
引き抜くだけでも大変ですが、根を引き抜くだけではドクダミを駆除できません。
引き抜く時にちぎれた地下茎が地面や地中に残っていると、そこから新たな根を出して増えることができます。
大ざっぱな除草では、ドクダミを余計に増やしてしまうため、丁寧に根を取り除く作業が必要です。
一度抜くだけでは完全な駆除が難しく、根絶するためには新たに出た芽を繰り返し抜く必要があります。
除草剤を使う方法もありますが、大切な植物が近くにあったり、ご近所への影響などを考えて使えない場合は手で抜くしかありません。
除草剤を使わずドクダミを根絶するのに、数年かかることもあります。
悪臭がする
ドクダミを植えてはいけない理由の3つ目は、悪臭がすること。
道に生えているドクダミは臭いがあまり感じられないため、家で植えたいと思う人も少なくありません。
しかし、ドクダミは茎や葉が傷つくことで悪臭を放つ植物です。
ドクダミの臭いは、「魚腥草」の別名の由来になっているように、生魚のような臭いで悪臭と感じる人が多いです。
剪定や除草の時にはドクダミの悪臭に耐えなくてはならない上に、ドクダミの臭いは皮膚や衣服につくとなかなか落ちません。
ドクダミの臭いが近隣の迷惑になる可能性もあります。
ドクダミを駆除する方法
増えすぎたドクダミを駆除する方法は以下の5つ。
- 駆除に適した時期に作業する
- 除草剤を使う
- こまめに抜く
- 熱湯や重曹を使う(←やらない方が良い)
- 塩を使う(←やらない方が良い)
駆除に適した時期に作業する
ドクダミを駆除する方法の1つ目は、駆除に適した時期に作業すること。
ドクダミの駆除は、地下茎が生長する前に行うことで、新たに生えてくるドクダミの抑制ができます。
ドクダミが花を咲かせるために大きく生長するのは5月の中旬以降です。
6月以降に駆除すると、残った根から新しい芽を出して逆に増えてしまう可能性があります。
ドクダミの駆除は、4月~5月の初旬までに行いましょう。
除草剤を使う
ドクダミを駆除する方法の2つ目は、除草剤を使うこと。
一番手っ取り早く除草ができるのが除草剤を使う方法です。
根まで枯らすグリホサート系の除草剤を使うことで、ドクダミの地下茎まで薬剤が届き、除草することができます。
ドクダミに効果があると表記されている薬剤を使用しましょう。
天気予報を確認して、晴れた日が最低3日ほど続く時期を狙って、風のない日に除草剤を散布するとより効果的です。
注意点として、除草剤を散布すると近くの植物にまで影響が出る可能性が高いので、他の植物を植えている場合は避けた方がよい方法です。
こまめに抜く
ドクダミを駆除する方法の3つ目は、こまめに抜くこと。
除草剤が使えない場合は、ドクダミをひたすら抜いて取り除く必要があります。
時間と労力がかかって大変ですが、お庭にドクダミ以外の大切な植物がある場合、他の植物への影響のない安心の方法です。
除草剤を使った後に生えたドクダミも、大きくなる前に抜いて対処しましょう。
力任せに引き抜かず、スコップなどで周りの土を柔らかくしてから根ごと抜き取ります。
除草作業をした後は、ドクダミの根や茎を地面に残さないように掃除をします。
熱湯や重曹を使う
ドクダミを駆除する方法の4つ目は、熱湯や重曹を使うこと。
ドクダミに熱湯をかけたり、ドクダミの茎に傷をつけて重曹を塗ることで除草をする方法があります。
熱湯の場合は大量の熱湯を用意する必要がある上、何度もドクダミに熱湯をかける必要があります。
他の植物が近くにある場合、他の植物も熱によってダメージを受けてしまうのでおすすめできません。
重曹を塗る場合も、ドクダミの茎や葉にひとつひとつ傷をつけたり重曹を塗る手間を考えると、とても時間がかかります。
しかも、熱湯や重曹だけでは根を深く張っているドクダミには効果が少なく、駆除ができない可能性があります。
塩を使う
ドクダミを駆除する方法の5つ目は、塩を撒くこと。
ドクダミの駆除のために塩や塩水を撒こうと考える人もいますが、絶対にやめましょう。
塩を撒くことで、ドクダミは駆除できますが、他の植物まで枯れてしまいます。
その後も土壌に塩分が残り、植物が育たなくなります。
雨により塩水が流れると公共設備や近隣に被害が出てしまうことも考えられるため、ドクダミの駆除のために、塩や塩水をお庭に撒いてはいけません。
ドクダミを上手に育てる対処法
ドクダミを上手に育てるための対処法は以下の2つ。
地下茎が伸びるのを制限する
ドクダミを上手に育てる対処法の1つ目は、地下茎が伸びるのを制限すること。
ドクダミを育てるとき、一番厄介な地下茎は、鉢植えやプランターに植えることで抑制ができます。
鉢植えやプランターの底穴から根が伸びても大丈夫なように、直接地面の上には置かないようにしてください。
根詰まりしないよう、4月か10月に植え替えも行います。
根止めシートを使って栽培区画を区切るのも有効ですが、ドクダミの地下茎は30cm以上の深さまで根を伸ばします。
50cm以上の深さまで届く根止めシートを打ち込んで、根が広がらないようにしましょう。
花を摘む
ドクダミを上手に育てる対処法の2つ目は、ドクダミの花を摘むこと。
ドクダミはこぼれ種でも繁殖する可能性があるため、花を早めに摘むと勝手な繁殖を防げます。
ドクダミの開花期間は5月中旬から6月ごろ。
花が咲き始めたら種ができないように注意してください。
まとめ
ドクダミは繁殖力が強すぎて駆除が厄介なため、お庭に直接植えてはいけない植物と言えます。
繁殖すると悪臭問題にもなるので、増やしすぎないように適切な管理をすることが大切です。
植えたドクダミを乾燥させてドクダミ茶を作るとしても、鉢植えやプランターで十分な量のドクダミが収穫できます。
どうしてもドクダミを植えたい場合は、できる限り地植えにしないで、鉢植えやプランターで育てるようにしましょう。