グレコマはまばらに斑が入った葉を持つ、這い性の多年草。
グレコマは耐陰性や耐寒性に優れていて、とても丈夫なため、園芸初心者でも枯らさずに育てられます。
香りがあるので、ハーブや香りがあるグランドカバーとして植えることも可能です。
しかし、グレコマは植えてはいけないと言われます。
結論を言えば、グレコマは植えてもよい植物です。
ただし、トラブルを防ぐにはグレコマを育てる場所と管理に注意が必要です。
地植えにするときは気をつけないと、お庭がグレコマだらけになってしまいます。
この記事では、グレコマを植えてはいけない理由と、対処法を解説します。
グレコマを植えてはいけない理由
グレコマを植えてはいけない理由は、以下の4つ。
増えすぎる
グレコマを植えてはいけない理由の1つ目は、増えすぎるから。
カキドオシや斑入りカキドオシと呼ばれることもあるグレコマ。
一般的にグレコマとして流通しているのは斑入りカキドオシです。
カキドオシは「垣通し」と書き、茎が垣根を通り越えてしまうほど伸びる様子からつけられた名前です。
名前の通り、グレコマは放っておくと簡単に1mを超える長さになってしまうほど生育旺盛で、日当たりの悪いところやコンクリートの隙間など、場所を問わずに伸びていくことができる強さもあります。
地面を這って伸びていくため、グランドカバーに向いていると言われますが、地植えにするとランナーで増えすぎる危険があります。
環境がよいと「増えすぎて困る」ということになりやすい植物です。
コンパクトに抑えるにはこまめなお手入れが必要になるので、グランドカバーに手をかけたくない場合は負担になってしまいます。
また、小さな隙間でも潜り込んでしまうので、除草が面倒なデメリットもあります。
雑草化する
グレコマを植えてはいけない理由の2つ目は、雑草化すること。
グレコマはたくさんのランナーを伸ばしますが、その中には、斑の入っていない緑色の葉のものが出てくることがあります。
これは先祖返りしたグレコマの葉で、グレコマが雑草化する原因になるものです。
先祖返りしたグレコマのランナーはとても繁殖力が強く、放置すると緑色の葉ばかりになってしまう上に、他の植物を枯らしてしまうほど繁殖するので早めの対処が必要です。
他の植物を圧迫する
グレコマを植えてはいけない理由の3つ目は、他の植物を圧迫すること。
グレコマの斑入りの葉は、寄植えにも重宝します。
しかし、グレコマは生育旺盛なので、放置してしまうと近くに植えた他の植物を圧迫するほど増えてしまいます。
小さな寄植えにグレコマを使う場合、グレコマの成長速度が早いため、バランスが悪くなりやすいです。
寄植えの場合は他の植物が埋もれないように、注意とお手入れが必要です。
枯れてしまう
グレコマを植えてはいけない理由の4つ目は、枯れてしまうこと。
グレコマは常緑多年草ですが、何年もお庭に植えっぱなしにしていると、株元から枯れ込んでくることがあります。
株が茂りすぎたり、たくさんのランナーで広がると起きる生育不良です。
数年に一度、植え替えによる対処が必要です。
グレコマは耐寒性が強く、戸外での冬越しも簡単な植物ですが、強い霜に当たると枯れてしまいます。
霜で地上部が枯れても、翌年に新しい芽を出すので、植えたままでも問題はありません。
その他にも高温多湿で株が蒸れると枯れ込むことがあります。
グレコマを植えるときの対処法
グレコマを植えるときの対処法は、以下の4つ。
鉢植えで育てる
グレコマを植えるときの対処法の1つ目は、鉢植えで育てること。
成長速度も早く、繁殖力も旺盛なグレコマを制御するにはお手入れが欠かせません。
グレコマは根が比較的浅く、除草もしやすいです。
増えすぎても対処しやすいですが、グレコマを増やしたくない場合や、初めてグレコマを育てる場合は鉢植えをおすすめします。
もっとグレコマを増やしたいときは、株分けや挿し芽・茎伏せ、ランナーで簡単に増やせます。
鉢植えでのグレコマの栽培に慣れた後で、お庭に地植えして増やしていく方が失敗しにくいです。
ただし、グレコマを鉢植えで育てるときは根詰まりに注意してください。
根詰まりすると、グレコマが枯れてしまいます。
剪定をする
グレコマを植えるときの対処法の2つ目は、剪定をすること。
グレコマを育てるときは、地植え・鉢植えどちらの場合もこまめな剪定が大切です。
開花期間である4月~5月を過ぎると、どんどんランナーを伸ばすので剪定をして増え過ぎを防ぎます。
多少切りすぎても、問題なく新しい茎やランナーが伸びてくるため、剪定が苦手でも大丈夫。
不要なランナーや、伸びすぎた茎は定期的に切り戻しましょう。
鉢植えはグレコマの増え過ぎを防ぐのに効果的ですが、鉢植えから伸びた茎やランナーがお庭の土につくと、土についた部分から根を出して増えていきます。
土の上に直接、鉢植えを置かないようにするか、伸びた茎やランナーが地面につく前に剪定をしましょう。
先祖返りを防ぐ
グレコマを植えるときの対処法の3つ目は、先祖返りを防ぐこと。
先祖返りしたグレコマは、元々植えていた斑入りのグレコマが消えてしまうほど繁殖力が強いため、お庭があっという間に緑葉のグレコマだらけになってしまいます。
広範囲にグレコマを植えていると先祖返りしている斑の入っていない葉を見落としやすいため、普段から不要なランナーを切り取るようにしましょう。
植え替えをする
グレコマを植えるときの対処法の4つ目は、植え替えをすること。
地植えにしたグレコマは、定期的な剪定で株の老化を遅らせることができます。
それでもグレコマの株の中心部が枯れ込んできたときは、株分けしたり、生育のよいランナーを新しく植え付けてください。
まとめ
グレコマは、鉢植えでは問題なく育てられますが、お庭に地植えにするときは注意しないと雑草になってしまう危険性があります。
適切な管理ができれば、冬越しさせやすくて病害虫も少なく、除草もしやすい使い勝手のよいグランドカバーと言えます。
他の植物と合わせやすく、おしゃれな寄植えを作りたいときにも重宝するグレコマですが、まずは鉢植えで育ててみてくださいね。
グレコマの育て方は、こちらの記事で詳しく解説しています。