提灯のような赤色の袋をつけるほおずきは、お盆飾りとして古くから利用されています。
しかし、ほおずきは植えてはいけないと言われることがあります。
結論を言えば、ほおずきはお庭に植えても問題ありません。
ほおずきを植えてはいけない主な理由は縁起が悪いからですが、迷信です。
この記事では、ほおずきを植えてはいけない理由と良い点を解説します。
ほおずきを植えてはいけない理由
ほおずきを植えてはいけない理由は以下の3点。
縁起が悪い
ほおずきを植えてはいけないと言われる1つ目の理由は、縁起が悪いから。
ほおずきには「死者を招く」「霊を呼ぶ」「死人が出る」「病気になる」といった言い伝えがあります。
しかし、これはほおずきが盆花や仏花として使われていることから生まれた迷信です。
ほおずきの赤い袋は、花が終わった後にガクが発達してできたもので、提灯のような見た目をしているため古くから盆花として利用されてきました。
盆提灯に似ているほおずきを飾ることで、先祖が迷わず帰ってこれると言われていて、お盆の間は中にある赤い実に先祖の魂が宿って過ごすという言い伝えもあります。
その言い伝えの一部分だけが切り取られ、ほおずきは死者を招く、霊を呼ぶから縁起が悪いという言い伝えができたと考えられます。
ほおずきを飾ることによって先祖が迷わず帰って来ることができたり、お盆中に魂が過ごせる場所となるのはむしろいいことですから、縁起が悪いという言い伝えは気にする必要がない誤解だと言えます。
毒性がある
ほおずきを植えてはいけないと言われる2つ目の理由は、毒性があるから。
ほおずきは、じゃがいもの芽に含まれている成分で有名なソラニンや、ヒストニンと呼ばれるアルカロイド系の毒性がある植物です。
ヒストニンは子宮収縮の効果があり、ほおずきの根の部分に多く含まれているため、江戸時代に中絶や避妊薬として使われていた歴史があります。
現代でもほおずきは酸漿(さんしょう)や酸漿根(さんしょうこん)の名で鎮静の効果がある生薬として利用されていますが、妊娠中の女性は服用してはいけないとされています。
「死人が出る」「病気になる」というほおずきの言い伝えは毒性が由来しているとも考えられますが、薬用として利用されている面もあり、生薬として利用する場合も適切に服用すれば問題ありません。
ほおずきを植えただけで健康を害することはないので、お庭に植えても大丈夫です。
花言葉がこわい
ほおずきの花言葉は「浮気」「偽り」「ごまかし」「半信半疑」「私を誘って」などの不穏な言葉が多いです。
縁起が悪いと言われたり、毒性があり中絶薬として使われていた歴史も合わせて考えると、印象はあまり良いものではありません。
ほおずきの良い点
庭に植えてはいけないと言われるほおずきですが、良い点もあります。
縁起物である
ほおずきの良い点の1つ目は、魔除けや病除けの効果がある縁起物であること。
ほおずきは縁起が悪いと言われる反面、魔除けとして飾る地域があります。
ほおずきを玄関に植えたり飾ることで、悪い気を払い、家を守ってくれると言われています。
ほおずきは薬用として使われていたため、病除けとして飾る地域も少なくありません。
浅草寺では毎年7月9日と10日にほおずき市が開催され、ほおずきが無病息災の縁起物として販売されています。
食用できるほおずきがある
ほおずきの良い点の2つ目は、食用できるほおずきがあること。
ほおずきには赤い実がなる観賞用ほおずきと、黃色の実をつける食用ほおずきがあります。
食用ほおずきは観賞用ほおずきのように赤くなりませんが、ミニトマトに似た実を楽しむことができます。
子どもやペットがいる場合は食用ほおずきを植えれば毒性の実を誤飲する心配が解消されます。
食用ほおずきの実はビタミンや鉄分が多く、ジャムやシロップ漬けで食べられるので、観賞用ほおずきにはない収穫と食べる楽しみがありますよ。
良い花言葉もある
ほおずきの良い点の3つ目は、良い花言葉もあること。
不穏な花言葉が多いほおずきですが、「自然美」「心の平安」という良い花言葉もあります。
6月~7月に白い花を咲かせた後、季節の変化と共に見た目が変わっていくほおずきは「自然美」を感じられる植物です。
まとめ
ほおずきは毒にも薬にもなり、縁起が悪いと言われる一方で縁起物として知られている反対の性質をもつ植物ということがわかりました。
ほおずきが縁起が悪いとされるのは迷信であり、植えても食べなければ人体や周囲の環境に影響が出ないので、お庭に植えても問題ありません。
子どもやペットがいて毒性が心配な場合は食用ほおずきを植える方法もあります。
ほおずきを植えたい時は、無病息災の縁起物として植えて栽培や鑑賞を楽しんでくださいね。