ブルーベリーは実のなる木の中でも、初心者にも育てやすいとよく言われる、人気の高い植物。
地域によって育てやすい品種が異なるものの、品種が豊富で入手もしやすいため、果樹を育てるきっかけにもなる木です。
しかし、ブルーベリーは植えてはいけないと言われます。
その理由は、栽培で失敗しやすい点があるからで、結論を言えばブルーベリーは植えてもよい植物です。
初心者向きと言われるブルーベリーですが、知識もなく植えると失敗しやすい果樹と言えます。
この記事では、ブルーベリーを植えてはいけない理由と、対処法をお伝えします。
ブルーベリーを植えてはいけない理由
ブルーベリーを植えてはいけない理由は、以下の4つ。
育てるのが難しい
ブルーベリーを植えてはいけない理由の1つ目は、育てるのが難しいから。
ブルーベリーは初心者にも育てやすい果樹と言われますが、その一方で育てるのが難しいと言われることも少なくありません。
ブルーベリーが難しいと言われる原因には以下のようなものがあります。
- うまく結実しない
- 地域によって育てやすい品種が異なる
- 土質を選ぶ
- 水切れに弱い
上手に育って結実しても、虫や鳥による被害を受ける可能性もあり、知識がないまま栽培すると失敗しやすいです。
それぞれの問題に対処法があるため、植えない方がよい植物ではありません。
虫が寄り付く
ブルーベリーを植えてはいけない理由の2つ目は、虫が寄り付くから。
ブルーベリーには、さまざまな虫が寄り付きます。
アブラムシやハダニ以外に、コガネムシや毛虫・ナメクジなどの対処がやっかいな虫も発生します。
中でもイラガの幼虫はブルーベリーに発生しやすい毛虫で、毒棘が刺さると激痛が走り、皮膚炎を引き起こします。
その一方で、受粉を助けてくれる虫も飛来します。
ブルーベリーの実をたくさん収穫したいなら、しっかり受粉させることが大切です。
ブルーベリーは1本では結実しないものが多く、2本植えて受粉させるのが一般的。
さらに、ブルーベリーの花は釣り鐘のような形をしていて花粉が風で飛びにくいため、人工受粉か虫に花粉を運んでもらわないと結実しにくい問題があります。
手間がかかる人工受粉を助けてくれるのが、花粉を運んでくれる虫たちです。
ただし、花粉を運んでくれる虫にはハチやアブのように刺したり噛む危険性がある虫や、コガネムシやハエなどの害虫も含まれます。
虫が苦手な人はブルーベリーは植えない方がよい植物と言えます。
鳥害が発生する
ブルーベリーを植えてはいけない理由の3つ目は、鳥害が発生するから。
品種により違いがありますが、ブルーベリーは5月~9月の間に実をつけます。
収穫時期の間はブルーベリーの実を好む野鳥が、実をつついたり、落としてしまいます。
落ちた実や糞で地面が不要に汚れてしまうので、掃除をしなくてはいけません。
鳥の糞は不衛生で、近隣住民や通行人への迷惑にもなります。
1度でも鳥が居着いてしまうと対処が難しくなり、手間と費用がかかります。
縁起が悪い
ブルーベリーを植えてはいけない理由の4つ目は、縁起が悪いと言われるから。
「ブルーベリーは縁起が悪い」と言われるのは、ブルーベリーが実のなる木だからです。
ブルーベリーに限らず、実のなる木は古くから、熟した実が落ちる様子が不吉で縁起が悪いと言われます。
もちろん、植えている人の健康や生活に影響が出るわけではないので気にしなくてもよい迷信です。
むしろ、ブルーベリーには「実りある人生」や「信頼」「思いやり」といった縁起がよい花言葉があります。
縁起が気になるなら、ブルーベリーを植えるときに、花言葉を意識して植えればよいです。
ブルーベリーを植えるときの対処法
ブルーベリーを植えるときの対処法は、以下の5つ。
剪定をする
ブルーベリーを植えるときの対処法の1つ目は、剪定をすること。
ブルーベリーに発生する害虫や病気の対策には、剪定で風通しをよくさせることが効果的です。
ただし、ブルーベリーの実をたくさん収穫したい場合は、剪定の時期や方法について注意しなければいけません。
ブルーベリーの剪定方法は年数によって違います。
基本的には休眠期である1月~2月の間にしっかりと剪定して、枯れ枝や徒長枝などの不要な枝を切り落としたり、樹形を整えます。
植え付けから1年~2年目の木は、ブルーベリーの木そのものを大きくすることが大切なので、結実させずに花芽を落とす剪定をします。
実の収穫ができる3年目以降のブルーベリーは、休眠期が終わってから収穫までの間に枝が混み合うようになります。
休眠期の剪定に加えて、収穫が終わった後~7月までに風通しの悪い部分だけを軽く剪定します。
品種を選ぶ
ブルーベリーを植えるときの対処法の2つ目は、品種を選ぶこと。
ブルーベリーは地域に合った品種を選ぶことで、失敗を減らせます。
関東以北ではノーザン・ハイブッシュ系のブルーベリー、関東以南では比較的耐暑性のあるラビットアイ系のブルーベリーが適しています。
サザン・ハイブッシュ系のブルーベリーは中間地~暖地向きですが、ややデリケートです。
関東以南に住んでいて、はじめてブルーベリーを育てる場合は、土壌適応性の高いラビットアイ系のブルーベリーをおすすめします。
そして、収穫量を多くするためにも、同じ系統の違う品種を2本植えましょう。
酸性の土に植える
ブルーベリーを植えるときの対処法の3つ目は、酸性の土に植えること。
せっかく植えたブルーベリーがうまく育たない原因に、土質が合っていないことがあります。
ブルーベリーは酸性の土を好むので、土壌がアルカリ性だとうまく育たないことがあります。
ピートモスや鹿沼土を庭土に混ぜて、酸性土壌になるようにpHを整えるか、ブルーベリー専用の土を使ってください
ブルーベリーが好む酸性に合わせられた肥料も販売されているので、酸度調整が難しく感じるなら、ブルーベリー専用の肥料を使うとよいです。
注意点として、酸性土壌を嫌う植物のそばには植えないようにしましょう。
害虫や鳥対策をする
ブルーベリーを植えるときの対処法の4つ目は、害虫や鳥対策をすること。
ブルーベリーには、さまざまな虫が寄ってきます。
剪定をして風通しをよくすることで多くの病害虫の発生を抑制できます。
それでも病害虫が発生してしまった場合には、薬剤を使って早めに駆除して、被害が広まらないようにします。
防虫・防鳥ネットは虫や鳥から大切な実を守ってくれるので、被害に悩まされるようなら活用してください。
落ちた実や鳥の糞は鳥が居着いてしまう原因になるので早めに掃除しましょう。
水切れに注意する
ブルーベリーを植えるときの対処法の5つ目は、水切れに注意すること。
ブルーベリーは乾燥に弱いので、水切れは禁物。
気温が高くなって土がすぐ乾くようであれば、マルチングを施して水分の蒸散をおさえます。
水切れすると、木の元気がなくなるだけでなく、収穫量も減ってしまいます。
乾燥に強いと言われる品種でも、水切れしてもよいわけではありません。
まとめ
ブルーベリーは水切れ禁物だったり、虫や鳥の被害に合う可能性もあるため、日々のお世話が大切な果樹と言えます。
しかし、育て方のコツや対処法があるのでブルーベリーをお庭に植えても問題ありません。
後悔しなくていいように、品種選びや土の酸度調整などの下準備をしっかりしてから、よい苗木を植えましょう。
ブルーベリーを植えれば秋には紅葉も楽しめるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。