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ハナミズキの育て方と管理のコツを初心者にもわかりやすく解説

ハナミズキの育て方と管理のコツを初心者にもわかりやすく解説

ハナミズキは1年を通して、彩りの変化を楽しむことが出来る樹木です。

放ったらかしても自然に樹形もまとまりよく育つため、シンボルツリーや街路樹に利用されています。

ハナミズキは矮性品種もあり、鉢植えで楽しむこともできます。

この記事では、ハナミズキの育て方について、ガーデニング初心者の方でもわかりやすく解説しました。

運営者
みゆき

みゆ庭編集部

ガーデニングコーディネーター

元植物を枯らすタイプ…。
コツをつかんだら、うまく育てられるように!
ずぼらガーデニングくらいがちょうどいい♪

目次

ハナミズキの詳細情報

ハナミズキの育て方
ハナミズキ
植物名ハナミズキ
学名Cornus florida
英名flowering dogwood
科名ミズキ科
属名サンシュユ属(ヤマボウシ属)
園芸分類庭木
形態高木
樹高4m〜10m程度
原産地北アメリカ周辺
開花期4月〜5月頃
花色白、ピンク、赤
耐寒性高い
耐暑性普通

ハナミズキは北アメリカ原産の花木です。

原産地では12m以上になりますが、生育スピードは緩やかなので小さく育てることが可能です。

ハナミズキはとても管理がしやすく、街路樹にもよく使われています。

ハナミズキは4〜5月ごろに美しい花を咲かせます。

実は、花と思われている部分は花ではなく、中央にある小さな部分が本当の花。

ハナミズキはヤマボウシとよく似ているため、間違われることがあります。

ハナミズキとヤマボウシの違いを見分ける方法は、こちらの記事で解説しています。

ハナミズキは花の咲く春頃と、葉っぱが紅葉する秋頃の2回楽しめるのも魅力。

ハナミズキの紅葉

10月頃には実った赤い実を食べようと、たくさんの小鳥が訪れます。

ハナミズキの実
ハナミズキの実

実を食べた小鳥が様々な所へ飛んで行って糞をし、様々な場所でハナミズキは増えていきます。

赤い実は美味しそうに見えますが、ハナミズキの実は食べることができないので注意が必要です。

詳しくはこちらの記事に書いています。

ハナミズキの寿命は80年と言われています。

ハナミズキの育て方|購入から植え付けまで

ハナミズキの育て方|購入から植え付けまで

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入手方法と販売時期

ハナミズキの苗木の流通時期は10月〜3月頃です

ハナミズキの苗木は園芸店やホームセンター、インターネット通販で購入できます。

ハナミズキの苗木を選ぶ時は樹形が良く、幹がすっと伸びるしっかりした見た目の接ぎ木苗を選びましょう。

ハナミズキの花色は、白とピンクがあります。お好みに合わせえて選んでくださいね。

\白花はこちら/

\ピンクはこちら/

用土

ハナミズキは水はけと水持ちのよい土を好みます。

地植えの場合

他の植物が健康に育っている土であれば問題ありません

庭土の水はけが悪い場合は、植え付けの10日ほど前に庭土:腐葉土:堆肥=6:2:2を目安に良くす

き込みます。

庭土の状態によって腐葉土と堆肥の割合を、増減して調合してください。

堆肥にはもみ殻くん炭や牛糞、豚糞堆肥がおすすめです。

鉢植えの場合

ハナミズキを鉢植えにする場合は、市販の樹木用などの培養土を使います。

自分で配合する場合は赤玉土(小粒):腐葉土=7:3、または赤玉土(小粒):腐葉土:川砂=6:2:1を目安によく混ぜ合わせてください。

植え付け・植え替え

ハナミズキは一般的には地植えで育てます。

矮性品種でコンパクトなハナミズキの場合は、鉢植えでも大丈夫です。

ハナミズキの植え付けと植え替えの適期は12月〜3月頃、落葉の頃です。

植え付け時に花が咲いていても翌年は花は咲かず、数年経ってからまた花が咲き始めます。

地植えの場合

自然に生育していくと枝が横へ伸びていきます。

自然樹形を楽しむ場合は、広さのある場所を確保しましょう。

  • ハナミズキの根鉢よりひと回り大きな穴を掘り、苗を仮置きします。
  • 土を半分穴の中に戻し入れて、苗を整えて残りの土を戻します。
  • 根っこの隙間に土が入るよう、土の表面を割り箸などでつつきます。
  • 必要であれば用土を追加してください。
  • ハナミズキが根付いて新しい葉っぱが生えるまでは、支柱を立てて支えましょう。
  • 植え付け後はたっぷりお水をあげてください。

鉢植えの場合

ハナミズキを鉢で育てる場合は8号以上の大きさの鉢を使います。

鉢の底に鉢底ネット、その上に鉢底石などを入れて用土を半分ほど入れましょう。

ハナミズキの苗木を置いて残りの土を戻し入れます。

土は鉢の縁から3cm程度下になるようにしてください。

根っこの隙間などに土が入るよう、割り箸などで土の表面をつつきます。

必要であれば用土を足し、最後にたっぷりの水やりをしましょう。

植え替え

地植えの場合は植え替えは必要ありません。

鉢植えの場合は2年前後に1回を目安に、ひと回り大きな鉢に植え替えましょう。

ハナミズキの根鉢は長く伸びた根っこのみカットします。

日当たり・置き場所

ハナミズキは西日を避けた、ほどよい日当たりと風通しのよい場所で育てます。

日陰でも育ちますが花つきは悪くなります。

地植えの場合

地植えの場合は日当たりのよい場所がおすすめです。

西日など日が当たり続けると乾燥してしまい、葉っぱが落ちてしまうことがあります。

半日陰でも育ちますが、花つきが悪くなる場合があります。

あ鉢植えの場合

鉢植えの場合もほどよく日の当たる場所に置き、日の強さによって移動させてください。

ハナミズキの育て方|日々のお世話

ハナミズキの育て方|日々のお世話

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水やり

地植えの場合

地植えのハナミズキは根付いてからの水やりは不要で、自然に降る雨のみで大丈夫です。

植え付け後、ハナミズキの枝葉が勢いよく元気に伸び出した頃が根付いた目安です。

しっかり根付くまでは土が乾いたら水やりをしてください。

鉢植えの場合

鉢植えのハナミズキは、土が乾燥したらたっぷりお水をあげましょう。

肥料

ハナミズキに肥料を与えるタイミングは以下の4回です。

  • 植え付け時の元肥
  • 開花後のお礼肥
  • 8月〜9月頃
  • 1月〜2月頃

肥料が足りなくなると花つきが悪くなったり、紅葉の色が悪くなることがあります。

庭植えの場合、他の植物が健康に育っていれば肥料がなくても毎年花を咲かせてくれます。

元肥

元肥には緩効性化学肥料、または油かすなどを使います。

庭植えの場合は植え付けの2週間くらい前に、直径50cm✕深さ50cmほど掘り起こし、元肥を入れてよく耕します。

鉢植えの場合は植え付け時の土に元肥をよく混ぜ合わせて与えましょう。

お礼肥

庭植え鉢植えともに花の咲き終わった5月〜6月頃に緩効性化成肥料を与えます。

株周辺の土に混ぜ込みよくなじませてください。

8月〜9月頃

夏に与える肥料には花つきと実つきがよくなるように、リン酸の含まれる肥料を選んで与えます。

油かすなどの有機質肥料などが良いでしょう。

1月〜2月頃

ハナミズキの良く伸びた枝の先の真下付近に、堆肥や有機質肥料または緩効性化学肥料を土の中に埋め与えます。

剪定・切り戻し

ハナミズキの剪定は花の終わった5月頃と11月〜3月頃です。

ハナミズキの生育スピードはゆっくりで、ほったらかしても自然に整うのが魅力です。

必ずしも剪定が必要というわけではないので、ハナミズキの状態をみて剪定してください。

内側に向かって伸びる細い枝や株の根元から伸びるひこばえ、枝と枝が交差している部分は、早めにカットして取り除きましょう。

5月頃の剪定

ハナミズキの花が咲き終わった5月頃、混み合う枝の透かし剪定をして風通しを良くします。

5月以降も気になる枝が出てきた時は、7月頃までなら軽い剪定が可能です。

枯れた枝や細い枝などを、枝分かれした付け根でカットしましょう。

枝先につく花芽は次の年に開花するため、花芽がある枝を剪定しないよう注意してください。

心配な場合は剪定を11月〜3月頃まで待ってもよいでしょう。

11月〜3月頃の剪定

この時期はハナミズキの花芽が確認しやすくなるため、間違って花芽を剪定する心配が少ないです。

ハナミズキを小さくしたい場合は、主幹を目的の高さで切り詰めましょう。

風通しを良くするための透かし剪定は、切りすぎたと思うくらい剪定して大丈夫です。

その他の剪定

前年に花がたくさん咲いた場合、花がつかないことがあります。

いつもよりたくさん咲いてるなと感じた場合は、摘蕾してつぼみの数を調整すると良いでしょう。

夏越し

ハナミズキは乾燥に弱く、葉っぱが落ちてしまうことがあります。

地植えではマルチングしたり、鉢植えでは置き場所と水やりに注意してください。

地植えの場合

真夏の炎天下で直射日光が当たってしまう場合は、乾燥から守る対策が必要です。

ハナミズキの株元にバークチップやワラを敷いて、土が乾燥しないようマルチングします。

日照りが続いて土が極端に乾燥する場合は、たっぷりのお水をあげましょう。

鉢植えの場合

鉢植えのハナミズキは日差しの強さによって、置き場所を移動させます。

明るい日陰やほどよく日の当たる室内、または午前中だけ日に当たる場所などが良いでしょう。

鉢植えは高温で乾燥するのが早いので、早朝と夕方以降の2回水やりをします。

猛暑の日中の水やりは、土の中で水がお湯になってしまい根っこが痛むので注意してください。

冬越し

ハナミズキは寒さには比較的強いため、冬越しで注意することは特にありません。

鉢植えのハナミズキは土が乾燥しにくいため、水やりの回数を減らし乾燥ぎみにしましょう。

冬のハナミズキは落葉して休眠しています。

病害虫

ハナミズキは以下の病害虫の被害に遭うことがあります。

  • うどんこ病
  • 紋羽病
  • コウモリガ
  • アメリカシロヒトリ
  • テッポウムシ

うどんこ病

うどんこ病はカビが原因の病気で、梅雨が明ける頃で風通しが悪い環境で発生します。

うどんこ病にかかると新芽や葉っぱに白い粉のようなものが現れます。

うどんこ病で枯れることはありませんが、葉っぱが落ちてしまいます。

うどんこ病になったら、うどんこ病に効果のある薬剤を使って感染拡大を防ぎましょう。

予防法は風通しを良くすることと、梅雨入り前に薬剤をまいておきます。

白紋羽病(しろもんぱびょう)

白紋羽病は土の中の菌が原因の病気で、根っこに白い糸のような菌が絡み腐らせます。

菌に侵されてボロボロになった根っこからは、菌は消えてしまいます。

ハナミズキの土壌環境の悪化が加湿になったり、土が固まると根っこから発生しやすくなります。

白紋羽病になると全ての葉っぱが縮れ、次第に枯れてしまいます。

白紋羽病が発生したらすぐに株ごと抜き取って、土ごと処分してください。

コウモリガ

4月〜7月頃からコウモリガの幼虫が幹の中に入り込み、トンネルのように食べてしまいます。

コウモリガの幼虫は幹を食べる前は雑草の中に隠れているので、雑草の除去が予防になります。

コウモリガの幼虫の被害が疑われる場合は、コウモリガに効果のある薬剤を使って駆除してください。

アメリカシロヒトリ

アメリカシロヒトリは白い蛾で、6月頃に孵化した毛虫が葉っぱを食べてしまいます。

6月〜9月頃に2回の発生時期があるため、毛虫だけでなく成虫も見つけたらすぐ駆除しましょう。

1回目が6月上旬~7月中旬、2回目は8月上旬~9月中旬です。

お天気により前後しますが、9月頃の発生の被害が深刻化します。

孵化した毛虫は枝の先に糸で巣を作って群れ、次第に離れて葉を食い荒らします。

成虫は夏に葉っぱに産卵します。

アメリカシロヒトリはサナギの状態で、落ち葉に隠れて冬越します。

サナギを見つけたら捕殺してください。

アメリカシロヒトリが発生したら、アメリカシロヒトリに効果のある薬剤を使って駆除しましょう。

テッポウムシ

テッポウムシはゴマダラカミキリの幼虫で、幹の中に入り込んで食い荒らします。

株の周辺におがくずに似たものがあれば、テッポウムシがいる可能性が高いです。

テッポウムシの発生が疑われる場合は、テッポウムシに効果のある薬剤を使って駆除してください。

ハナミズキの増やし方

ハナミズキの増やし方

ハナミズキは種の採取+種まきと接ぎ木、挿し木で増やすことができます。

ハナミズキの挿し木は発根率が低く、成長スピードが遅いと言われています。

ハナミズキを増やすなら種の採取から種まきし、2年ほど育ててから接ぎ木で増やすのがオススメです。

ただし花が咲くまでは数年かかるので、気長に待ちましょう。

種の採取+種まき

種の採取

ハナミズキの種は10月頃に実る赤い実の中から採取します。

水で綺麗に洗ってそのまま種まきします。

ハナミズキの種を保存する場合は、乾燥させないよう注意してください。

湿らせたキッチンペーパーなどでくるんで冷蔵庫に入れておきましょう。

種まき

種まきは10月頃に種を採取してすぐか、保存した種を3月〜4月頃に蒔きましょう。

育苗ポットなどに種まきし、土が乾燥しないよう水やりします。

発芽するまでは日陰で管理し、大きくなるごとにひと回り大きな鉢に植え替えてください。

種まきをしたハナミズキが花をつけるまで、6年~7年程度かかるので気長に待ちましょう。

接ぎ木

接ぎ木の適期は3月〜4月頃です。

台木には種から育てた2年〜3年ほどの若いハナミズキを使います。

接ぎ穂には増やしたいハナミズキの若い枝を、5cm〜10cm程度にカットして使いましょう。

台木のハナミズキの地上部分を根元を10cmほど残してカットします。

切り口を少し斜めに削り、削った場所から縦に切り込みを入れてください。

接ぎ穂の挿し込む方の切り口を斜めにカットしましょう。

台木の切り込みに挿し穂を差し込み、接ぎ木テープなどを使って固定してください。

保湿のため接ぎ木した部分に、いくつか穴をあけたビニール袋を被せて留めます。

直射日光と雨を避けて管理しましょう。

うまくいけば1週間〜2週間ほどで接ぎ穂から芽が出てきます。

挿し木

ハナミズキの挿し穂には6月〜7月頃にその年に伸びた新しい枝を使います。

剪定した枝を挿し穂にしても大丈夫です。

10cm程度にカットして、1時間ほど水を入れたコップに挿して水上げしてください。

挿し床に挿し木用培養土や赤玉土、腐葉土などを入れておきます。

水上げした挿し穂を挿し床に挿し、明るい日陰で管理しましょう。

1日1回を目安に水やりしてください。

ハナミズキの育て方でよくある質問

ハナミズキの花が咲きません。どうしたら咲きますか?

ハナミズキの花が咲かない理由は、以下のことが考えられます。

  • 木が若く充実していない
  • 去年たくさん咲いた
  • 日照不足
  • 肥料不足
  • 花芽を剪定してしまった
  • 寒すぎるところで育てている

ハナミズキの花が咲かない原因と対処法は、こちらの記事をご覧ください。

まとめ

ハナミズキの育て方を紹介しました。

春にはピンクの可愛いらしい花が咲き、夏は緑が美しく目を引きます。

秋は紅葉の彩りと鳥たちのにぎやかな声が聞こえ、冬は落葉しまた春を迎えます。

ハナミズキは1年を、その季節それぞれの魅力で楽しませてくれます。

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