パッとわかる!ネコノヒゲの育て方
- 寒さに弱いが、あたたかい屋内にうつせば冬越しできる
- 乾燥に弱いので夏場の水やりはしっかりと
- 株分けや挿し木で増やすことも可能
ネコノヒゲは、その名のとおり「猫のひげ」に似た形をしています。
小さな花から細くて長い雄しべと雌しべがピョンピョンとのびる姿は、まるでネコノヒゲそのもの。
暑さと病害虫に強く、ガーデニング初心者の方でも比較的育てやすいです。
この記事では、初夏から秋にかけてかわいらしい姿を見せてくれるネコノヒゲの育て方から増やし方まで、詳しくご紹介していきます。
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ネコノヒゲ(キャッツウィッカー)の詳細情報
植物名 | ネコノヒゲ |
別名 | キャッツウィッカー |
学名 | Orthosiphon aristatus |
英名 | Cat’s whiskers |
科名 | シソ科 |
属名 | オルトシフォン属 |
園芸分類 | 草花 |
形態 | 多年草 |
樹高 | 40~60cm |
原産地 | インド、マレー半島などの南アジア~東南アジア |
開花期 | 6~11月 |
花色 | 白色、薄紫色、淡桃色 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
ネコノヒゲは南アジア~東南アジア原産の多年草ですが、寒さに弱いため日本の気候では一年草として分類されることもあります。
英名のCat’s whiskers(キャッツウィスカー)やマレー語の別名クミスクチンは、どちらも和名と同じように「猫のひげ」という意味です。
日本では沖縄県で薬草として栽培されたのがはじまりで、今でもクミスクチン茶はグアバ茶・ウコン茶とならんで沖縄三大薬草茶とよばれています。
薬草として日本にきたネコノヒゲですが、かわいらしくユニークな見た目から観賞用としても親しまれるようになりました。
暑さにはとても強いですが乾燥に弱いので、夏場の水やりには注意が必要です。
屋内にうつすなどの対策をすれば日本でも冬越しができて、挿し木で増やすこともできます。
地植えでもプランターでも楽しめますし、株分けで好きなサイズに育てることも可能です。
ネコノヒゲ(キャッツウィッカー)の育て方|購入から植え付けまで
入手方法と販売時期
ネコノヒゲの苗は、春先に園芸店やホームセンターで手に入ります。
種はほとんど流通がないため、苗から育てます。
茎が太く、葉やつぼみが多くついていて色つやのよいものを選びましょう。
用土
ネコノヒゲは水はけのよい用土を好みます。
鉢植えの場合
草花用の培養土か、赤玉土と腐葉土を2:1でまぜたものを使います。
地植えの場合
腐葉土をまぜて水はけをよくします。
酸性土では育ちにくいので、石灰などでアルカリ性に調整しておきます。
植え付け・植え替え
ネコノヒゲは地植えでもプランターでも、4月頃の春先に植え付けをします。
植え付け後は十分な水やりが必要ですが完全に根づくまでは水はけがわるいので、土が乾燥したらたっぷりあげましょう。
鉢植えの場合
ネコノヒゲは生育が早いので、根づまりしないよう注意します。
根づまりすると水切れしやすくなってしまうので、成長しても余裕があるくらいのプランターを選びましょう。
もし鉢底から根が出てくるくらい育ってしまったら、すぐに一回り大きいプランターに植え替えます。
地植えの場合
日当たりのよい環境を好むので、春から秋まで日なたになるような場所えらびが必要です。
日当たり・置き場所
ネコノヒゲは、南向き〜東向きの日当たりのよい場所に置いてください。
ネコノヒゲは寒さに弱く、冬越しするには10℃以上の環境が必要です。
鉢植えなら、秋に気温が下がったら室内の日当たりのよい場所に移動します。
日の長さに関係なく、温室など高温を保てる環境であれば1年中花を咲かせてくれます。
ネコノヒゲ(キャッツウィッカー)の育て方|日々のお世話
水やり
ネコノヒゲは高温を好みますが、乾燥は苦手です。
水切れすると生育がわるくなってしまうので、特に夏場の水やりには注意しましょう。
過湿状態になると根腐れをおこすため、土が乾いたらたっぷり水やりをします。
地植えの場合、根付いてからは雨にまかせます。
雨の降らない日がつづいて乾燥するようであれば、しっかり水やりをしましょう。
もし水枯れしてしまった場合、すぐにたっぷり水やりをすれば復活できる強い植物です。
うっかり水切れさせて元気がなくなってしまっても、あきらめずにお水をあげてくみてださい。
肥料
ネコノヒゲの生育期である春から秋にかけては、肥料を切らさないよう追肥が必要です。
鉢植えの場合
植え付け時に元肥として緩効性肥料をまぜこみ、そのあとは月1~2回のペースで緩効性肥料を追肥します。
市販の培養土をつかう場合は元肥は必要ありませんので、追肥だけしましょう。
地植えの場合
植え付け時に有機質肥料をまぜこみ、追肥として緩効性肥料を株まわりにあげます。
剪定・切り戻し
ネコノヒゲは剪定することで次の花を咲かせやすくなります。
一番上の花が咲ききったら、すぐ下の花芽を残すようにして切りおとします。
新しい花芽に栄養がいくことで、次の花もどんどん咲かせてくれます。
好みのサイズで育てたいときは株分けもできますので、春頃におこなうようにしましょう。
夏越し
ネコノヒゲは初夏から晩秋まで花を咲かせ続けます。
暑い時期は乾燥しないよう、注意して水やりをしましょう。
冬越し
ネコノヒゲは寒さに弱く、気温が10℃以下になると枯れてしまいます。
冬越しする場合は、寒くなる前に室内のあたたかく日当たりのよい場所に移動しましょう。
病害虫
ネコノヒゲは病害虫の心配が基本的にありませんので、育てやすいです。
ネコノヒゲ(キャッツウィッカー)の増やし方
ネコノヒゲの種は流通がほとんどないほど採取が困難ですが、挿し木で増やすことができます。
6月頃または9月頃に、花芽のついていない茎を10~15cmくらい切り取ります。
切り口は斜めにしてあげると、水分や栄養を吸い上げやすくなります。
花芽に栄養が行ってしまうのを防ぐため、もし花芽がついていたら取りのぞきましょう。
水に挿す場合
水につかる下の部分の葉を取りのぞき、植物活力剤をうすめた水に挿すだけです。
室温10℃以上の室内においておくと根が出ますので、そのまま冬越しします。
水が汚れる前に水替えをして、春になったら土に植えましょう。
土に挿す場合
茎を切ったら一旦水に挿して水揚げしましょう。
挿し芽用土を入れたポットなどに挿したら、植物活力剤を入れた水で水やりします。
室温10℃以上の屋内でにおき、春になったら植え替えをします。
まとめ
病害虫の心配もなく、夏場の乾燥に気をつければ育ってくれるネコノヒゲ。
上向きにぴょんぴょんと生える猫のひげのようなかわいらしい姿で楽しませてくれます。
ネコノヒゲの育て方から増やし方まで、ぜひ参考にして挑戦してみてくださいね。