家庭菜園やベランダガーデニングで人気の「ブルーベリー」。
果実の美味しさはもちろん、春の花や秋の紅葉も楽しめる魅力たっぷりの果樹です。
この記事では、初心者でも育てやすいブルーベリーの育て方について、基本から丁寧に解説します。
ブルーベリーの詳細情報
ブルーベリーは、ツツジ科スノキ属の低木果樹。
果実は甘酸っぱく、ジャムやスムージー、冷凍保存などにも便利です。
春に白やピンクの小さな花が咲き、夏に実が熟し、秋には紅葉するので、1年を通して変化が楽しめます。
ブルーベリーの系統と品種の選び方
ブルーベリーには主に「ノーザンハイブッシュ系」「サザンハイブッシュ系」「ラビットアイ系」の3つの系統があり、それぞれに向いている地域や性質が異なります。お住まいの地域や育てる環境に合わせて選ぶことが、育てやすさと収穫の安定につながります。
ノーザンハイブッシュ系
寒冷地向けで、冬の寒さにしっかり当たる地域に適しています。果実は大きく、甘みと酸味のバランスが良く風味豊か。−20℃近くまで耐える耐寒性があり、東北や北海道でも栽培可能です。
ただし暑さにはやや弱く、暖地では夏に生育が落ちることも。根が浅く乾燥にも注意が必要なので、土壌の管理と水やりを丁寧に行いましょう。
サザンハイブッシュ系
ノーザンハイブッシュ系に暖地性の品種をかけ合わせて生まれた系統で、関東以南の温暖な地域に向いています。果実はノーザン系に似て大きく、風味も良好。
耐寒性は−5℃程度とやや弱いですが、耐暑性に優れており、暖かい地域で育てるならこちらがおすすめです。根が浅く乾燥にやや弱いため、鉢植えでは特に水切れに注意しましょう。
ラビットアイ系
熟す前に赤く色づくことから、ウサギの目になぞらえて「ラビットアイ」と付けられました。
暖地向けの代表的な系統で、西日本や冬の寒さがあまり厳しくない地域に適しています。果実はやや小さめですが、甘みが強く、収穫量が多いのが魅力。
耐暑性・耐乾性ともに高く、丈夫で育てやすいため、家庭菜園初心者にもぴったり。
ただし自家受粉が難しく、異なる品種を2株以上一緒に育てることで実つきが良くなります。

関東在住のわが家で育てているのはラビットアイです。
ブルーベリーの育て方|購入から植え付けまで
入手方法と販売時期
ブルーベリーの苗木は園芸店やホームセンター、ネット通販などで購入可能です。
一年中販売されているのを見かけますが、植えつけに適しているのは春と秋です。
初心者は、すでに1〜2年育ったポット苗を選ぶと失敗しにくく、翌年には収穫も期待できます。
ブルーベリーは自家不結実性のものが多いため、異なる品種を2株以上用意するのがポイントです。
用土
ブルーベリーは酸性の土壌を好むため、専用の培養土を使うのが失敗が少ないです。
市販の「ブルーベリー用培養土」は酸度が調整されており、水はけと保水性のバランスも良好です。
地植えの場合は、ピートモスをベースに堆肥や腐葉土を加えてよく混ぜ込み、酸性に整えておきます。
日当たり・置き場所
日光を好む植物なので、1日を通してよく日が当たる場所を選びましょう。
半日陰でも育ちますが、実つきを良くするには日当たりの良い場所がベストです。
鉢植えの場合は、風通しがよく、雨が当たりにくい場所に置くと病気の予防にもなります。
植え付け
植えつけは、根鉢を軽く崩してから用土に植え込み、しっかりと水を与えます。
鉢植えの場合は、深めの鉢を使いましょう。
ブルーベリーの育て方|日々のお世話
水やり
ブルーベリー栽培の肝は水やりです。
ブルーベリーは乾燥に弱く、特に鉢植えでは水切れしやすいので注意が必要です。
表土が乾いたらたっぷりと水を与え、夏場は朝夕2回の水やりが必要になることもあります。
水切れが続くと実つきが悪くなるだけでなく、株が弱ってしまいます。
かと言って、常に湿った状態も苦手です。
水をやりすぎて根腐れを起こさないよう、水はけ良くするのがポイント。
お庭の水はけが悪いなら、鉢植えで育てるほうが無難です。
肥料
春の芽出し前と収穫後に肥料を与えるのが基本です。
緩効性肥料を使うのが簡単です。
鉢植えの場合は、2ヶ月に1回程度の追肥でもOK。肥料の与えすぎは枝葉ばかりが茂って実がつきにくくなるので、適量を守ることが大切です。
剪定
ブルーベリーの若い苗木は、初期のうちは果実をつけすぎないように管理することも大切です。
花芽が多すぎる場合は一部摘み取り、株の負担を軽くしてあげましょう。
また、枝が混み合ってきた場合は、不要な枝を剪定して風通しをよく保ちます。
病害虫
ブルーベリーは比較的病害虫に強い植物ですが、梅雨時期は灰色かび病などが発生することもあります。
風通しと水はけを確保し、葉が込み合いすぎないよう剪定することが予防につながります。
また、ハマキムシやアブラムシなどが発生することもあるため、見つけ次第早めに対処しましょう。
無農薬で育てたい場合は、被害のある葉を取り除くだけでも効果があります。
まとめ
ブルーベリーは、果実の収穫だけでなく、花や紅葉など季節の変化を楽しめる果樹です。
土づくりや水やりなど、育て方のポイントを押さえれば、初心者でも十分に育てることができます。