パッとわかる!バコパ(ステラ)の育て方
- バコパは日当たりと風通しを好み、乾燥と蒸れを嫌います。
- バコパは日本の夏に弱く枯れやすいため、一年草として育てることが多いです。
- 咲き終わった花がらをこまめに取り除くと、バコパの花を長く楽しめます。
バコパ(ステラ)は白やピンク色の花が咲く、愛らしい植物です。
控えめで主張しすぎないので、寄植えでは欠かせない存在です。
本来は多年草ですが、高温多湿にも寒さにも弱いので一年草として育てます。
この記事では、バコパ(ステラ)の育て方について、ガーデニング初心者の方でもわかりやすく解説しました。
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バコパ(ステラ)の詳細情報
植物名 | バコパ(ステラ) |
学名 | Chaenostoma cordatum |
英名 | Sutera(Bacopa) |
科名 | ゴマノハグサ科 |
属名 | ステラ属 |
園芸分類 | 草花 |
形態 | 非耐寒性多年草(一年草扱い) |
樹高 | 10cm〜30cm程度 |
原産地 | 南アフリカ |
開花期 | 3月〜7月頃、9月〜11月頃 |
花色 | 白、ピンク、淡い紫など |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | やや弱い |
バコパ(ステラ)は南アフリカ原産の多年草で、高温多湿が苦手です。
バコパは非耐寒性多年草ですが、日本の高温多湿に弱く夏越しが難しいため、一年草として育てます。
寒さにも弱いので冬は寒さ対策も必要です。
一般的なバコパの耐寒温度は、0℃。何も対策しないと、冬に枯れてしまいます。
ただし、PWの「ステラスノーストーム」という品種は、耐寒温度が-5℃なので、関東以西なら冬越しすることができます。
花が咲く時期は3月〜7月頃と9月〜11月頃で、白やピンクの他淡い紫など優しい色が特徴です。
バコパは地面を這うように広がっていくので、グランドカバーにも利用されます。
バコパを植えてはいけないと言われることがありますが、植えても問題のない植物です。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
バコパ(ステラ)の育て方|購入から植え付けまで
入手方法と販売時期
バコパ(ステラ)の種はあまり流通していないため、苗から育てます。
バコパの苗は園芸店やホームセンター、インターネット通販で購入できます。
流通時期は3月頃〜10月頃ですが、その他の時期も地域によっては流通しています。
バコパの苗を選ぶ時は、葉の色の綺麗なもの、つぼみがついているもの、茎がよく伸び根元がしっかりしたものを選びましょう。
\一般的な品種/
\耐寒性の強い品種/
用土
バコパ(ステラ)は水はけのよい土を好みます。
庭植えの場合
バコパを植え付ける2週間ほど前に庭土を掘り起こし、庭土:腐葉土=7:3を目安によく混ぜ合わせます。
鉢植えの場合
バコパを鉢で育てる場合は、市販の草花用培養土を使うのがオススメです。
自分で配合する場合は、赤玉土(小粒):腐葉土:ピートモス=5:3:1を目安によく混ぜ合わせましょう。
植え付け・植え替え
植え付け
バコパを初めて育てる場合は置き場所に注意が必要なため、鉢植えで育てるのがおすすめです。
バコパ(ステラ)の植え付け適期は3月~5月頃と9月~10月頃で、天気の良い暖かな日に行いましょう。
バコパの苗を2つ以上植える場合は、株間20cm程度あけて植え付けます。
バコパの根鉢は軽くほぐし、広げるように植え付けましょう。
植え替え
庭植えの場合
庭植えのバコパは植え替えの必要はありません。
鉢植えの場合
鉢植えのバコパの夏越しと冬越しが成功したら、3月〜5月頃か9月〜10月頃に植え替えましょう。
植え替えの前には水やりを控えて、土を乾燥させた状態で行います。
鉢から苗を抜き取り根鉢をほぐしながら、根鉢のサイズを半分以下に小さくします。
大きく育てる場合は根鉢は軽くほぐす程度で、一回り以上大きな鉢に植え替えます。
大きくしない場合は、元の鉢に植え直しましょう。
日当たり・置き場所
バコパ(ステラ)は日当たりと風通しのよい環境を好みます。
バコパは枝が垂れてくると風が通らず蒸れてしまうため、高さのある場所で育ててください。
庭に植える場合は西日の当たらない場所を確保し、庭植え鉢植えともに、雨のしのげる場所を選びましょう。
鉢植えのバコパは季節によって置き場所を変えてあげます。
春と秋は日当たりのよい場所に置き、夏は木漏れ日程度の明るい日陰に、冬は暖かい室内や日の当たる軒下などに置きましょう。
季節 | 鉢を置く場所 |
---|---|
春 | 日当たりのよい場所 |
夏 | 明るい日陰 西日に当てない |
秋 | 日当たりのよい場所 |
冬 | 暖かい室内 日当たりのよい軒下 |
バコパ(ステラ)の育て方|日々のお世話
水やり
バコパ(ステラ)は乾燥と蒸れが苦手です。
水をあげる時はバコパが蒸れるのを防ぐために、葉茎に水がかからないよう注意してください。
庭植えの場合はよほど乾燥しない限り、自然に降る雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は土の表面が乾燥してから、たっぷりお水をあげましょう。
土の湿った状態が続くと根腐れしてしまうので、土の表面が白っぽくなってきたタイミングがポイントです。
また葉茎がしおれて元気がない場合も水をたっぷりあげてください。
肥料
バコパ(ステラ)は庭植え鉢植えともに、植え付け時の元肥を与えます。
元肥にはリン酸が含まれる緩効性化成肥料を土によく混ぜ込みます。
庭植えの追肥
庭植えのバコパは追肥は必要ありませんが、元気がなければ液体肥料を与えて様子をみます。
鉢植えの追肥
鉢植えのバコパは3月〜11月の間に追肥をします。
2ヶ月に1回を目安に緩効性化成肥料を株の周りに置き与えます。
または10日に1回を目安に液体肥料を与えましょう。
バコパの開花期間は開花を促す働きのある液体肥料に切り替えても良いでしょう。
ただし肥料が多すぎると花付きが悪くなることがあるので、花が咲かず元気がない場合は肥料を中止してみてください。
剪定・切り戻し
バコパ(ステラ)は摘芯と花がら摘み、切り戻しの作業を行いましょう。
摘心
バコパの若い苗は茎の先をカットすると、枝がよく分かれてボリュームがでて、花数も増えていきます。
バコパの丈が10cm前後になった頃が目安です。
花がら摘み
バコパの花は咲き終わった花がらを取り除くことで、どんどん開花していきます。
取り除く時はバコパの茎が折れないように注意してください。
花がらはそのままにしておくと株が種を作るためにエネルギーを消耗し、花が咲かなくなります。
また花がらをそのままにすることで株が蒸れ、病害虫の被害に遭いやすいので、花がら摘みはこまめに行いましょう。
切り戻し
バコパの切り戻しは風通しと群れを防ぐ意味があり、夏の間バコパに風が吹き抜け高温多湿に負けない環境を作ります。
切り戻しの適期は6月〜9月頃です。
バコパがよく伸びてよく茂ってきたら、草丈の半分程度にカットします。
短くしすぎると枯れることがあるので、短くしても草丈⅓より小さくしないよう注意してください。
夏越し
バコパ(ステラ)は高温多湿に弱く枯れてしまうので、風通しのよい環境を保ちましょう。
梅雨頃には切り戻しを行って風通しをよくし、咲き終わった花がらもこまめに取り除いてください。
お庭や花壇のバコパで多湿と照りつけがきつい場合の夏越しは、鉢に植え替えて明るい日陰に移すと良いでしょう。
鉢植えのバコパは真夏の強すぎる日差しを避け、涼しい半日陰に移動させます。
猛暑の間の水やりは早朝か夕方以降の涼しい時間に行います。
温度の高い日中に水を与えると、土の中の水が温まってお湯のようになり、バコパの根っこが弱るので水やりの時間は気をつけてください。
冬越し
バコパ(ステラ)は寒さにやや弱く耐寒温度0℃です。
(PWのステラスノーストームは、耐寒温度-5℃)
暖かい地域であれば庭植えでも冬越し可能ですが、寒い地域では霜に当たったり凍結しないよう対策が必要です。
寒さが厳しく土が凍ってしまう地域では、庭のバコパを掘り上げて鉢に植え替え、日差しの当たる暖かい室内などで管理しましょう。
冬の間の水やりは比較的暖かい午前中に行います。
午後以降の水やりは夜も土の中に水が残って凍結してしまい、根っこを痛めてしまうので注意してください。
霜に当たらないよう気をつけていれば、冬の間も次々と花を咲かせてくれます。
病害虫
バコパ(ステラ)は以下の病害虫の被害に遭うことがあります。
- 炭疽病
- アブラムシ
- コナジラミ
炭疽病
炭疽病はカビが原因の病気で、葉っぱや茎に丸い褐色の斑点ができて次第に葉っぱに穴があいて枯れていきます。
雨や水やりのしずくに乗って他の植物にどんどん広がっていくのが特徴です。
炭疽病が疑われる場合は発病部分を取り除きごみ袋などに入れて処分してください。
発病部分を取り除いたら炭疽病に効果のある薬剤を使用し、感染拡大を防いでください。
風通しを良くすることが予防になるので、こまめに間引き剪定をして風通しを良くしましょう。
アブラムシ
アブラムシは2mmくらいの大きさの害虫で、葉っぱの裏に住み着いて植物の養分を吸い取ります。
3月頃〜11月頃で湿度が高い頃に発生しやすいため、株の風通しを良くして発生を防ぎましょう。
アブラムシはウイルスを運んで来ることもあるため、発見したらすぐに駆除してください。
アブラムシの数が少ない場合は水で牛乳を薄めたものを霧吹きで吹きかけて駆除します。
大量発生した場合はアブラムシに効果のある薬剤を使って駆除しましょう。
コナジラミ
コナジラミは1mmほどの白い羽のある小さな害虫です。
葉っぱの裏に住み着いて植物の養分を吸い取ります。
コナジラミはウイルスを運んできたり、排泄物にすす病が発生することがあります。
短い期間で卵〜幼虫〜成虫になるのですぐに増えて被害が広がってしまいます。
冬の寒い時期は雑草の中で冬を越し春に活動を始めるので、株の周りの雑草などはこまめに取り除いて清潔にしてください。
コナジラミを駆除する時はコナジラミに効果のある薬剤を使って駆除しましょう。
住み着いた葉っぱやコナジラミの排泄物の付着した葉っぱは、カットして取り除きます。
バコパ(ステラ)の増やし方
バコパ(ステラ)は種の採取と挿し木、株分けで増やすことができます。
種の採取
バコパは自家不和合性という特性があり、種を採取するためにはバコパを2種類以上栽培します。
バコパの種は咲き終わった花がらをそのままにしておくと採取出来ます。
種まき適期は3月〜5月頃で、発芽適温は20〜25℃くらいです。
- 育苗ポットに土を入れて小さなバコパの種をばら蒔きします。
- 種まき後の土は被せず、水を張った受け皿やトレーにポットを置いて底面給水で水やりします。
- 葉っぱが5枚くらいになったら庭や鉢に植え付けましょう。
挿し木
挿し木の適期は3月〜5月頃と9月〜10月頃です。
挿し穂には根元の固い茎を5cmほどにカットして使います。
茎の先を挿し穂にするとすぐにしおれてしまうので注意してください。
- カットした挿し穂は1時間ほど水上げします。
- あらかじめ湿らせた挿し木用土を挿し床に入れて、水上げした挿し穂を挿しましょう。
- バコパの根っこが出るまでは明るい日陰に置き、土が乾燥しないよう水やりします。
- 根っこがしっかり生えてきたら庭や鉢に植え付けましょう。
株分け
株分けの適期も挿し木と同じく3月~5月頃と9月~10月頃です。
バコパの苗は2年目以降は老化するので、株分けして株を更新していきます。
土から掘り起こした株に5芽前後を目安に、バランスよくつけて切り分けます。
ナイフを使って切る場合は使用前に消毒をしておきましょう。
切り分けた場所からナイフに付着した菌が入って枯れてしまうのを防ぎます。
切り分けた株は庭や鉢に植え付けて、たっぷり水やりしてください。
まとめ
バコパ(ステラ)の育て方を紹介しました。
バコパは高温多湿に弱く夏に枯れやすいですが、風通しに気をつければ夏越しできます。
冬も霜に当たらないよう注意すれば花の少ない冬もバコパの花を楽しめます。
控えめで愛らしくどんな植物とも相性ピッタリのバコパを、ぜひ取り入れてみてくださいね。