誰でも知っている植物・紫陽花。
実は別名が9つもあるって知っていましたか?
この記事では、
- 紫陽花の別名9つ
- 紫陽花の別名の由来
- 紫陽花の別名で俳句で使えるものは?
にまとめました!
紫陽花の別名とその由来。俳句で使えるものは?
「紫陽花(あじさい)」の名前の由来は、
- あづ(あぢ)=あつまる
- さあい=真(さ)藍(あい)=青いということ
「青い花が集まっている」という意味があります。
紫陽花は日本原産の花で、古くは万葉集にも歌われています。
俳句では、紫陽花の別名が用いられることも。
紫陽花の別名は、なんと9つもあります。
七変化(しちへんげ)
「七変化(しちへんげ)」は、花の色の変化から付けられた別名です。
紫陽花は、植えられている土によって色が変化します。
また、咲き始めから咲き終わりまで時間によっても色が変化します。
色の変化が、移り気で不道徳といわれ、紫陽花に人気がでなかった理由の1つと言われています。
今では、この色の移り変わりが魅力の1つですよね。
また、別名とは異なり、ヤマアジサイには七変化という品種もあります。
八仙花(はっせんか)
「八仙花(はっせんか)」の八仙とは、中国の8人の仙人のことです。
日本でいう七福神に似ています。
七変化と同じように、花の色を変える様子を8人の仙人に例えて付けられた中国での呼び名の1つです。
四片・四葩(よひら)
あじさいのガクが4枚あるところから、「四片・四葩(よひら)」と呼ばれました。
1株、1枝、1輪など、花にはたくさんの数え方があって、「片(ひら)」は花びらの数え方です。
昔の人は、ガクが花びらだと思っていたのかもしれませんね。
手鞠花(てまりばな)
「手毬花(てまりばな)」は、その名の通り手毬が由来。
花を丸く咲かせボールのように見える様子を、日本古来の遊具である手毬に例えています。
紫陽花といって思い出す花の形は、こちらが一般的ですね。
春〜初夏に、紫陽花によく似たオオデマリという花が咲きますが、こちらの別名も手毬花です。
オタクサ
紫陽花は、「オタクサ」とも呼ばれます。
ドイツ出身の医者・博物学者シーボルトが、長崎にやってきたときに愛した人の名前がお滝さんだったことに由来します。
2人は結婚して子どももいましたが、スパイ容疑でシーボルトが国外退去となり離ればなれになります。
シーボルトは、大好きだった紫陽花に「オタクサ」と名付けました。
シーボルトが欧州に持ち帰った紫陽花は、海外で人気を博し、品種改良が行われ、また日本に戻ってくることになります。
額花(がくばな・がくのはな)
「額花(がくばな・がくのはな)」は、日本原産であるガクアジサイの別名です。
手まり咲きは、紫陽花の花がボールのように丸くなる咲き方です。
ガク咲きは、ガク(装飾花)が本来の小さな花を中心にして額縁のように取り囲む咲き方です。
この他に、柏葉あじさいのように円錐形に咲くものもあります。
日本原産の紫陽花は、ガク咲きするからガクアジサイで、別名が額花と呼ばれたんですね。
本紫陽花(ほんあじさい)
「本紫陽花(ほんあじさい)」は、ガクアジサイとホンアジサイを区別するための別名です。
紫陽花を種類で分けたとき、手まり咲きするものをホンアジサイと呼びます。
今では、ホンアジサイが一般的だと思われていますが、実はガクアジサイが原種で、いわゆる普通の紫陽花はガクアジサイから栽培されたものになります。
ちなみに、ホンアジサイが西洋で品種改良されたものは、「西洋アジサイ」になります。
またぶりぐさ
室町時代前期の書物の中で書かれている呼び名です。
その当時は、紫陽花の葉をトイレットペーパー代わりに使っていたところからこの名が付けられたそうです。
止毛久佐(ともくさ・しもくさ)
またぶりぐさと同じように、トイレットペーパーとして使われていたため、一部の地域ではこのように呼んでいたそうです。
紫陽花を英語で言うと
紫陽花は、英語で「hydrangea」(ハイドレンジア)です。
「hydro-」は水、「ange」は器という意味の言葉です。
hydrangeaは、「水の器」という意味になります。
まとめ
いろんな呼び方があるということは、きっと、それだけ紫陽花が身近な花だったからなんだと思います。
雨の中咲いている紫陽花を見かけたら、是非、別名を思い出してくださいね。