ハゴロモジャスミンは、春になると小さな白い花をいっぱいに咲かせてくれる半常緑性の低木です。
ツル性の植物なので、フェンスに這わせれば花のカーテンを作ることができます。
また、ハゴロモジャスミンの花の香りは、ジャスミンティーなどでよく知られているジャスミン(マツリカ)の甘い香りによく似た香りです。
香りのある庭を作りたいならハゴロモジャスミンは要チェックしておきたい植物。
しかし、ハゴロモジャスミンは植えてはいけないと言われます。
結論を言えば、ハゴロモジャスミンは植えても問題ありません。
ただし、ハゴロモジャスミンを植えてはいけないと言われるのは樹勢が強く、巨大化してしまうから。
ハゴロモジャスミンはこまめにお手入れしないと、近所迷惑になってしまう可能性があるので注意が必要です。
この記事では、ハゴロモジャスミンを植えてはいけない理由と対処法をお伝えします。
ハゴロモジャスミンを植えてはいけない理由
ハゴロモジャスミンを植えてはいけない理由は、以下の5つ。
大きくなりすぎる
ハゴロモジャスミンを植えてはいけない理由の1つ目は、大きくなりすぎるから。
ハゴロモジャスミンは一般的な樹高は2mほどの低木に分類されるものの、とても生育旺盛で、春から秋にかけての生育期間中はどんどんツルを伸ばして大きくなります。
ハゴロモジャスミンは花が咲き終わったタイミングで剪定を行いますが、剪定後も勢いよくツルを伸ばします。
さらに、ハゴロモジャスミンが大きくなる要因は上に伸びるツルだけではありません。
ハゴロモジャスミンのツルは、地面に着くと根を出します。
根付いた場所から、複数のツルを伸ばして新しい株ができるので、手入れを怠ると全体的に大きくなってしまいます。
ハゴロモジャスミンはツルが絡みつく場所があれば壁も這い上がることが可能です。
そのため、植える場所によってはフェンスや建物そのものを覆ってしまったり、日差しを遮ってしまう危険性もあります。
こまめな剪定ができないと巨大化するため、放っておいても管理しやすい植物がよい場合は、ハゴロモジャスミンを植えない方が無難です。
香りが強すぎる
ハゴロモジャスミンを植えてはいけない理由の2つ目は、香りが強すぎるから。
ジャスミン(マツリカ)の香りによく似ていると言われるハゴロモジャスミンですが、花の香りはジャスミンよりもハゴロモジャスミンの方が強いです。
まだ苗が小さかったり、鉢植えやプランターで育てているうちはハゴロモジャスミンの香りが心地よいものに感じられていても、大きくなると香りが強すぎて困る場合があります。
ハゴロモジャスミンの香りが好きで植えた人でも、株が大きくなり花数が増えると、気分が悪くなるほど香りが強くなってしまって手放したというケースもあるほどです。
遠く離れていてもわかるほどのハゴロモジャスミンの強い香りが原因で、ご近所トラブルになることも考えられます。
毒性があると言われる
ハゴロモジャスミンを植えてはいけない理由の3つ目は、毒性があると言われるから。
しかし、ハゴロモジャスミンに毒性があるのは誤解です。
毒性があると勘違いされるのは、同じジャスミンという名前がついた「カロライナジャスミン」や「マダガスカルジャスミン」に強い毒性があるためです。
名前が似ているために混同しやすいですが、花が黄色いカロライナジャスミンはゲルセミウム科、花色も同じで見た目も似ているマダガスカルジャスミンはキョウチクトウ科。
モクセイ科であるハゴロモジャスミンは、カロライナジャスミンやマダガスカルジャスミンとは違う分類の植物であり、毒性もありません。
子どもやペットがいる家庭でも安心して植えられます。
他の植物の生育を阻害する
ハゴロモジャスミンを植えてはいけない理由の4つ目は、他の植物の生育を阻害すること。
ハゴロモジャスミンは、鉢植えで育てると根詰まりしやすい、根張りの強い植物です。
近くに他の植物を植えている場合、ハゴロモジャスミンが養分を奪ってしまう可能性があります。
更に、ハゴロモジャスミンのツルが他の植物に絡んで弱らせてしまったり、日光を遮って生育を阻害してしまうこともあります。
木質化する
ハゴロモジャスミンを植えてはいけない理由の5つ目は、木質化すること。
株が若いうちは、ツルも柔らかいハゴロモジャスミンですが、年数が経つにつれて木質化していきます。
ハゴロモジャスミンの木質化は剪定で進行を遅らせることができますが、防ぐことはできません。
木質化した部分から新芽を出すこともありますが、花が咲きにくくなります。
また、ツルが固くなると剪定や仕立て直しがしにくくなるデメリットもあります。
きれいな見た目を維持するためには、剪定や株の更新が必要です。
ハゴロモジャスミンを植えるときの対処法
ハゴロモジャスミンを植えるときの対処法は、以下の3つ。
剪定をする
ハゴロモジャスミンを植えるときの対処法の1つ目は、剪定をすること。
ハゴロモジャスミンは巨大化を防ぎ、木質化の進行をなるべく遅らせるために、剪定が必要です。
剪定をすれば風通しがよくなり、ハダニやアブラムシ対策にもなります。
ハゴロモジャスミンは新しく伸びた枝に花芽をつけるため、4月~5月の開花が終わってからなるべく早くに剪定を行います。
ハゴロモジャスミンは生命力が強いので、花後であれば強剪定しても問題ありません。
枝が伸びすぎている場合、花後の剪定で少し短めに切ることを意識して、枝先から3分の2~半分ぐらいまでを切り落とします。
ハゴロモジャスミンを大きくしたくない場合、1度の剪定だけでは足りない場合があります。
花後の剪定~9月ごろまでは伸びすぎたツルや、混み合った部分を定期的に切り戻してください。
ハゴロモジャスミンの間引き剪定は、丈夫な太い枝は残して、横から伸びた細いツルを切り落とすとよいです。
花芽ができる9月以降は剪定をしないように注意しましょう。
ツルを地面につけない
ハゴロモジャスミンを植えるときの対処法の2つ目は、ツルを地面につけないこと。
ハゴロモジャスミンのツルが土につくと新しい株ができてしまうので、ハゴロモジャスミンを地植えにする場合は注意が必要です。
ハゴロモジャスミンを植えた場所の周りを防草シートで覆ったり、地に着くツルは切り落とすか、支柱などに絡めて対処しましょう。
植える場所に注意する
ハゴロモジャスミンを植えるときの対処法の3つ目は、植える場所に注意すること。
ハゴロモジャスミンは日当たりがよい場所を好みますが、近くの植物や建物に注意して植えなければいけません。
剪定で整えることができるものの、ツルが近くの建物や他の植物に巻き付くので、ツルが絡まないようにある程度の距離をとっておくと安心です。
隣のお家との境目などに植える場合は、ツルが近所迷惑にならないように気をつけてください。
ハゴロモジャスミンを大きく育てる場合は、花の香りが近所迷惑になってしまうことを考えておく必要もあります。
まとめ
ハゴロモジャスミンはお庭に植えてもよい植物ですが、お手入れをきちんとしないと近隣に迷惑をかけてしまう可能性があります。
お手入れをしていても木質化が進むと、下部に花が咲かなくなって見た目が悪くなるので、植えっぱなしでも長年楽しめる植物がよい人には向きません。
とはいえ、成長スピードが早いため、フェンスやアーチなどに絡ませて手っ取り早くお庭のアクセントになる植物を飾りたい人にはおすすめです。
ぜひ、ハゴロモジャスミンを育ててみてくださいね。