ヒメツルニチニチソウはビンカ・ミノールとも呼ばれるつる性の多年草です。
斑入りの葉や黄金葉、八重咲きの品種など品種が豊富で、グランドカバーにも向いています。
ツルニチニチソウとよく似ていますが、ツルニチニチソウよりも花や葉がやや小ぶりでコンパクトに収まります。
ヒメツルニチニチソウは植えてはいけないと言われています。
結論を言えば、ヒメツルニチニチソウはお庭に植えてもよい植物。
ただし、植えっぱなしにすると増えすぎてしまう可能性があるため、管理に注意が必要です。
この記事では、ヒメツルニチニチソウを植えてはいけない理由と、対処法をお伝えします。
ヒメツルニチニチソウを植えてはいけない理由
ヒメツルニチニチソウを植えてはいけない理由は、以下の3つ。
増えすぎる
ヒメツルニチニチソウを植えてはいけない理由の1つ目は、増えすぎるから。
ヒメツルニチニチソウはツルニチニチソウと同じく、ツルを伸ばして広がる植物です。
ヒメツルニチニチソウが伸ばしたツルが地につくと、そこから根をだして新しい株を作ります。
そのため、グランドカバーにしやすいですが、地植えにすると増えすぎてしまうデメリットがあります。
ツルニチニチソウと間違える
ヒメツルニチニチソウを植えてはいけない理由の2つ目は、ツルニチニチソウと間違えるから。
ヒメツルニチニチソウと似ているツルニチニチソウは、繁殖力が強いため環境省・農林水産省に重点対策外来種として指定されています。
ヒメツルニチニチソウも同じように重点対策外来種だと考えられ、植えてはいけないと言われている可能性があります。
しかし、ヒメツルニチニチソウは生態系被害防止外来種リストに記載がありません。
ツルニチニチソウに比べれば、ヒメツルニチニチソウは成長スピードが緩やかで手入れの負担が少ないです。
ヒメツルニチニチソウを購入すれば安心ですが、ヒメツルニチニチソウとヒメツルニチニチソウは見た目の違いがわかりにくいです。
ヒメツルニチニチソウはビンカ・ミノール、ツルニチニチソウはビンカ・マジョールと呼ばれていて、名前も間違えやすいです。
間違えてツルニチニチソウを植えてしまうと、繁殖力の強さと除草の難しさに悩まされることになります。
ツルニチニチソウを植えてはいけないと言われる理由や対処法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
毒性がある
ヒメツルニチニチソウを植えてはいけない理由の3つ目は、毒性があるから。
ヒメツルニチニチソウは過去に記憶力や集中力の向上に効果がある健康食品として販売されていたことがあります。
しかし、ヒメツルニチニチソウは全草にアルカロイド系の成分が含まれていて作用が強いため、健康食品としての販売が規制されるようになりました。
参照元:2021年11月8日 令和3年度第2回医薬品の成分本質に関するワーキンググループ議事概要|厚生労働省
そのことから、ヒメツルニチニチソウの経口摂取は危険だと注意喚起されていますが、お庭に植えて観賞するだけなら問題ありません。
ただし、小さな子どもやペットがいる家庭は、誤飲しないように注意が必要です。
ヒメツルニチニチソウを植えるときの対処法
ヒメツルニチニチソウを植えるときの対処法は、以下の3つ。
剪定をする
ヒメツルニチニチソウを植えるときの対処法の1つ目は、剪定をすること。
ヒメツルニチニチソウはランナーを伸ばして増えていくので、定期的に剪定を行って増えすぎを予防しましょう。
増えすぎたヒメツルニチニチソウの剪定をするとき、茎の途中で切ると分枝して増えてしまうため、つるを株元から切り落とします。
また、斑入りのヒメツルニチニチソウは先祖返りする可能性があります。
先祖返りしたヒメツルニチニチソウは繁殖力が強く、放置すると斑入りの葉がなくなってしまうため、日頃の観察も大切です。
斑の入っていない緑葉をつけたつるが出た場合も、株元から切り落としてください。
購入時にチェックする
ヒメツルニチニチソウを植えるときの対処法の2つ目は、購入時に注意すること。
ヒメツルニチニチソウと間違えて、ツルニチニチソウを地植えしてしまわないように、苗の購入時にはヒメツルニチニチソウかどうかをきちんと確認しましょう。
ヒメツルニチニチソウとツルニチニチソウはひと目見ただけでは違いがわかりにくいため、品種ラベルを確認してからの購入が安心です。
ヒメツルニチニチソウ、またはビンカ・ミノールと書かれてあるものを選んでください。
ヒメツルニチニチソウは草丈が10cm~30cmほどで、花や葉も含めて全体的にヒメツルニチニチソウの方がコンパクトです。
ツルニチニチソウはガクに毛があり、ヒメツルニチニチソウはガクに毛がないので、ガクをチェックするとわかりやすいです。
植える場所に注意する
ヒメツルニチニチソウを植えるときの対処法の3つ目は、植える場所に注意すること。
ヒメツルニチニチソウは、伸びたつるが地につくと根を出します。
鉢植えで育てる場合、土の上に置いたままでつるが地面まで垂れてしまうと、必要のない場所に根付いて増えてしまいます。
つるが地面につく前に剪定をしたり、直接土の上に鉢植えを置かない工夫をしてください。
また、ヒメツルニチニチソウは踏みつけに強いため、人通りのある場所に植えても問題なく育てられますが、小さい子どもやペットがいる場合は誤飲しないようにしましょう。
ヒメツルニチニチソウの葉は、強い日差しに当たると傷んでしまいます。
特に斑入りの葉は葉焼けしやすいので、半日陰や日陰で育てたり、日差しの強い時期は日除けを施します。
まとめ
ヒメツルニチニチソウはつるで広がりますが、お手入れが追いつかなくなるほどの爆発的な繁殖力はないため、お庭に植えても大丈夫です。
ヒメツルニチニチソウは耐寒性がツルニチニチソウよりも強く、寒冷地や冬場も緑がほしいお庭におすすめ。
ヒメツルニチニチソウには花や葉の種類が豊富なので、品種違いを組み合わせて植える楽しみ方もできます。
病害虫も少ないため初心者でも育てやすいヒメツルニチニチソウを、ぜひ育ててみてくださいね。