スイートアリッサム(アリッサム)は香りのある小さな花を手毬のようにたくさん咲かせる植物。
アリッサムとして流通しているものの多くが、スイートアリッサムです。
この記事では、スイートアリッサムの育て方や管理のコツを詳しく解説しました。
スイートアリッサム(アリッサム)の詳細情報
植物名 | スイートアリッサム(アリッサム) |
学名 | スイートアリッサム:Lobularia maritima アリッサム:Alyssum montanum |
英名 | スイートアリッサム:Sweet alyssum アリッサム:Alyssum |
科名 | アブラナ科 |
属名 | スイートアリッサム:ニワナズナ属 アリッサム:アレチナズナ属 |
園芸分類 | 草花 |
形態 | スイートアリッサム:多年草(日本では一年草) アリッサム:多年草 |
草丈 | 10cm~15cm |
原産地 | 地中海沿岸 |
開花期 | 一年草:9月~5月 多年草:周年 |
花色 | スイートアリッサム:白、黄、ピンク、紫、複色など アリッサム:黄色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | スイートアリッサム:弱い アリッサム:強い |
アリッサムは、地中海沿岸生まれの冬の終わりから梅雨の前までの間、黄色の花を咲かせるアブラナ科アレチナズナ属の多年草です。
しかし、市場に多く流通しているアリッサムと呼ばれる植物はニワナズナ属であるスイートアリッサムであることが多いです。
アリッサムとして一括りにされていることが多いですが、本来アリッサムとスイートアリッサムは別の種類です。
花房の数が多く広がりやすいので、病害虫予防や形をキープするために花がら摘みや剪定などのお手入れが必要です。
とは言え、とても丈夫なので神経質にならなくても楽しめる花です。
高温多湿に弱いものの、寒さにはやや耐性があります。
霜や寒風にさえ気をつけていれば、春に植え付けた後の寒の戻りや秋口の急な冷え込みも心配しなくて大丈夫。
スイートアリッサムは、白、黄、ピンク、紫などさまざまな色があるのも魅力の1つ。
長く花を楽しめるのが魅力の植物です。
一株でも溢れるほどの花を咲かせてくれるので、花壇の隙間埋めや縁取りに使ったり、寄植えやハンギング仕立ても楽しめます。
スイートアリッサム(アリッサム)の育て方|購入から植え付けまで
入手方法と販売時期
アリッサムの苗は3月から5月、9月から11月に流通します。
ぐらつきのない丈夫な株を選びます。
寒さに弱いので、霜が降りやすい場所や寒冷地の場合は春に苗を育てる方が育成が簡単です。
用土
スイートアリッサムは多湿と酸性の土を嫌います。
水はけの良い草花用の培養土か、赤玉土小粒と腐葉土を7:3にして元肥を混ぜたものを使います。
アルカリ土壌にするために植え付けの2週間前に予め苦土石灰を混ぜ込んでおくと根も強く育ちます。
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植え付け・植え替え
アリッサムの植え付けは、3月から5月と9月から10月の間の梅雨や本格的な寒さが来る前に済ませます。
ポット苗の鉢への植え付けはまず二回り大きい鉢へ植え、根が張ってきたらもう一回り大きな鉢へ移します。
アリッサムは根をまっすぐ下に伸ばすので、植える鉢は深さのある鉢を選び、地植えやプランターで複数の株を植える時は株間を20cm程開けて植えます。
アリッサムは土の跳ね返りでかかる病気を防ぐため、深く植え込みすぎないようにします。
植え替えは花が終わった5月末ごろ、10月ごろを目処に行います。
鉢植えにしたアリッサムを翌年も楽しみたいなら、傷んだ根を取り除き一回り大きな鉢に移しましょう。
日当たり・置き場所
スイートアリッサムは、風通しと日当たりが良い場所に植えます。
鉢植えの場合はフラワースタンドの上に置くと風通りが良くなります。
夏場は軒下や半日陰に移し、暑さで株が傷むのを防ぎます。
スイートアリッサム(アリッサム)の育て方|日々のお世話
水やり
スイートアリッサムは、多湿による病気にかかりやすい花なので、水の与えすぎに注意しなくてはいけません。
鉢植えやプランターの場合は土の表面が乾いてからたっぷりと水を与えます。
地植えの場合は基本的に不要です。
肥料
スイートアリッサムは、植え付け時には元肥を混ぜ込みます。
スイートアリッサムは花をたくさん咲かせるので開花期間中は週に一度の液肥と、月に一度の緩効性化成肥料を与えます。
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花がら摘み・切り戻し
スイートアリッサムの花が終わった5月~6月の間、梅雨に入る前のよく晴れた朝のうちに草丈の半分から三分の一ほどまで切り戻します。
秋口は伸びすぎた部分を切り戻すと翌春に新芽が見られます。
夏越し
スイートアリッサムは、高温多湿を嫌い、夏越しが難しい植物です。
夏越しをしたいなら、花が終わる5月末頃に切り戻しを行い、風通しを良くして半日陰の涼しい場所で育てましょう。
近年では暑さに強いスーパーアリッサムと呼ばれるスイートアリッサムの改良品種が流通していますから、あらかじめ夏に強い品種を育てるのもおすすめです。
冬越し
スイートアリッサムは耐寒性のある植物ですが、霜や寒風には弱いです。
花が咲かなくなったり、最悪の場合枯れてしまうので敷きワラやビニールなどで霜よけを施します。
病害虫
スイートアリッサムは、苗立枯病や灰色かび病、菌核病などにかかりやすいです。
どれも株の風通しの悪さや湿度の高さが原因です。
剪定や花がら摘みをこまめに行い、株の密度が高くなりすぎないように気をつけていれば予防ができます。
害虫は、アブラムシやハダニ、コナガがつきやすいです。
市販のスプレーなどで対処し、肥料のやり過ぎには注意します。
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スイートアリッサム(アリッサム)の増やし方
スイートアリッサムはこぼれ種や挿し芽で簡単に増やせる植物です。
収穫した種は、9月から10月の間に、1箇所に3~5粒程をまき、バーミキュライトを薄く被せておきます。
株が大きくなるまで間引かず育てることで、こんもりとボリュームのある株に育てることができます。
挿し芽で増やす場合は5月から6月までの間、熱湯消毒した清潔なハサミで新芽の充実した部分を5cm程切り取り、1箇所に3本程挿して育てます。
発根剤を使うと早く育ち、病気にもかかりにくいです。
スイートアリッサムの育て方でよくある質問
スイートアリッサムの花が咲きません。
スイートアリッサムの花が咲かない原因は、以下の2つが考えられます。
- 真夏と真冬である(開花時期ではない)
- 肥料不足になっている
スイートアリッサムの花が咲かない理由と対処法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
スイートアリッサム(アリッサム)の育て方についてまとめました。
スイートアリッサムは、主役にも脇役にも使える植物。
秋から冬にかけて重宝しますので、ぜひ育ててみてくださいね。