よもぎは古くから薬草として親しまれている植物で、お餅やお団子、パンなどに練り込んでもおいしいです。
自分でよもぎを栽培していれば、きれいで新鮮なよもぎを摘み取って楽しむことができます。
しかし、よもぎはお庭に植えてはいけないと言われることがあります。
結論を言えば、よもぎはお庭に直接植えるのは避けたほうが良い植物です。
花粉症の人も注意が必要な植物のひとつです。
この記事では、よもぎを植えてはいけない理由と対処法を解説します。
よもぎを植えてはいけない理由
よもぎを植えてはいけない理由は以下の4つ。
繁殖力が高い
よもぎを植えてはいけない理由の1つ目は、繁殖力が高いこと。
よもぎは地下茎で広がり、種からも増える植物です。
成長も早いのであっという間に定着し、地下茎や種によって離れた場所からも芽を出します。
お庭に他の植物を植えていた場合、他の植物のスペースまで広がったり、生育を阻害してしまいます。
除草が大変
よもぎを植えてはいけない理由の2つ目は、除草が大変なこと。
広がってしまったよもぎを除草するのは簡単ではありません。
よもぎは地下茎にたくさん養分を貯めているので、地上部を刈り取るのは逆効果。
地下に控えている新しい芽が伸びて余計に増えてしまいます。
そのため、よもぎを完全に駆除するには地下部を掘り起こして根ごと取り除きます。
しかし、よもぎの地下茎はちぎれやすく、ちぎれて残った場所から根を伸ばして再び芽を出します。
広がってしまったよもぎを1度で完全に取り除くのは時間がかかり困難です。
花粉症の原因になる花粉がとぶ
よもぎを植えてはいけない理由の3つ目は、花粉症の原因になる花粉がとぶこと。
キク科のよもぎは、花粉症の原因になる植物のひとつです。
8月から10月ごろに咲いた花から飛散する花粉が、くしゃみや鼻水などの花粉症の症状を引き起こします。
よもぎ餅のような原料によもぎを使用した食べ物を食べても問題ない人でも、よもぎの花粉でアレルギー症状が出ることがあります。
植えているよもぎが増えると、より多くの花粉が風で飛散するので、今まで花粉症ではなかった人も花粉症の症状が出てしまう可能性があります。
近隣住民にも影響があるため、植える場合は近隣に迷惑がかからないような対策が必要です。
虫が寄ってくる
よもぎを植えてはいけない理由の4つ目は、虫が寄ってくること。
よもぎは、他の植物を育てる時に近くに置くことで、他の植物につく害虫の天敵である虫をおびき寄せるバンカープランツとなる植物です。
よもぎにはヨモギヒゲナガアブラムシやヨモギハムシといった虫が大量につきます。
よもぎについたアブラムシやハムシを目当てに、益虫であるテントウムシやアブラバチが寄ってきて、他の植物につく害虫も食べてくれるので薬剤を使わない病害虫対策として効果があります。
しかし、アブラムシが大発生するのは気分が良くないですよね。
よもぎを食用するために植えるのであれば、益虫を呼んでくれるとはいえ、虫が大量につくことはデメリットです。
よもぎを植える時の対処法
よもぎを安心して楽しむための対処法は以下の3つ。
鉢やプランターで育てる
よもぎを植える時の対処法の1つ目は、鉢やプランターで育てること。
よもぎの問題点は繁殖を防ぐことで解決できるものがほとんどです。
地植えにすると地下茎がどんどん広がり増え続けるため、鉢やプランターに植えて地下茎が広がり株が増えるのを制限します。
根詰まりしやすいため、年に1度、9月から10月ごろに植え替えの必要がありますが、広がったよもぎを駆除する苦労に比べれば負担が少ないです。
よもぎをバンカープランツとして利用したい場合も、よもぎを植えた鉢やプランターを近くに置いておく方法で効果が得られるので、必要以上に繁殖させないためにも地植えは避けましょう。
花を咲かせない
よもぎを植える時の対処法の2つ目は、花を咲かせないこと。
花粉症の原因になるよもぎの花粉の飛散を防ぐためには、花を咲かせないのが1番です。
8月以降、茎の先に花穂ができるので、花が咲く前に摘み取ります。
葉だけの状態であれば花粉が大量に飛散する心配はありません。
花を咲かせないことで種による繁殖の対策にもなります。
鉢やプランターで育てる程度であれば摘み取る花穂の量も少なくて済むので管理が楽です。
害虫対策をする
よもぎを植える時の対処法の3つ目は、害虫対策をすること。
よもぎを食用のために植えるのであれば、虫の発生の予防のために薬剤や木酢液を利用しましょう。
特によもぎにはアブラムシがつきやすく、放っておくと茎にびっしりとついてしまうので、植え付け時にオルトラン粒剤を施しておくと良いです。
よもぎを駆除するコツ
地植えで増えてしまったよもぎを駆除するコツは以下の2点。
根ごと取り除く
よもぎを駆除するコツの1つ目は、根ごと取り除くこと。
よもぎは地下茎で増えるので、地上部だけではなく根ごと取り除く必要があります。
よもぎの根は手で抜いてもちぎれてしまうので、土ごと掘り起こして根を取り除きます。
一度で全ての根を取り除くのは難しいため、芽が出なくなるまで何度も繰り返します。
除草作業をする時は、新しい芽を出すための地下部の栄養が貯まる前の7月から10月ごろの間に行うことで、新しい芽が反動で増える量を抑えることができます。
除草剤を撒く
よもぎを駆除するコツの2つ目は、除草剤を使うこと。
範囲が広く、薬剤を撒いても良い環境なら除草剤の散布が手っ取り早いです。
よもぎに効果のある除草剤を選びましょう。
除草剤を撒いてもよもぎが残ってしまうことがありますが、繰り返し散布すると残ったよもぎにも効果があります。
まとめ
よもぎは決して植えてはいけない植物ではないものの、お庭に直接植えるよりも鉢やプランターに植えた方が良い植物であることがわかりました。
近隣住民に迷惑をかけないためにもきちんと管理をした方が良い植物です。
しかし、収穫したよもぎは安心して食用できますし、乾燥して保存も可能です。
よもぎ茶やよもぎ風呂にも使えますから、対処法を参考に栽培をして楽しんでくださいね。