パッとわかる!ガザニアの育て方
- ガザニアの花は太陽の光に当たると開くので、日光の当たる日向で育てます。
- 乾燥ぎみの環境が大好きなので、庭植えなら水やりしなくて大丈夫!
- ちょっと放ったらかしにしたほうが、花がきれいに咲きます。
ガザニアはクンショウギクとも呼ばれる、勲章のように鮮やかでパワフルな花姿の植物です。
花びらはツヤツヤとしていて太陽の光が当たると美しく輝き、見ているとパワーをもらえるようです。
ガザニアは日光のある晴れた時に咲くため、晴れの日がとても楽しみになります。
この記事では、ガザニアの育て方について、ガーデニング初心者の方でもわかりやすく解説しました。
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ガザニアの詳細情報
植物名 | ガザニア |
学名 | Gazania rigens |
英名 | Gazania |
科名 | キク科 |
属名 | ガザニア属(クンショウギク属) |
園芸分類 | 草花 |
形態 | 多年草(一年草) |
樹高 | 15cm〜30cm程度 |
原産地 | 南アフリカ |
開花期 | 4月〜10月頃 |
花色 | 白、黄、オレンジ、ピンク、赤、黒、紫など |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
ガザニアは南アフリカの暑くて乾燥した地域が原産の多年草です。
寒さに弱く多くは日本の冬に枯れてしまうので一年草として育てます。
暑さに強いですが多湿が加わる環境は苦手で、日本の蒸し暑さで弱ってしまいます。
最近では「宿根ガザニア」という品種が生まれ、高温多湿と寒さに強く日本でも冬越しできるようになりました。
ガザニアの開花時期は4月〜10月頃で、日光が当たると花が咲きます。
夕方になって日光が減ってくると花が閉じてしまいます。
ガザニアの花は一重咲きと八重咲きがあり、花色も豊富です。
あまり手をかけずに多少ほったらかしの方がよく育ち、きれいな花を楽しめます。
ガザニアの育て方|購入から植え付けまで
入手方法と販売時期
ガザニアの種と苗は園芸店やホームセンター、インターネット通販などで購入できます。
種はいつでも購入できますが、苗は3月〜6月頃に購入できます。
春先に一番多く流通していて、5月を過ぎると少なくなります。
ガザニアの苗は一般的に夏以降ほとんど見当たらなくなりますが、暖かい地域では10月頃まで取り扱われることもあります。
ガザニアの苗を選ぶ時は、葉っぱがきれいで株の見た目がしっかりしているものを選びましょう。
用土
ガザニアは水はけと風通しのよい土で育てます。
庭植えの場合
掘り上げた庭土:腐葉土=7:3でよく混ぜ合わせます。
水はけをもう少し良くしたい場合は、川砂や軽石、パーライトや日向土を少しすき込みます。
鉢植えの場合
ガザニアを鉢で育てる場合は、市販の培養土:川砂=8:2を目安に混ぜ合わせて使います。
市販の培養土を使わない場合は、赤玉土(小粒):腐葉土:川砂=5:3:2をよく混ぜます。
川砂が無い場合は軽石やパーライト、日向土(小粒)でも大丈夫です。
植え付け・植え替え
ガザニアの種まきと植え付けは4月~5月頃と9月~11月頃が適期です。
種まき
一年草として育てるガザニアは、冬越しの無い春蒔きがオススメです。
発芽日数は7日前後、発芽適温は15℃〜25℃、生育温度は15℃〜25℃です。
- 育苗ポットにあらかじめ湿らせた種まき用土を入れて、種を一粒ずつ植え付けます。
- ガザニアの種は嫌光性種子のため、日光が当たらないよう土を被せます。
- 土が乾燥しないよう水やりをして、日陰で管理します。
- ガザニアの本葉が3枚くらいになったら、庭や鉢に植え付けましょう。
植え付け
ガザニアを植え付ける時は、株が蒸れないよう株元の根っこが埋まらないよう植え付けます。
2つ以上の苗を植え付ける時は、株間は20cm前後あけて植え付けましょう。
庭や花壇に植え付ける場合は、水はけと風通しの良い場所を選びます。
鉢に植え付ける場合はもともと植わっていたポットより、ひと回り以上大きな鉢に植え付けます。
植え替え
ガザニアを一年草として育てている場合は、植え替えの必要はありません。
ガザニアを多年草として育てている場合は、鉢植えであればひと回り大きな鉢に植え替え、庭や花壇のガザニアは特に必要ないでしょう。
ガザニアの根っこが鉢底から出てくるようになったら植え替えの時期です。
ガザニアを鉢から抜き出し、傷んだ根っこがあれば取り除き古い土を1/3程度落とします。
日当たり・置き場所
ガザニアは日当たりと風通しのよい場所を好みます。
日光に当たることで開花するので、日当たりの良さは必須です。
鉢植えのガザニアはベランダなどの日光のよく当たる場所がよく育ちます。
ガザニアの育て方|日々のお世話
水やり
ガザニアは乾燥ぎみの環境を好みます。
庭植えのガザニアは自然に降る雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は土がよく乾燥しているのを確認してから、たっぷり水やりをしましょう。
肥料
ガザニアへ肥料を与える時期は、植え付け時の元肥と追肥は4月〜7月頃と9月〜10月頃です。
元肥には緩効性化成肥料を、植え付けの土を作る時によく混ぜ合わせます。
追肥には緩効性化成肥料か液体肥料を与えます。
緩効性化成肥料は月1回株の周りに置肥し、液体肥料は10日に1回が目安です。
剪定・切り戻し
ガザニアは蒸れを防ぐための刈り込みと、花がら摘みを行います。
刈り込み
ガザニアは梅雨や真夏になると、多湿で蒸れて腐ったり枯れたりすることがあります。
蒸れを防ぐためにも隣り合う葉っぱはカットして、混んだ茎も間引くようにカットします。
多湿の時期は常に、茎葉にいつでも風が吹き通るくらい風通しをよくしておきましょう。
花がら摘み
摘みガザニアの咲き終わった花がらは、そのままにしておくと種になってしまいます。
ガザニアの開花時期は4月〜11月頃まであるので、開花を長く楽しみたい場合は花がらを摘みましょう。
ガザニアの花がらは茎の付け根をカットして取り除きます。
夏越し
ガザニアは暑さには強いですが多湿と強すぎる直射日光が苦手です。
庭や花壇のガザニアで直射日光が当たる場合は、日よけをするなどして守ってあげましょう。
ガザニアの茎や葉っぱは常に風通しがよくなるようこまめに剪定してください。
鉢植えの場合は木漏れ日程度の明るい日陰に移動させます。
長雨の場合は屋根のある場所に移動してあげましょう。
冬越し
ガザニアの耐寒温度は0℃、多年草のガザニアでは品種によりますが−5℃〜−10℃です。
ガザニアを一年草として育てる場合は、冬越しの必要はありません。
ガザニアを冬越しさせる場合は、霜に当たらないよう注意してください。
4℃で霜が降りるので霜が降りる前に、庭のガザニアの株元に腐葉土やワラなどでマルチングします。
寒い地域で庭植えのガザニアを冬越しさせる場合は、冬前に掘り上げて室内に移動させます。
鉢植えのガザニアも室内に移動させましょう。
病害虫
ガザニアは以下の病害虫の被害に遭うことがあります。
- 葉腐病
- うどんこ病
- アザミウマ
- ハマキムシ
- アブラムシ
葉腐病
葉腐病はカビが原因の病気で3月〜7月頃と9月〜11月頃、気温が15℃〜20℃くらいで雨が続いた後に発生しやすいです。
寒い地域の発生時期は5月〜9月頃、沖縄などの暖かい地域は11月〜4月頃です。
葉腐病に感染すると、植物の株元付近の葉っぱに黒っぽい斑点が現れ、葉っぱはねじれて次第に枯れてしまいます。
葉腐病に感染した葉っぱなどは、すぐに取り除きます。
うどんこ病
うどんこ病はカビが原因の病気で、感染すると葉っぱに白い斑点が現れ光合成ができなくなり、次第に全体に広がって枯れてしまいます。
うどんこ病の発生時期は4月〜7月頃と9月〜11月頃で気温25℃前後、湿度が50%〜80%で発生します。
うどんこ病に感染した葉っぱなどはすぐに取り除きましょう。
うどんこ病に感染していない健康な葉っぱなどには、水で薄めた重曹を霧吹きなどで吹きかけておくと予防になります。
アザミウマ(スリップス)
アザミウマの発生時期は5月〜11月頃で、「黄化えそ病」のウイルスを媒介することがあります。
アザミウマは1mm〜2mmほどの昆虫で、新芽や若い葉っぱや花から養分を吸い取ります。
アザミウマが吸汁した葉っぱなどは色がかすんだようになり、全体に広がると枯れてしまいます。
アザミウマはとても小さく駆除するのは難しいですが、アザミウマに効果のある薬剤を使用して駆除してください。
アザミウマは光が苦手なので銀色のテープなどを使って、アザミウマが近づかないよう対策しておきましょう。
ハマキムシ
ハマキムシはハマキガ科の蛾の幼虫で、2cmくらいの大きさをしている黄緑色のイモムシです。
発生時期は4月〜11月頃で、特に7月〜9月頃に活発になります。
成虫はサナギから羽化してすぐに産卵し、5日ほどで孵化し幼虫になります。
成虫は見た目が良くないだけで特に害はありませんが、幼虫は植物の光合成を妨げるので枯れてしまうなどの被害があります。
ハマキムシが住み着くと葉っぱがくるくる巻きになったり、葉っぱと葉っぱが綴られたようになります。
葉っぱのくるくる巻いている中に幼虫のハマキムシが潜んでいます。
くるくる巻きの葉っぱや綴られた葉っぱを見つけたら、すぐに葉っぱを取り除いてハマキムシを捕殺してください。
ハマキムシに効果のある薬剤もあるので、こちらを使用するのもオススメです。
アブラムシ
アブラムシは黄緑色や赤色の体で、大きさは2mm〜3mmくらいの害虫です。
発生時期は真夏を除く3月〜10月頃の雨の少ない晴れた環境で、風通しと日当たりが悪くなると発生しやすいです。
葉っぱや茎に住み着いて養分を吸い取ってしまい、植物の光合成を邪魔してしまいます。
アブラムシは水が苦手なので、重曹やお酢を水で薄めて吹きかけると窒息させる事ができます。
水やりの時には葉っぱの裏に葉水しておくと、アブラムシ発生の予防になります。
あまりにも大量に発生している場合は、アブラムシに効果のある薬剤を使用しましょう。
ガザニアの増やし方
ガザニアは株分けと挿し芽と種の採取で増やすことができ、適期は3月〜5月頃と9月~10月頃です。
八重咲きのガザニアは種ができない品種のため、挿し木で増やします。
秋に挿し木をする場合は冬の霜に気をつけ、春になってから庭や鉢に植え付けましょう。
株分け
1つの株に4個くらいの芽が付くように根元を手で分けます。
手では難しい場合はナイフなどを使いましょう。
挿し木
ガザニアの挿し木は土挿しと水挿しが可能です。
挿し穂には株の根元に近い茎で、茎の先5cm〜10cmくらいをカットしたものを使います。
土挿し
挿し穂の下⅓くらいの葉っぱは取り除き、1時間ほど水上げします。
挿し床に挿し木用土を湿らせて入れておき、水上げした挿し穂を土に挿します。
挿し木をしたら明るさのある日陰に置いて管理し、土が乾燥しないよう水やりをしましょう。
ガザニアの本葉が3枚〜5枚になったら庭や鉢に植え付けます。
水挿し
水を入れたコップなどに挿し穂を入れて明るさのある日陰で管理しましょう。
うまくいけば1週間前後で発根します。
暑い時期は毎日水を変え、寒い時期は3日に1回くらいでよいでしょう。
ガザニアの根っこがしっかり出てきたら、庭や鉢に植え付けます。
種の採取
ガザニアの種は咲き終わった花をそのままにしておくと種ができます。
花が枯れて茶色くなったら種を採取しますが、環境が合えばこぼれ種で増えることもあります。
ふわふわした綿毛の部分と黒くて細長い部分があり、黒い部分が種なのでふわふわの綿毛は取り除きます。
採取したガザニアの種はジッパーバッグなど、密閉できるものに入れて湿気から守り冷蔵庫などで保管しましょう。
まとめ
ガザニアの育て方を紹介しました。
ガザニアは花姿が暑い夏にピッタリな元気で美しい植物です。
ガザニアの苦手な多湿を上手く防いで、夏の青く美しい空に映えるガザニアの花を楽しみましょう。