パッとわかる!セイヨウニンジンボクの育て方
- 水はけのよい土を好み、肥料施しは年1回でOK
- 自然な樹形を保ってくれるので強剪定は不要
- 移植を嫌うので、植える場所や鉢を吟味して選ぶ
セイヨウニンジンボクは、涼しげな青色の花と細い葉を持ち、爽やかなお庭で大活躍してくれます。
花後にできる果実や枝葉に香りがあり、風味はコショウに似ています。
近年では、シンボルツリーとしてもハーブとしても利用されており人気があります。
この記事では、セイヨウニンジンボクの育て方と管理のコツをご紹介します。
動画でも解説しています。
セイヨウニンジンボクの詳細情報
植物名 | セイヨウニンジンボク |
別名 | チェストベリー |
学名 | Vitex agnus-castus |
英名 | Chaste Berry |
科名 | シソ科 |
属名 | ハマゴウ属 |
園芸分類 | 庭木・花木、ハーブ |
形態 | 低木 |
樹高 | 2~3m |
原産地 | 南ヨーロッパ、西アジア |
開花期 | 6月~9月 |
花色 | 青、薄紫、ピンク、白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
セイヨウニンジンボクは、生育旺盛で育てやすいシソ科の落葉低木です。
光沢のある細い葉を持ち、夏頃から薄紫色の小花を穂状に咲かせます。
葉は手のひらのように5~9枚広げ、その姿はチョウセンニンジンに似ているため「ニンジンボク」と名づけられています。
花が果実になると香りがつき、コショウの風味に似ています。
西洋ニンジンボクの実はハーブとして使われ、別名「チェストベリー」とも呼ばれています。
セイヨウニンジンボクは、植え付けるときに元肥をすき込めば基本的に追肥は不要です。
病害虫の被害はほとんどなく、土の表面が乾いたら水やりをするだけで大きく育ってくれます。
枝の数が少ないので自然で美しい樹形を保ち、剪定は乱れてきたらするだけでお手入れは簡単です。
セイヨウニンジンボクは、挿し木で増やすことができます。
セイヨウニンジンボクの育て方|購入から植え付けまで
入手方法と販売時期
セイヨウニンジンボクは、ポット苗や苗木で入手できます。
園芸店やネットで、5月下旬~7月上旬に多く出回ります。
主幹がしっかりとしていて、葉や芽が多くついているものを選ぶとよいです。
花色は基本種の薄紫色ですが、ほかにもピンクや白もあります。
セイヨウニンジンボクは3mほど大きくなるものもあれば、背丈の低いもの(矮性品種:わいせいひんしゅ)も流通しています。
用土
セイヨウニンジンボクは、土質は特に選びませんが水はけのよい土を好みます。
地植えにするなら、水はけが悪ければ、植え付け前に腐葉土や元肥をすき込んでおきます。
鉢植えにするならば、市販の培養土を使います。
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植え付け・植え替え
セイヨウニンジンボクの植え付けタイミングは、落葉期の2~3月または9~11月頃です。
植え替えについては、地植えと鉢植えともになるべくしない方がよいです。
セイヨウニンジンボクはあまり根が密に生えないため、移植が難しい植物です。
そのため、植える場所や植える鉢を吟味して選びましょう!
場合によっては必要であれば植え替えは、3~4月頃に作業しましょう。
植え替えの注意ポイントは、根を傷つけないこと、水はけのよい土を使用することです。
日当たり・置き場所
セイヨウニンジンボクは、日当たりのよい場所でも半日陰の場所でも育ちます。
セイヨウニンジンボクは旺盛に生長するので、地植えの場合は直径3mほどスペースを選ぶとよいです。
環境によっては、鉢植えの方がよいことがあります。
セイヨウニンジンボクの耐寒温度は-5℃程度なので、それ以上に寒い地域での地植えは難しいでしょう。
冬にはいつでも室内やベランダに取り込めるように、鉢植えにするのが吉です。
セイヨウニンジンボクの育て方|日々のお世話
水やり
鉢植えなら、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり水をあげます。
地植えなら、根付くまでの2週間ほどは水やりを行います。
根付いた後の水やりは必要ありませんが、暑い時期は水切れになりやすいです。
水切れを起こさないように、真夏や乾燥しやすい時期には注意してみてくださいね!
肥料
セイヨウニンジンボクを植え付ける際に、元肥をすき込んでおけば追肥は不要です。
株の元気がないときや更に大きくしたいときに、2~3月に緩効性肥料や油かすを用います。
剪定・切り戻し
セイヨウニンジンボクの剪定は、花後と落葉期の2~3月が適期です。
自然と樹形を保ちながら育ってくれるので、剪定しなくても問題なく育ちます。
しかし、剪定しないでいるとどんどん大きくなってしまうので、剪定するのが無難です。
1回目の剪定は、セイヨウニンジンボクの花が咲き終わった後。
花の下で切りましょう。
セイヨウニンジンボクは萌芽力の高い樹木なので、短めに剪定しても再び枝を伸ばしてくれます。
2回目の剪定は、冬の落葉機です。
株の内側に伸びる枝や上に伸びすぎた枝をカットしましょう。
もし西洋ニンジンボクの剪定に困ったら、プロに相談するのが安心です。
夏越し
セイヨウニンジンボクは、夏越しの作業はありません。
セイヨウニンジンボクは、他の植物に比べて開花期に多くの水を必要とします。
その時期に水やり不足になると枯れてしまうことがあります。
夏場での水切れを起こさないように、注意して水やりをするだけでOKです!
冬越し
セイヨウニンジンボクは、落葉した状態で冬越するので、特に必要な作業はありません。
冬を終え春になってもなかなか芽が出ない?と焦ってしまう人へ、安心してください!
セイヨウニンジンボクは他の落葉樹より遅めに芽吹くので焦らなくて大丈夫です。
病害虫
セイヨウニンジンボクは、病害虫による被害は特にありません。
日当たり・水はけ・風通しのよい場所であれば安心して育ってくれます。
ただ、花の匂いに誘われて「蜂」が訪花することがあります!
羽音にドキッとしてしましますが、蜂は、人間側が攻撃しなければ刺すことはありません。
多くの人は、とりあえず放っておくようにしているようです。
セイヨウニンジンボクの増やし方
セイヨウニンジンボクは、種まきと挿し木で増やせます。
種まき
種まきは、花後にできる果実に種があるので採種して春ごろに作業します。
剪定せずに放置しておくと、こぼれ種で生えてくることもあります。
種から発芽したら、ポットにあげて段々と鉢増ししていくと、大きく育てることができます。
挿し木
挿し木のタイミングは、前年伸びた枝を3月、その年に伸びた枝を9月に行います。
挿し木の用土を用意して、枝2~3節ほど切ってその土に挿して育てます。
挿し木は日陰に置き、乾燥させないように管理します。
一般的には、種まきより挿し木のほうが容易なので失敗しにくいといわれます。
まとめ
セイヨウニンジンボクは、夏の暑さを忘れるほどの花色と香りが魅力的です。
魅力的である割にはお手入れが比較的簡単なので、初心者でも楽しんで育てられます。
ぜひセイヨウニンジンボクを育ててみてくださいね!