まんまるのふわりとした姿が印象的なコキアは、とても丈夫で育てやすい植物です。
普段は緑のかわいい姿をしていますが、紅葉したコキアは美しい姿に変わります。
この記事では、コキアの育て方について、ガーデニング初心者の方でもわかりやすく解説しました。
コキアの詳細情報
植物名 | コキア |
別名 | ホウキグサ・ホウキギ |
学名 | Bassia scoparia |
英名 | Summer cypress、Mexican burningbush、Mexican fireweed、mock cypress |
科名 | アカザ科 |
属名 | バッシア属 |
園芸分類 | 草花 |
形態 | 一年草 |
樹高 | 50~100cm |
原産地 | ヨーロッパ、アジア |
開花期 | 9月頃 |
花色 | 薄い黄緑(目立たない) |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
コキアはヨーロッパやアジアの、乾燥して荒れた地域が原産といわれています。
暑さと乾燥に強く日当たりを好み、寒さと多湿には弱いです。
コキアの種は秋田県の特産品の「とんぶり」で、「畑のキャビア」と言われる珍味です。
コキアでほうきを作っていたことから今でも「ホウキギ」「ホウキソウ」と呼ばれます。
コキアには観賞用品種と食用品種があり、観賞用のコキアは美しい赤色に紅します。
食用のコキアは紅葉しないですが、観賞用の実よりおおきな実をつける特徴があります。
コキアの育て方|購入から植え付けまで
入手方法と販売時期
コキアの種と苗は、園芸店やホームセンター、インターネット通販などで購入できます。
コキアの種はいつでも購入できますが、コキアの苗は6月頃から店頭に並びます。
コキアの苗を購入する時は全体がしっかりしていて、葉の色がきれいなものを選びましょう。
用土
コキアはやせ地でよく育ち、水はけと水持ちの良い土を好みます。
庭植えの場合
植え付け場所に腐葉土や堆肥を混ぜ合わせて寝かせておきます。
水はけを良くする場合は、砂利や川砂を混ぜてください。
鉢植えの場合
鉢植えのコキアには、市販の草花用培養土がオススメです。
自分で土を配合する場合は、小粒の赤玉土:腐葉土=7:3でよく混ぜ合わせましょう。
植え付け・植え替え
コキアは庭でも鉢でも育てられますが、庭で大きく育てるのがオススメです。
鉢で育てる場合は10号くらいの大きさで、深さのある鉢に植え付けてあげましょう。
種まき
コキアの種まきは4月頃が適期で、発芽適温は15℃です。
6月頃までに種まきすると、コキアを長く楽しむことができます。
コキアは好光性種子なので土で日光が遮られると、発芽しにくくなるので注意してください。
- 種まき前にあらかじめ土を湿らせて、種まき後の水やりで種が流れるのを防ぎます。
- 庭に種まきする場合「筋まき」か「ばらまき」し、育苗ポットなどの場合は2~3粒土の上に乗せます。
- 種をまいたら土を薄くかぶせます。
苗の植え付け
コキアは20℃が生育適温です。
コキア苗は7月頃までに植え付けるとコキアを長く楽しめるのでオススメです。
育苗ポットからの植え付けは本葉出た頃に、購入したコキアの苗はすぐに植え付けます。
コキアは直根性で植え替えは苦手なので、植え付け時は根鉢は触らずそのまま植え付けましょう。
コキアを庭に植え付ける場合は、株間50cm以上で植え付けてください。
植え付け後は根がしっかり張るまでたっぷり水やりをします。
植え替え
コキアは一年草のため植え替えは行いません。
日当たり・置き場所
コキアは日光が大好きで、日当たりのよい場所でよく育ちます。
日光が足りなかったコキアは、小さかったり弱々しい姿になります。
コキアの育て方|日々のお世話
水やり
コキアは多湿が苦手なので乾燥ぎみに育ててあげましょう。
鉢植えのコキアは土が乾いたら、たっぷりのお水をあげます。
庭植えのコキアは植え付け後しっかり根が張っていれば、水やりはしなくても大丈夫です。
肥料
コキアはやせ地を好むため、肥料がなくてもほとんど大丈夫です。
植え付け時に緩効性肥料を土に混ぜておけば、その後コキアが元気であれば追い肥しなくても大丈夫です。
6月〜8月頃にコキアの育ち具合を観察して追い肥するか決めましょう。
追い肥には緩効性肥料を1ヶ月に1回置き肥するか、液体肥料を10日に1回与えましょう。
剪定・切り戻し
コキアの剪定は8月までが適期です。
コキアは基本的には剪定しなくても自然にまんまるの形に育ちます。
コキアの中でも枝を上に伸ばす品種の場合は剪定が必要ですので、時々枝をカットしましょう。
コキアの根っこはあまり深くならないため、強風などで倒れることがあります。
大きく育ったコキアは支柱で支えてあげたり、コキアの根元を盛り土してください。
夏越し
コキアは夏が得意なので夏越しで注意することは少ないです。
強すぎる直射日光で葉焼けすることがあるので、必要であれば日除けして守ってあげましょう。
冬越し
コキアは一年草のため冬越しの必要はありません。
病害虫
コキアは病害虫の被害に遭いにくいですが、以下の病害虫の被害に遭うことがあります。
- 灰色カビ病
- うどんこ病
- アブラムシ
- イロオビメイガ
灰色かび病
コキアの日当たり環境が悪いと育ちが悪くなり、まれに灰色かび病が発生しやすくなります。
葉や茎が傷ついたり枯れたりした部分から、茶色く変色していきます。
肥料の与えすぎや多湿も発生原因になるため、株の風通しをよくし肥料は適量にします。
発生してしまったら
灰色カビ病のため変色した部分は全て取り除き、ゴミに出すか燃やして処分してください。
取り除いたあとは、木酢液などを水で薄めて霧吹きで吹きかけると感染拡大を防ぐことができます。
広範囲に広がる場合は薬剤を使用してください。
うどんこ病
うどんこ病は多湿と風通しが悪くなるとが発生します。
うどんこ病になると葉や茎が白っぽい粉を振りかけられたように変色します。
庭に植え付ける時に風通しと日当たりを確保し、株間を適度にとりましょう。
発生してしまったら
うどんこ病のため白く変色した部分は全て取り除き、ゴミに出すか燃やして処分してください。
取り除いたあとは灰色カビ病と同様、木酢液を水で薄めて霧吹きで吹きかけてください。
広範囲に広がる場合は、薬剤を使用しましょう。
アブラムシ
コキアに新芽が出る頃は、アブラムシがよく発生します。
アブラムシは葉の裏に寄生して養分を吸うので、日々葉裏をよく観察しておきましょう。
発生してしまったら
アブラムシを見つけたら、牛乳を水で薄めて霧吹きで吹きかけると窒息させて駆除できます。
薬剤を使うと簡単に駆除できます。
シロオビメイガ
夏〜秋の気温の高い時期に発生しやすいです。
シロオビメイガはガの幼虫で、葉裏に住みつき葉の皮以外の葉肉を食べます。
シロオビメイガに食べられた葉は透けたように見えるので、透けた葉があれば葉裏のシロオビメイガを探しましょう。
発生してしまったら
薬剤を使うと手軽に駆除できるのでオススメです。
コキアの増やし方
コキアは「種の採取」と「こぼれ種」で増やすことができます。
コキアの紅葉が終わると枝や茎が枯れていきます。
茶色くパリパリになってくると、枝の先にある種を採ることができます。
採取したコキアの種は風通しのよい封筒などに入れて冷蔵庫などで保管します。
コキアはこぼれ種でかなりよく増えます。
そのため、植えてはいけないと言われることも…。
コキアを植えてはいけないと言われることについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
コキアの育て方でよくある質問
コキアが割れて倒れてしまうのはどうしたらいいですか
コキアは根が浅いため、台風や強風で倒れたり割れたりしやすいです。
麻紐でゆるく結ぶなどして対処しましょう。
コキアは枯れたらどうしたらいいですか?
コキアは一年草ですので、枯れたら抜きます。
枯れたコキアを枝などにくくりつけると、ほうきができますよ!
ただし、コキアはこぼれたねでよく増える植物。
ほうきを作ってはいたら、翌年あたり一面コキアが生えてきた…ということになりかねません。
まとめ
コキアの育て方を紹介しました。
コキアはまんまるの可愛らしい形や美しい色彩の変化を楽しめるのが魅力です。
コキアの種は茹でて食べ、枯れたら刈り取ってホウキを作ることもできます。
見たり食べたりと楽しみ方が豊富なのコキアを、ぜひ育ててみてくださいね。