パッとわかる!キンギョソウの育て方
- 水と肥料は控えめに育てる
- 開花期間中は花がらと枯葉をこまめに摘み取る
- 株の密度が上がってきたら、思い切って切り戻す
初夏の花壇をぱっと華やかにしたいなら、キンギョソウがおすすめです。
キンギョソウは色数が豊富で、金魚のヒレのようなひらひらとした花びらが魅力の植物。
色違いの苗を数株植えるだけで、カラフルな花壇が仕上がりますよ。
キンギョソウは開花期間が長いので、寄植えにも向いています。
茎が丈夫でまっすぐ伸びるので、寄植えの中心や後方に植えると立体感がでます。
育てたキンギョソウの花がたくさん咲いたら、切り花にすれば家の中でもキンギョソウの花を楽しめます。
今回は、キンギョソウの育て方と管理のコツを紹介します。
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キンギョソウの詳細情報
植物名 | キンギョソウ |
学名 | Antirrhinum majus |
英名 | snapdragon |
科名 | オオバコ科 |
属名 | キンギョソウ属 |
園芸分類 | 草花 |
形態 | 多年草 |
樹高 | 20cm~120cm |
原産地 | 地中海沿岸 |
開花期 | 4月~6月 |
花色 | 赤、白、黄、ピンク、オレンジ、複色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
原産地の地中海沿岸では多年草とされるキンギョソウ。
花の形が金魚に似ていることから、キンギョソウと呼ばれるようになりました。
本来は寒さにも暑さにも強い植物ですが、多湿に弱く、花を咲かせるためには日当たりの良い環境が必要な植物です。
日本では、日照時間が少なくなる梅雨の時期を越すことが難しいため、一年草として扱います。
夏越しにチャレンジしないのであれば、特に難しい手入れをする必要もなく、初心者でも簡単に育てられます。
キンギョソウにはいろいろな品種があります。
- 切り花に向いた品種
- 四季咲き品種
- 草丈が30cmまでの矮性種
- 40cm~60cm程度の中性種
- 1m以上になる高性種
色や咲き方の種類も多く、八重咲きやペンステモン咲きと呼ばれる花が釣り鐘型の品種もあります。
キンギョソウを育てる時は、まず植えたい場所や目的、好みの咲き方に合った品種から選ぶと失敗が少ないです。
切り花用のキンギョソウは花持ちが良いだけでなく、切り花にしやすいよう背が高くなったり、茎が長くなるものがあります。
種類がとても多いキンギョソウですが、育て方に大きな違いはありません。
キンギョソウの育て方|購入から植え付けまで
入手方法と販売時期
キンギョソウの苗は10月から11月の間と、翌春の4月から7月ごろに多く出回ります。
園芸店だけでなく、ホームセンターでも苗や鉢植えが簡単に入手できる植物です。
植えた後の失敗がないように、購入時に草丈は必ず確認してください。
春先以降になるとキンギョソウの開花苗も出回ります。
寄植えなどで花のある苗をすぐに使いたい場合や、植える花の色を確実に選びたい場合は、4月以降の蕾のついた苗を選びます。
苗が売られていない場合は、種から育てられます。
用土
キンギョソウには市販されている草花用の培養土を使います。
肥料を混ぜ込む手間が省ける、元肥入りの培養土がおすすめです。
新しく土を作るなら、赤土玉小粒と腐葉土と川砂を6:4:1で配合した水はけの良い土を使います。
種から育てる時は赤玉土小粒とピートモスを7:3で配合した土に蒔きます。
種や小さい苗を植える場合は、病気を防ぐために清潔な新しい土を使ってください。
植え付け・植え替え
キンギョソウの植え付けは3月から4月、10月から11月の間に行います。
寒冷地でキンギョソウを植える場合は、寒さで根付きが悪くならないように、10月中か3月以降に植え付けます。
霜が降りる時期に苗を購入したり、苗が小さい場合は春まで待ってから植え付けましょう。
花壇やプランターに苗を並べて植える時は、株間を20cmあけます。
キンギョソウは根が良く育つので、プランターや鉢は大きくて深さのあるものを選びましょう。
植え付け時には、キンギョソウの根を触ったり崩さないように注意して植えます。
キンギョソウは植え替えを必要としません。
日当たり・置き場所
キンギョソウは日当たりが良く、風通しの良い場所で育てます。
日陰や湿度の高い場所では花が咲きにくくなります。
暑さと乾燥には強いので、土が乾きやすい場所に置いても大丈夫です。
もし、梅雨を過ぎても生きている株があれば、夏以降は直射日光の当たらない明るい場所で育てます。
キンギョソウの育て方|日々のお世話
水やり
キンギョソウは乾かし気味に育てます。
特に、湿度の高い梅雨の時期は、土がしっかり乾くまでは水を与えないようにします。
土の表面が乾き、葉がややしなだれるぐらいまで待つのがコツです。
ただし、種や苗が小さいうちは土が乾く前に水やりをします。
開花期間中はキンギョソウの花に水がかからないように、株元から静かに注ぎます。
肥料
地植え・鉢植えどちらも、植え付け時に緩効性化成肥料を与えるだけで育ちます。
元肥入りの培養土に植え付けた場合は新たに肥料を加える必要はありません。
肥料が多いと根がダメージを受けたり、葉が茂りすぎてしまうので、追肥はできるだけ控えます。
鉢植えで育てている場合は開花期間中だけ2週間に1回、1000倍に薄めた液肥を与えます。
地植えの場合は追肥は不要です。
しかし、茎が弱い時や花つきが悪い時は、鉢植え同様に薄めた液肥を与えます。
剪定・切り戻し
キンギョソウは花が終わった後、切り戻しをすると再び花を咲かせます。
新芽のついている部分は残し、それ以外の部分を株の3分の1ほどの高さまで、下葉を残して切り戻します。
切り戻した茎には脇芽がつくので、そのまま脇芽を育てれば花数を増やすことが可能です。
注意点として、あちこち切り戻して花数を増やしすぎると、ひとつひとつの花が小さくなります。
花を小さくしたくないなら、脇芽を取って脇芽が育たないようにしてください。
株の形が悪くなってきたり、葉が混み合って風通しが悪くなったら、その部分を株の半分ほどまで切り戻します。
夏越し
日本の梅雨の環境が苦手なキンギョソウは、花が終わった6月ごろに処分するのが一般的です。
しかし、その年の気候や環境次第で、梅雨以降も株を維持できる場合があります。
確実に夏越しさせるのは難しいですが、成功すれば秋に花が見られます。
キンギョソウを夏越しさせたい時は、梅雨前に花の下まで切り戻し、半日陰の涼しい場所で管理しましょう。
雨の日やその後は、暑さで蒸れて根が傷んでしまうので、雨除けができる軒下に移動させます。
夏以降は肥料は与えず、水やりは控えて乾かし気味に管理します。
冬越し
キンギョソウは-5℃までなら対策をしなくても冬越しが可能です。
寒冷地や霜が降りる場所では、鉢を霜や寒風に当たらない場所に移動するか、霜よけを施して管理します。
病害虫
キンギョソウは春から発生するアブラムシと、灰色カビ病に注意します。
灰色カビ病は風通しが悪いと発生しやすいので、葉が茂りすぎた場合は切り戻したり、花がらや枯葉をこまめに摘み取って予防します。
どちらも薬剤散布で対処が可能です。
幼苗時のキンギョソウは立枯病にかかりやすいです。
立枯病は新しい土で育てることで予防できます。
キンギョソウの増やし方
キンギョソウを増やすには、5月~6月か10月ごろに挿し木か種を蒔きます。
挿し木で増やすなら、丈夫そうな茎を3節ほど切り取り、30分ほど吸水させてから赤玉土に挿します。
キンギョソウは種からでも育てやすい植物です。
採取した種で増やすこともできますが、同じ花が咲かない場合があるので、確実に増やしたい時は新しい種を購入しましょう。
種蒔き用の土にキンギョソウの種を蒔いた後は土を被せません。
気温15℃~20℃の環境で、土が乾かないよう水やりをしながら一週間ほど経つと芽を出します。
ポリ鉢に鉢上げする目安は、本葉が4枚~6枚になったころ。
本葉が8枚程度まで育ったら、購入した苗と同じ時期・同じ方法で植え付けができます。
まとめ
キンギョソウは切り戻しをすれば美しい花を長く楽しめます。
美しい花を維持するためには、花がら摘みや傷んだ葉を取り除くといった日々の小さなお手入れを続けることが大切です。
複数の色の株をプランターいっぱいに植えたり、寄植えにしたり、楽しみ方の多いキンギョソウをぜひ育ててみてください。