パッとわかる!ゲッケイジュの育て方
- 明るさのある日陰でも育ち、暑さと乾燥に強い植物で、初心者にもおすすめです。
- ゲッケイジュは、ベランダやお庭など、育てる場所に合わせた高さに調整することができます。
古代ギリシアでは、ゲッケイジュの葉で作られた冠を「勝利の象徴」として勝者に贈られていました。
ゲッケイジュは、フランス語だとローリエ、英名だとローレルと呼ばれています。
ゲッケイジュの葉は乾燥させると、煮込み料理などで臭みを消す効果があります。
この記事では、ゲッケイジュ(月桂樹)の育て方について、ガーデニング初心者の方でもわかりやすく解説しました。
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ゲッケイジュの詳細情報
植物名 | 月桂樹(ゲッケイジュ) |
別名 | ローリエ |
学名 | Laurus nobilis |
英名 | bay laurel、sweet bay、bay tree、true laurel |
科名 | クスノキ科 |
属名 | ゲッケイジュ属 |
園芸分類 | 庭木・花木、ハーブ |
形態 | 高木 |
樹高 | 15m |
原産地 | 地中海沿岸 |
開花期 | 4月~5月 |
花色 | 黄 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
ゲッケイジュは明るい日陰でも育ち、乾燥や寒さに強い植物です。
そのため、庭園や公園などにも広く植えられています。
ゲッケイジュは一年を通して緑の葉をつける常緑樹なので、いつでも好きな時に収穫できるのが魅力的です。
お料理でよく使われる方は、おうちで育てていると便利です。
ゲッケイジュを乾燥させる時はスワッグのように枝を束ねて、お部屋に飾るのがおすすめです。
ゲッケイジュの香りとともに、素敵なインテリアとしても楽しめます。
ゲッケイジュの育て方|購入から植え付けまで
入手方法と販売時期
ゲッケイジュは苗木での購入が一般的です。
園芸店やホームセンター、ネット通販などで購入することができます。
植え付け時期である春と秋に購入するのがおすすめ!
ゲッケイジュは木によって「雄株」と「雌株」が存在する植物です。
おもに流通しているのは「雄株」です。
用土
ゲッケイジュは土質を選びません。
庭に植える場合
水はけのよい有機物の多い土を好みます。
鉢に植える場合
土は「赤玉土 」と「腐葉土」を混ぜて使います。
配合の割合は、「赤玉土 」を多めにします。
赤玉土:腐葉土=6:4
市販の培養土でも大丈夫です。
植え付け・植え替え
ゲッケイジュの苗木は鉢から抜いた後、根と土が塊になった「根鉢(ねばち)」をくずさないようにします。
植えた後は、鉢の縁より3cmほど土の表面が下がるようにします。
庭に植える場合
ゲッケイジュを庭に植える時期は、春と秋が適しています。
4月頃と9月頃の植え付けがオススメです。
- ゲッケイジュを植え付ける場所に、可能な限りの深い穴を掘ります。
- 穴を掘った後は、底をスコップなどで耕します。
- あらかじめ準備した土を、掘り起こした庭の土によく混ぜます。
- 穴の半分まで土を入れます。
- ゲッケイジュの根鉢(ねばち)を軽くほぐします。
- ゲッケイジュの苗木の根元が、地面の高さになるように、植え付けます。
- ゲッケイジュを植え付け後は、土と根が密着するように、たっぷり水やりをします。
穴の大きさの目安は、根鉢(ねばち)の大きさの「倍の深さ」と「倍の直径」です。
穴を深く大きく掘る理由は、ゲッケイジュの根が伸びる範囲を確保する意味があります。
穴が小さいとすぐに根が詰まり、根腐れを引き起こします。
鉢に植える場合
鉢に植えるのであれば、寒すぎなければいつでも行えます。
ゲッケイジュはぐんぐん大きくなるため、小さな鉢だとすぐに植え替えが必要になります。
ゲッケイジュを植えるときは、苗木よりも一回りから二回り大きな鉢を選びます。
- 鉢の底から鉢底石⇒土の順に入れ、苗の根は表面を優しくほぐします。
- 苗の根鉢(ねばち)ほどの大きさの穴を掘り、水を入れて湿らせます。
ゲッケイジュは根が弱いため、根を傷つけないよう注意します。
日当たり・置き場所
ゲッケイジュは日当たりのよい場所を好みますが、明るさのある日陰でも育ちます。
庭に植える場合
日当たりの良い場所を確保しておきます。
鉢に植える場合
ベランダでも育てることができます。
ゲッケイジュの育て方|日々のお世話
水やり
庭に植える場合
庭に植えたゲッケイジュは、確実に根付くまでは水やりが必要です。
目安は2年です。
植え付けてから2年未満のゲッケイジュは、土が乾いたらたっぷり水をあげます。
2年を過ぎたゲッケイジュは水やりをしなくても育ちます。
鉢に植える場合
鉢植えの月桂樹は、土が乾いていたらたっぷりと水やりをします。
肥料
庭に植える場合
2月に有機質肥料を根元の周辺に埋めます。
鉢植えの場合
3月に固形肥料を根元から少し離れた場所にばら撒きます。
ベランダなどで育てているなど、あまり大きくする必要がない場合は、あえて肥料は与えません。
剪定・切り戻し
ゲッケイジュは、刈り込みや剪定をして形を整えます。
剪定は真冬以外ならいつでも可能です。
幹が細くて若いゲッケイジュは、折れないように支柱などで保護します。
細かく枝が分かれた部分は、枝を間引き風通しをよくします。
ゲッケイジュの風通しがよくなると、見た目が良くなるだけでなく病気や害虫の発生も防ぎます。
庭に植える場合
ゲッケイジュは自然な高木にする事もできれば、生垣のように自然の姿とは違う形に作ることも出来ます。
ただし、剪定しすぎてしまったり極端に寒い時期に剪定すると、ゲッケイジュの水分バランスが崩れてしまいます。
水分バランスが崩れてしまうと、ゲッケイジュの根が生育障害をおこし、病気や害虫の発生を招きます。
移植する場合は根が傷まないよう慎重に行います。
ゲッケイジュの根はかなり弱く傷つきやすいです。
鉢に植える場合
鉢植えのゲッケイジュは丸く刈り込み、下側の枝を剪定し、他の草花と寄せ植え風に仕立てる事ができます。
もちろん、自然の姿を楽しむ事も可能です。
ゲッケイジュの植え替えは、根を傷つけないよう慎重に行います。
ゲッケイジュの剪定に困ったら、プロに頼むのが安心です。
夏越し
暑さと乾燥に強いので、特別なことは必要ありません。
ゲッケイジュの生い茂った枝葉にハチが巣を作ることがあります。
こまめに剪定をするなどして注意します。
庭に植える場合
特に注意することはありません。
鉢に植える場合
ゲッケイジュが乾燥してしまい、枯れたように見えることがあります。
その場合は水をはったバケツに一晩つけておくと、また新芽が出てきます。
冬越し
ゲッケイジュを庭に植える場合、-8℃くらいまでは耐えられます。
寒さの厳しい地域では冬の冷たい風には当てず、暖かい室内に入れるなど防寒してあげます。
病害虫
ゲッケイジュは、カイガラムシがついたり、すす病になることがあります。
すす病
すす病は、枝や葉の表面に黒いすすのようなカビが付いてしまう病病気です。
カイガラムシの排泄物を栄養にして発生します。
見た目も悪く、光合成を妨げるため月桂樹の発育に影響を及ぼします。
月桂樹がすす病になった場合は、日当たりと風通しを良くします。
すす病を治すためにカイガラムシの駆除を行います。
カイガラムシ類
5月から7月に幼虫が発生して広がります。
カイガラムシは月桂樹の樹液を吸って、枝や葉に排せつ物を残します。
種類により発生回数が異なります。
カイガラムシの成虫はロウ質に覆われている為、農薬散布の効果がありません。
カイガラムシの幼虫はロウ質に覆われていません。
カイガラムシの幼虫を見つけたら農薬散布を行います。
カイガラムシの成虫は割り箸や竹べら、ブラシなど、物理的な方法でかき落とします。
冬の間にカイガラムシの成虫を処分出来ると、5月以降、幼虫の発生を大幅に減らす事ができます。
ゲッケイジュの増やし方
月桂樹は「挿し木」と「種まき」で増やす事が出来ます。
挿し木
ゲッケイジュの挿し木をするのは6月〜8月です。
その年に伸びた枝を斜めにカットします。
長さは10㎝~15㎝です。
おすすめの枝
- 葉が小さく、形がそろっている
- 固めの枝
- 切り口の部分を1時間~2時間程度、水に浸します。
- 水からあげて、赤玉土や挿し木用土を入れた鉢に植えます。
- ゲッケイジュの根が出てきたら、庭や新しい鉢に植え替えます。
- 直射日光にあてず、湿気の多い場所に置きます。
ゲッケイジュの挿し木で増やす場合は、花が咲くまで5年程度です。
種まき
10月にタネを取って撒きます。
一粒ごとに小さなポットを使います。
半年後に芽吹いてくるので、大きく育っているゲッケイジュを選んで植え替えます。
まとめ
ゲッケイジュは夏の暑さにも乾燥にも強く、寒さにも強い丈夫な植物です。
土が乾いていれば水をたっぷりあげ、日当たりの良い場所に置けばベランダでも育てることができます。
初心者にもおすすめのゲッケイジュを育ててみませんか。