パッとわかる!ジューンベリーの育て方
- 花、果実、紅葉で四季折々の変化を楽しめる
- 夏場での水切れには注意する
- 不要な枝を剪定するだけでOK!
ジューンベリーは美しい樹形を持ちながら、花・果実・紅葉など一年を通して楽しませてくれます。
本来は2~5mほど大きく育ちますが、最近は背丈の低いものも流通されています。
植えたいスペースをイメージしながら好みの品種が選べるので、ナチュラルガーデンを彩ってくれる優秀な果樹です。
この記事では、ジューンベリーの育て方や管理のコツをご紹介します。
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ジューンベリーの詳細情報
植物名 | ジューンベリー |
学名 | Amelancher |
英名 | June berry, Service berry |
科名 | バラ科 |
属名 | ザイフリボク属 |
園芸分類 | 果樹 |
形態 | 低木、高木 |
樹高 | 2~5m(品種によって異なる) |
原産地 | 北アメリカ |
開花期 | 3~4月 |
花色 | 白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
ジューンベリーは、北アメリカを中心に自生しているバラ科ザイフリボク属の果樹です。
名前通りに6月(June)に果実がなることを意味し、名づけられました。
四季折々の変化を楽しませてくれるジューンベリーは、シンボルツリーとして大変人気です。
春に白い花が咲き、夏になるとグリーンの葉が茂り赤い果実がなります。
冬に近づくと、葉がオレンジ色や赤色に染まります。
耐寒性・耐暑性・病害虫に強く、剪定はシンプルでOKなので、初心者には育てやすい果樹です。
ジューンベリーは大きくなり過ぎたり、実で周囲を汚してしまう恐れがあったりすることから、ジューンベリーを植えてはいけないと言われることがあります。
上手に管理すれば、植えても問題ない木です。詳しくはこちらの記事で解説しています。
ジューンベリーの育て方|購入から植え付けまで
入手方法と販売時期
ジューンベリーは、一般的にポット苗や苗木で入手します。
多くの場合、園芸店やネットでは休眠期後半か明け頃の2月~4月に出回るようになります。
最近は、背丈の低いもの(矮性品種:わいせいひんしゅ)も流通しています。
植えたい場所をイメージしながら、背の高いものか低いものかで好みの品種を選ぶことができます。
用土
ジューンベリーは、よく肥えている土壌で育ちます。
地植えにするなら、掘り起こした土に腐葉土や完熟堆肥を混ぜておきます。
鉢植えするならば、果樹用の培養土を用意してあげます。
植え付け・植え替え
ジューンベリーの植え付けタイミングは、休眠期の12~3月です。
ポット苗を入手したら、まずは鉢植えにしましょう。
苗をいきなり地に植えてしてしまうと、根が付かない可能性があります。
鉢のサイズを徐々に大きくしていきながら、育てていきます。
鉢植えの植え替えタイミングは、2~3年に1回、落葉中にするとよいです。
ジューンベリーの苗木の場合は、余裕をもって広い場所で地植えにします。
なぜ植える場所を広めにするのがよいかというと、下の2つが理由です。
- 2~5mまで成長する(品種による)
- 大きくなると果実が落ちるので、その掃除がしやすい
また赤い果実がつくので、コンクリートの上だと落ちた果実の色がついてしまうことがあります。
できることなら、ジューンベリーを土の上に植えるとよいでしょう。
日当たり・置き場所
ジューンベリーは、日当たり・風通し・水はけがよい場所を好みます。
ジューンベリーは大きくなる果樹なので、基本的には地植えがおすすめです。
矮性品種のジューンベリーは、鉢植えやコンテナ植えが適しています。
ジューンベリーの育て方|日々のお世話
水やり
鉢植えなら、土の表面が乾いたら、鉢の下から水が流れ出るまでたっぷり水をあげます。
地植えなら、根付くまでの2週間ほどは水を切らさないようにしましょう。
根付いた後の水やりは必要ありませんが、温かい時期・暑い時期の水切れは枯れの原因になります。
肥料
ジューンベリーの休眠期12月~3月に、有機質肥料を与えます。
果実を甘くすることやたくさん実をつけることの手助けをするのに、肥料は必要です。
ただ肥料を多く与えてしまうと、土の肥料濃度が高くなり肥料焼けを起こしてしまいます。
初心者は、すでに栄養バランスのとれたブルーベリー専用肥料を使ってみるのがおすすめです。
店舗やネットで、ブルーベリー専用肥料が販売されています。
剪定・切り戻し
ジューンベリーに、定期的な剪定は必要ありません。
自然な樹形を保ちながら育てるのが理想です。
生長するにつれて、不要な枝が生えてきます。
- 内向枝(枝が木の内側に向いている)
- 徒長枝(空に向かって直立して伸びている)
それらの不要な枝は切ってあげましょう。
不要な枝があると、葉が十分な日光を受けることができなくなります。
剪定のタイミングは、落葉期の12月あたりがよいです。
ジューンベリーの剪定に困ったら、プロに頼むのが安心です。
夏越し
特に夏越しする必要はありません。
ジューンベリーは乾燥がとても苦手です。
夏場での水切れを起こさないように、様子見ながら水やりをしましょう。
冬越し
特に冬越しする必要はありません。
ジューンベリーは冬に近づくと、葉がオレンジ色や赤色に染まります。
落葉樹なので、冬の間は葉を落とし枝だけが残った状態で休眠期に入ります。
病害虫
ジューンベリーは、病害虫に比較的強いです。
ただし日当たりや風通しが悪いと、うどんこ病にかかることがあります。
花期3~4月の間アブラムシがつきやすいので、見つけたら早めに市販のスプレーで駆除します。
果実を楽しみたい方は、6月あたりに果実を狙う鳥には注意してください。
対策として防鳥ネットを使ってみると良いです。
わが家のジューンベリーは、コガネムシの幼虫に根っこを根こそぎ食べられて枯れてしまいました…。
株がぐらつく・下葉が黄色い・成長が悪いなどの症状があったら、周りの土を掘ってみてください。
もし幼虫が出てきたら、捕殺するか薬剤をまきます。
ジューンベリーの増やし方
ジューンベリーの増やし方は2通りあります。
- 挿し木
- 種まき
挿し木のタイミングは、前年伸びた枝を3月、その年に伸びた枝を6~7月に行います。
店舗やネットで挿し木の用土が販売されているので、枝10cmほど切ってその土に挿します。
種まきは、果実の中に小さな種があるので採種し、11~3月に作業します。
ジューンベリーの種まきに適した土は、赤玉土です。
種まきしたら土が乾かないように、水やりをしましょう。
まとめ
ジューンベリーは、白い花や赤い果実、紅葉など一年通して変化していく果樹です。
四季折々の姿を見せてくれるので、とても存在感のあるお庭になります。
ぜひジューンベリーを植えてみてくださいね!